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共通テスト 数学I・数学A 2022年度追試 第4問 解説

$\def\myBox#1{\bbox[2px, border:2px solid]{ \class{bold}{ \textsf{ #1 } } } }$ $\def\mybox#1{\bbox[2px, border:1px solid gray]{ \textsf{ #1 } } }$ $\def\dBox#1{\bbox[3px, border: 2px solid ]{\bbox[0px, border: 1px solid ]{ \class{bold}{ \textsf{ #1 } } } } }$ $\def\dbox#1{\bbox[4px, border: 1px solid ]{\bbox[0px, border: 1px solid ]{ \textsf{ #1 } } } }$

【第3問~第5問から2問選択】

問題編

問題

(1) 整数 $k$ が $0\leqq k \lt 5$ を満たすとする。 $77k=5\times 15k+2k$ に注意すると、 $77k$ を $5$ で割った余りが $1$ となるのは $k=\myBox{ア}$ のときである。

(2) 三つの整数 $k, \ell, m$ が\[ 0\leqq k\lt 5,\ 0\leqq \ell \lt 7,\ 0\leqq m \lt 11 \]を満たすとする。このとき\[ \dfrac{k}{5}+\frac{\ell}{7}+\frac{m}{11}-\frac{1}{385} \quad \cdots ① \]が整数となる $k, \ell, m$ を求めよう。

 ①の値が整数のとき、その値を $n$ とすると\[ \dfrac{k}{5}+\frac{\ell}{7}+\frac{m}{11}=\frac{1}{385}+n \quad \cdots ② \]となる。②の両辺に $385$ を掛けると\[ 77k+55\ell+35m=1+385n \quad \cdots ③ \]となる。これより\[ 77k=5(-11\ell-7m+77n)+1 \]となることから、 $77k$ を $5$ で割った余りは $1$ なので $k=\mybox{ア}$ である。

同様にして\[ 55\ell=7(-11k-5m+55n)+1 \]および\[ 35m=11(-7k-5\ell+35n)+1 \]であることに注意すると、 $\ell=\myBox{イ}$ および $m=\myBox{ウ}$ が得られる。

 なお、 $k=\mybox{ア}$, $\ell=\mybox{イ}$, $m=\mybox{ウ}$ を③に代入すると $n=2$ であることがわかる。

(3) 三つの整数 $x,y,z$ が\[ 0\leqq x\lt 5,\ 0\leqq y \lt 7,\ 0\leqq z\lt 11 \]を満たすとする。次の形の整数\[ 77\times\mybox{ア}\times x +55\times\mybox{イ}\times y +35\times\mybox{ウ}\times z \]を $5, 7, 11$ を割った余りがそれぞれ $2,4,5$ であるとする。このとき、 $x,y,z$ を求めよう。 $77\times\mybox{ア}\times x$ を $5$ で割った余りが $2$ であることから $x=\myBox{エ}$ となる。同様にして $y=\myBox{オ}$, $z=\myBox{カ}$ となる。

 $x,y,z$ を上で求めた値として、整数 $p$ を\[ p=77\times\mybox{ア}\times x +55\times\mybox{イ}\times y +35\times\mybox{ウ}\times z \]で定める。このとき、 $5, 7, 11$ で割った余りがそれぞれ $2,4,5$ である整数 $M$ は、ある整数 $r$ を用いて $M=p+385r$ と表すことができる。

(4) 整数 $p$ を(3)で定めたものとする。 $p^a$ を $5$ で割った余りが $1$ となる正の整数 $a$ のうち、最小のものは $a=4$ である。また、 $p^b$ を $7$ で割った余りが $1$ となる正の整数 $b$ のうち、最小のものは $b=\myBox{キ}$ となる。さらに、 $p^c$ を $11$ で割った余りが $1$ となる正の整数 $c$ のうち、最小のものは $c=\myBox{ク}$ である。

 $p^8$ を $385$ で割った余りを $q$ とするとき、 $q$ を求めよう。 $p^8$ を $5, 7, 11$ で割った余りを利用して(3)と同様に考えると、 $q=\myBox{ケコサ}$ であることがわかる。

