共通テスト 数学II・数学B 2022年度 第2問 [2] 解説
【必答問題】
問題編
問題
$b\gt 0$ とし、 $g(x)=x^3-3bx+3b^2$, $h(x)=x^3-x^2+b^2$ とおく。座標平面上の曲線 $y=g(x)$ を $C_1$ 、曲線 $y=h(x)$ を $C_2$ とする。
$C_1$ と $C_2$ は2点で交わる。これらの交点の $x$ 座標をそれぞれ $\alpha, \beta$ $(\alpha\lt \beta)$ とすると、 $\alpha=\myBox{サ}$, $\beta=\myBox{シス}$ である。
$\alpha\leqq x\leqq \beta$ の範囲で $C_1$ と $C_2$ で囲まれた図形の面積を $S$ とする。また、 $t\gt \beta$ とし、 $\beta\leqq x\leqq t$ の範囲で $C_1$ と $C_2$ および直線 $x=t$ で囲まれた図形の面積を $T$ とする。
このとき
\begin{eqnarray} S &=& \int_{\alpha}^{\beta} \dBox{セ} dx \\[5pt] T &=& \int_{\beta}^{t} \dBox{ソ} dx \\[5pt] S-T &=& \int_{\alpha}^{t} \dBox{タ} dx \\[5pt] \end{eqnarray}であるので\[ S-T=\frac{\myBox{チツ} }{\myBox{テ} } \left( 2t^3-\myBox{ト}bt^2 +\myBox{ナニ}b^2t-\myBox{ヌ}b^3 \right) \]が得られる。したがって、 $S=T$ となるのは $t=\dfrac{\myBox{ネ} }{\myBox{ノ} }b$ のときである。
$\dbox{セ}$ ~ $\dbox{タ}$ の解答群(同じものを繰り返し選んでもよい。)
0: $\{g(x)+h(x)\}$
1: $\{g(x)-h(x)\}$
2: $\{h(x)-g(x)\}$
3: $\{2g(x)+2h(x)\}$
4: $\{2g(x)-2h(x)\}$
5: $\{2h(x)-2g(x)\}$
6: $2g(x)$
7: $2h(x)$
考え方
抽象的なので、具体的にグラフをかくことはできません。しかし、日ごろから面積を計算するときに、符号やグラフなどをちゃんと考えていれば、うまく対処できるでしょう。計算量もそれなりにありますが、例年と比べて多すぎるというわけではありません。
【必答問題】
解答編
問題
$b\gt 0$ とし、 $g(x)=x^3-3bx+3b^2$, $h(x)=x^3-x^2+b^2$ とおく。座標平面上の曲線 $y=g(x)$ を $C_1$ 、曲線 $y=h(x)$ を $C_2$ とする。
$C_1$ と $C_2$ は2点で交わる。これらの交点の $x$ 座標をそれぞれ $\alpha, \beta$ $(\alpha\lt \beta)$ とすると、 $\alpha=\myBox{サ}$, $\beta=\myBox{シス}$ である。
解説
$g(x)=h(x)$ の解は
\begin{eqnarray}
x^3-3bx+3b^2 &=& x^3-x^2+b^2 \\[5pt]
x^2-3bx+2b^2 &=& 0 \\[5pt]
(x-b)(x-2b) &=& 0 \\[5pt]
x &=& b, 2b \\[5pt]
\end{eqnarray}となります。 $b\gt 0$ なので、 $\alpha=b$, $\beta=2b$ とわかります。
解答
サ:b
シス:2b
解答編 つづき
$\alpha\leqq x\leqq \beta$ の範囲で $C_1$ と $C_2$ で囲まれた図形の面積を $S$ とする。また、 $t\gt \beta$ とし、 $\beta\leqq x\leqq t$ の範囲で $C_1$ と $C_2$ および直線 $x=t$ で囲まれた図形の面積を $T$ とする。
このとき
