共通テスト 数学I・数学A 2024年度 第1問 [1] 解説
【必答問題】
問題編
問題
不等式\[ n \lt 2\sqrt{13} \lt n+1 \quad \cdots ① \]を満たす整数 $n$ は $\myBox{ア}$ である。実数 $a,b$ を
\begin{eqnarray} a &=& 2\sqrt{13}-\mybox{ア} \quad \cdots ② \\[5pt] b &=& \frac{1}{a} \quad \cdots ③ \end{eqnarray}で定める。このとき\[b=\frac{\myBox{イ}+2\sqrt{13}}{\myBox{ウ}} \quad \cdots ④ \]である。また\[ a^2-9b^2=\myBox{エオカ}\sqrt{13}\]である。① から\[ \frac{\mybox{ア}}{2} \lt \sqrt{13} \lt \frac{\mybox{ア}+1}{2} \quad \cdots ⑤ \]
が成り立つ。太郎さんと花子さんは、 $\sqrt{13}$ について話している。
- ⑤ から $\sqrt{13}$ のおよその値がわかるけど、小数点以下はよくわからないね。
- 小数点以下をもう少し詳しく調べることができないかな。
① と ④ から\[ \frac{m}{\mybox{ウ}} \lt b \lt \frac{m+1}{\mybox{ウ}} \]を満たす整数 $m$ は $\myBox{キク}$ となる。よって、③ から\[ \frac{\mybox{ウ}}{m+1} \lt a \lt \frac{\mybox{ウ}}{m} \quad \cdots ⑥ \]が成り立つ。
$\sqrt{13}$ の整数部分は $\myBox{ケ}$ であり、② と ⑥ を使えば $\sqrt{13}$ の小数第1位の数字は $\myBox{コ}$、小数第2位の数字は $\myBox{サ}$ であることがわかる。
考え方
前半は、有理化や式の値などの基本的な問題です。後半は、 $\sqrt{13}$ を値を小数第2位まで求める問題ですが、誘導が丁寧で計算も大変なわけではないので、それほど迷うところはないでしょう。
誘導に乗らなくても最後を求めることはできますが、小数第2位まで求めるのはちょっと大変なので、誘導にうまく乗るようにしましょう。
【必答問題】
解答編
問題
不等式\[ n \lt 2\sqrt{13} \lt n+1 \quad \cdots ① \]を満たす整数 $n$ は $\myBox{ア}$ である。実数 $a,b$ を
\begin{eqnarray} a &=& 2\sqrt{13}-\mybox{ア} \quad \cdots ② \\[5pt] b &=& \frac{1}{a} \quad \cdots ③ \end{eqnarray}で定める。このとき\[b=\frac{\myBox{イ}+2\sqrt{13}}{\myBox{ウ}} \quad \cdots ④ \]である。また\[ a^2-9b^2=\myBox{エオカ}\sqrt{13}\]である。
解説
$n\lt 2\sqrt{13}\lt n+1$ を2乗すると $n^2 \lt 52 \lt (n+1)^2$ となります。 $7^2=49,8^2=64$ なので、これを満たす正の整数 $n$ は $7$ です。
$a=2\sqrt{13}-7$ で $b=\dfrac{1}{a}$ なので
\begin{eqnarray}
b
&=&
\frac{1}{a} \\[5pt]
&=&
\frac{1}{2\sqrt{13}-7} \\[5pt]
&=&
\frac{2\sqrt{13}+7}{(2\sqrt{13}-7)(2\sqrt{13}+7)} \\[5pt]
&=&
\frac{7+2\sqrt{13}}{3} \\[5pt]
\end{eqnarray}となります。
また、
\begin{eqnarray}
a^2-9b^2
&=&
(2\sqrt{13}-7)^2-9 \left( \frac{7+2\sqrt{13}}{3} \right)^2 \\[5pt]
&=&
(2\sqrt{13}-7)^2-( 7+2\sqrt{13})^2 \\[5pt]
&=&
\{(2\sqrt{13}-7)+(2\sqrt{13}+7)\}\{(2\sqrt{13}-7)-(2\sqrt{13}+7)\} \\[5pt]
&=&
4\sqrt{13} \cdot (-14) \\[5pt]
&=&
-56\sqrt{13} \\[5pt]
\end{eqnarray}となります。
解答
ア:7 (2点)
イウ:73 (2点)
エオカ:-56 (2点)
解答編 つづき
問題
① から\[ \frac{\mybox{ア}}{2} \lt \sqrt{13} \lt \frac{\mybox{ア}+1}{2} \quad \cdots ⑤ \]
が成り立つ。太郎さんと花子さんは、 $\sqrt{13}$ について話している。
- ⑤ から $\sqrt{13}$ のおよその値がわかるけど、小数点以下はよくわからないね。
- 小数点以下をもう少し詳しく調べることができないかな。
① と ④ から\[ \frac{m}{\mybox{ウ}} \lt b \lt \frac{m+1}{\mybox{ウ}} \]を満たす整数 $m$ は $\myBox{キク}$ となる。よって、③ から\[ \frac{\mybox{ウ}}{m+1} \lt a \lt \frac{\mybox{ウ}}{m} \quad \cdots ⑥ \]が成り立つ。
解説
$7\lt 2\sqrt{13}\lt 8$ と $b=\dfrac{7+2\sqrt{13}}{3}$ から
\begin{eqnarray}
7\lt 2\sqrt{13}\lt 8 \\[5pt]
14\lt 7+2\sqrt{13}\lt 15 \\[5pt]
\frac{14}{3}\lt \frac{7+2\sqrt{13}}{3} \lt \frac{15}{3} \\[5pt]
\frac{14}{3}\lt b \lt \frac{15}{3} \\[5pt]
\end{eqnarray}が成り立ちます。 $b=\dfrac{1}{a}$ であり、どの値も正だから逆数を考えて\[ \frac{3}{15}\lt a \lt \frac{3}{14} \]が成り立ちます。
解答
キク:14 (2点)
解答編 つづき
問題
$\sqrt{13}$ の整数部分は $\myBox{ケ}$ であり、② と ⑥ を使えば $\sqrt{13}$ の小数第1位の数字は $\myBox{コ}$、小数第2位の数字は $\myBox{サ}$ であることがわかる。
解説
$\dfrac{3}{14}=0.214\cdots$ なので、$\dfrac{3}{15}\lt a \lt \dfrac{3}{14}$ より、\[ 0.2 \lt a \lt 0.215 \]となります。 $a=2\sqrt{13}-7$ だから
\begin{eqnarray}
7.2 \lt 2\sqrt{13} \lt 7.215 \\[5pt]
3.6 \lt \sqrt{13} \lt 3.6075 \\[5pt]
\end{eqnarray}なので、 $\sqrt{13}$ の整数部分は $3$ で、小数第1位の数字は $6$ 、小数第2位の数字は $0$ だとわかります。
解答
ケコサ:360 (2点)