考え方

途中の流れがわからなくても、部分的に解答することはできますが、一番最後は問題文の内容をきちんと理解していないと答えられません。(3)で(2)の内容をどう使うか、(4)で(3)の内容をどう使うか、よく考えましょう。


【第3問~第5問から2問選択】

解答編

問題

(1) 整数 $k$ が $0\leqq k \lt 5$ を満たすとする。 $77k=5\times 15k+2k$ に注意すると、 $77k$ を $5$ で割った余りが $1$ となるのは $k=\myBox{ア}$ のときである。

解説

$77k=5\times 15k+2k$ なので、 $77k$ を $5$ で割った余りと $2k$ を $5$ で割った余りは一致します。なので、 $2k$ を $5$ で割った余りが $1$ となるものを直接代入していきながら探すと、 $k=3$ だとわかります。

解答

ア:3

解答編 つづき

問題

(2) 三つの整数 $k, \ell, m$ が\[ 0\leqq k\lt 5,\ 0\leqq \ell \lt 7,\ 0\leqq m \lt 11 \]を満たすとする。このとき\[ \dfrac{k}{5}+\frac{\ell}{7}+\frac{m}{11}-\frac{1}{385} \quad \cdots ① \]が整数となる $k, \ell, m$ を求めよう。

 ①の値が整数のとき、その値を $n$ とすると\[ \dfrac{k}{5}+\frac{\ell}{7}+\frac{m}{11}=\frac{1}{385}+n \quad \cdots ② \]となる。②の両辺に $385$ を掛けると\[ 77k+55\ell+35m=1+385n \quad \cdots ③ \]となる。これより\[ 77k=5(-11\ell-7m+77n)+1 \]となることから、 $77k$ を $5$ で割った余りは $1$ なので $k=\mybox{ア}$ である。

同様にして\[ 55\ell=7(-11k-5m+55n)+1 \]および\[ 35m=11(-7k-5\ell+35n)+1 \]であることに注意すると、 $\ell=\myBox{イ}$ および $m=\myBox{ウ}$ が得られる。

 なお、 $k=\mybox{ア}$, $\ell=\mybox{イ}$, $m=\mybox{ウ}$ を③に代入すると $n=2$ であることがわかる。

解説

問題文にあるように、③を変形して\[ 55\ell=7(-11k-5m+55n)+1 \]となるので、 $55\ell$ を $7$ で割った余りは $1$ になることがわかります。(1)と同じように考えて、 $55\ell=49\ell+6\ell$ と分解すると、 $6\ell$ を $7$ で割った余りが $1$ になるとわかります。代入していくと、 $\ell=6$ と求められます。

また、③を変形して\[ 35m=11(-7k-5\ell+35n)+1 \]となるので、 $35m$ を $11$ で割った余りは $1$ になることがわかります。 $35m=33m+2m$ と分解すると、 $2m$ を $11$ で割った余りが $1$ になるとわかります。代入していくと、 $m=6$ と求められます。

逆に、 $k=3$, $\ell=6$, $m=6$ を③代入すると、
\begin{eqnarray} 77\cdot 3+55\cdot 6+35\cdot 6 &=& 1+385n \\[5pt] 231+330+210 &=& 1+385n \\[5pt] 771 &=& 1+385n \\[5pt] n &=& 2 \end{eqnarray}となり、問題文にあるように $n=2$ だと求められます。

解答

イ:6
ウ:6

解答編 つづき

問題

(3) 三つの整数 $x,y,z$ が\[ 0\leqq x\lt 5,\ 0\leqq y \lt 7,\ 0\leqq z\lt 11 \]を満たすとする。次の形の整数\[ 77\times\mybox{ア}\times x +55\times\mybox{イ}\times y +35\times\mybox{ウ}\times z \]を $5, 7, 11$ を割った余りがそれぞれ $2,4,5$ であるとする。このとき、 $x,y,z$ を求めよう。 $77\times\mybox{ア}\times x$ を $5$ で割った余りが $2$ であることから $x=\myBox{エ}$ となる。同様にして $y=\myBox{オ}$, $z=\myBox{カ}$ となる。