\begin{eqnarray} S &=& \int_{\alpha}^{\beta} \dBox{セ} dx \\[5pt] T &=& \int_{\beta}^{t} \dBox{ソ} dx \\[5pt] S-T &=& \int_{\alpha}^{t} \dBox{タ} dx \\[5pt] \end{eqnarray}であるので\[ S-T=\frac{\myBox{チツ} }{\myBox{テ} } \left( 2t^3-\myBox{ト}bt^2 +\myBox{ナニ}b^2t-\myBox{ヌ}b^3 \right) \]が得られる。したがって、 $S=T$ となるのは $t=\dfrac{\myBox{ネ} }{\myBox{ノ} }b$ のときである。
$\dbox{セ}$ ~ $\dbox{タ}$ の解答群(同じものを繰り返し選んでもよい。)
0: $\{g(x)+h(x)\}$
1: $\{g(x)-h(x)\}$
2: $\{h(x)-g(x)\}$
3: $\{2g(x)+2h(x)\}$
4: $\{2g(x)-2h(x)\}$
5: $\{2h(x)-2g(x)\}$
6: $2g(x)$
7: $2h(x)$
解説
$g(x)-h(x)=(x-b)(x-2b)$ なので、 $b\lt x\lt 2b$ のときは $g(x)-h(x)\lt 0$ です。つまり、この範囲では $y=h(x)$ のほうが $y=g(x)$ より上にあります。よって\[ S=\int_{b}^{2b}\{ h(x)-g(x) \} dx \]となります。また、 $x\gt 2b$ の範囲では $y=g(x)$ の方が上にあるので\[ T=\int_{2b}^{t}\{ g(x)-h(x) \} dx \]となります。さらに
\begin{eqnarray}
& & S-T \\[5pt]
&=& \int_{b}^{2b}\{ h(x)-g(x)\} dx-\int_{2b}^{t}\{ g(x)-h(x)\} dx \\[5pt]
&=& \int_{b}^{2b}\{ h(x)-g(x)\} dx+\int_{2b}^{t}\{ h(x)-g(x)\} dx \\[5pt]
&=& \int_{b}^{t}\{ h(x)-g(x)\} dx \\[5pt]
\end{eqnarray}と変形できます。
このことから、
\begin{eqnarray}
& & S-T \\[5pt]
&=&
\int_{b}^{t}\{ h(x)-g(x)\} dx \\[5pt]
&=&
\int_{b}^{t}\{ -(x^2-3bx+2b^2) \} dx \\[5pt]
&=&
-\left[ \frac{1}{3}x^3-\frac{3b}{2}x^2+2b^2x \right]_b^t \\[5pt]
&=&
-\left( \frac{1}{3}t^3-\frac{3b}{2}t^2+2b^2t \right) \\
& & +\left( \frac{1}{3}b^3-\frac{3b}{2}b^2+2b^2b \right) \\[5pt]
&=&
-\frac{1}{3}t^3+\frac{3b}{2}t^2-2b^2t \\
& & +\frac{1}{3}b^3-\frac{3b^3}{2}+2b^3 \\[5pt]
&=&
-\frac{1}{3}t^3+\frac{3b}{2}t^2-2b^2t +\frac{5}{6}b^3 \\[5pt]
&=&
-\frac{1}{6} \left(2t^3-9bt^2+12b^2t -5b^3\right) \\[5pt]
\end{eqnarray}と計算できます。
$S=T$ となることは、上の式が $0$ となることと同値なので
\begin{eqnarray}
& &
2t^3-9bt^2+12b^2t -5b^3 \\[5pt]
&=&
(t-b)(2t^2-7bt+5b^2) \\[5pt]
&=&
(t-b)^2(2t-5b) \\[5pt]
\end{eqnarray}より $t=b,\dfrac{5}{2}b$ のときだとわかります。ここで、条件より $t\gt 2b$ なので、 $t=\dfrac{5}{2}b$ と求められます。
解答
セ:2
ソ:1
タ:2
チツテトナニヌ:-169125
ネノ:52