 $x,y,z$ を上で求めた値として、整数 $p$ を\[ p=77\times\mybox{ア}\times x +55\times\mybox{イ}\times y +35\times\mybox{ウ}\times z \]で定める。このとき、 $5, 7, 11$ で割った余りがそれぞれ $2,4,5$ である整数 $M$ は、ある整数 $r$ を用いて $M=p+385r$ と表すことができる。

解説

\[ 77\times 3 \times x +55\times 6 \times y +35\times 6 \times z \]を $A$ とおいて、 $A$ を $5$ で割った余りを考えます。2つ目と3つ目の項は $5$ で割り切れます。また、 $77\cdot 3$ は、(2)で「 $5$ で割った余りが $1$ 」となるように決めました。なので、 $A$ を $5$ で割った余りは $x$ となります。よって、 $x=2$ です。

同様に、 $A$ を $7$ で割った余りは $y$ となるので、 $y=4$ です。同じように考えると、 $z=5$ となります。

解答

エ:2
オカ:45

解答編 つづき

問題

(4) 整数 $p$ を(3)で定めたものとする。 $p^a$ を $5$ で割った余りが $1$ となる正の整数 $a$ のうち、最小のものは $a=4$ である。また、 $p^b$ を $7$ で割った余りが $1$ となる正の整数 $b$ のうち、最小のものは $b=\myBox{キ}$ となる。さらに、 $p^c$ を $11$ で割った余りが $1$ となる正の整数 $c$ のうち、最小のものは $c=\myBox{ク}$ である。

解説

$p$ を $7$ で割った余りは $4$ なので、 $p^b$ を $7$ で割った余りと $4^b$ を $7$ で割った余りは一致します。順番に計算していくと、 $b=3$ のときにはじめて余りが $1$ になることがわかるので、 $b=3$ となります。

$p$ を $11$ で割った余りは $5$ なので、 $p^c$ を $11$ で割った余りと $5^b$ を $11$ で割った余りは一致します。順番に計算していくと、 $c=5$ のときにはじめて余りが $1$ になることがわかるので、 $c=5$ となります。

解答

キ:3
ク:5

解答編 つづき

問題

 $p^8$ を $385$ で割った余りを $q$ とするとき、 $q$ を求めよう。 $p^8$ を $5, 7, 11$ で割った余りを利用して(3)と同様に考えると、 $q=\myBox{ケコサ}$ であることがわかる。

解説

$p^4$ を $5$ で割った余りが $1$ なので、 $p^8$ を $5$ で割った余りも $1$ です。

$p^3$ を $7$ で割った余りが $1$ なので、 $p^8=p^3\cdot p^3\cdot p^2$ を $7$ で割った余りは、 $p^2$ を $7$ で割った余りと等しいです。 $p$ を $7$ で割った余りは $4$ なので、 $p^2$ と $4^2$ を $7$ で割った余りは等しく、余りは $2$ だとわかります。

$p^5$ を $11$ で割った余りが $1$ なので、 $p^8=p^5 \cdot p^3$ を $11$ で割った余りは、 $p^3$ を $11$ で割った余りと等しいです。 $p$ を $11$ で割った余りは $5$ なので、 $p^3$ と $5^3$ を $11$ で割った余りは等しく、余りは $4$ だとわかります。

よって、(3)と同様に考えれば、 $77\times 3 \times x +55\times 6 \times y +35\times 6 \times z$ にそれぞれの余りを代入して、
\begin{eqnarray} & & 77\cdot 3 \cdot 1 +55\cdot 6\cdot 2+35\cdot 6\cdot 4 \\[5pt] &=& 231+660+840 \\[5pt] &=& 1731 \\[5pt] \end{eqnarray}となるので、 $p^8$ は、ある整数 $r$ を使って、 $1731+385r$ と表せることがわかります。ここで、\[ 1731=385\cdot 4+ 191 \]なので、 $p^8$ を $385$ で割った余りは $191$ となります。

解答

ケコサ:191

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