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共通テスト 数学I・数学A 2022年度追試 第1問 [1] 解説

$\def\myBox#1{\bbox[2px, border:2px solid]{ \class{bold}{ \textsf{ #1 } } } }$ $\def\mybox#1{\bbox[2px, border:1px solid gray]{ \textsf{ #1 } } }$ $\def\dBox#1{\bbox[3px, border: 2px solid ]{\bbox[0px, border: 1px solid ]{ \class{bold}{ \textsf{ #1 } } } } }$ $\def\dbox#1{\bbox[4px, border: 1px solid ]{\bbox[0px, border: 1px solid ]{ \textsf{ #1 } } } }$

【必答問題】

問題編

問題

 $c$ を実数とし、 $x$ の方程式\[ |3x-3c+1|=(3-\sqrt{3})x-1\quad \cdots① \]を考える。

(1) $x\geqq c-\dfrac{1}{3}$ のとき、①は\[ 3x-3c+1=(3-\sqrt{3})x-1 \quad\cdots ② \]となる。②を満たす $x$ は\[ x=\sqrt{\myBox{ア} }c-\dfrac{\myBox{イ}\sqrt{3} }{3} \quad\cdots ③ \]となる。③が $x\geqq c-\dfrac{1}{3}$ を満たすような $c$ の値の範囲は $\dBox{ウ}$ である。

 また、 $x\lt c-\dfrac{1}{3}$ のとき、①は\[ -3x+3c-1=(3-\sqrt{3})x-1 \quad\cdots ④ \]となる。④を満たす $x$ は\[ x=\dfrac{\myBox{エ}+\sqrt{3} }{\myBox{オカ} }c \quad\cdots⑤ \]となる。⑤が $x\lt c-\dfrac{1}{3}$ を満たすような $c$ の値の範囲は $\dBox{キ}$ である。

 $\dbox{ウ}$, $\dbox{キ}$ の解答群(同じものを繰り返し選んでもよい。)

 0: $c\leqq \dfrac{3+\sqrt{3} }{6}$

 1: $c\lt \dfrac{3-\sqrt{3} }{6}$

 2: $c\geqq \dfrac{5+\sqrt{3} }{6}$

 3: $c\gt \dfrac{3+\sqrt{3} }{6}$

 4: $c\geqq \dfrac{3-\sqrt{3} }{6}$

 5: $c\gt \dfrac{5+\sqrt{3} }{6}$

 6: $c\leqq \dfrac{5-\sqrt{3} }{6}$

 7: $c\geqq \dfrac{7-3\sqrt{3} }{6}$

 8: $c\lt \dfrac{5-\sqrt{3} }{6}$

 9: $c\gt \dfrac{7-3\sqrt{3} }{6}$

(2) ①が異なる二つの解をもつための必要十分条件は $\dBox{ク}$ であり、ただ一つの解をもつための必要十分条件は $\dBox{ケ}$ である。さらに、①が解をもたないための必要十分条件は $\dBox{コ}$ である。

 $\dbox{ク}$ ~ $\dbox{コ}$ の解答群(同じものを繰り返し選んでもよい。)

 0: $c\gt \dfrac{3-\sqrt{3} }{6}$

 1: $c\gt \dfrac{5+\sqrt{3} }{6}$

 2: $c\geqq \dfrac{7-3\sqrt{3} }{6}$

 3: $c= \dfrac{3-\sqrt{3} }{6}$

 4: $c= \dfrac{5+\sqrt{3} }{6}$

 5: $c= \dfrac{7-3\sqrt{3} }{6}$

 6: $c\leqq \dfrac{3-\sqrt{3} }{6}$

 7: $c\lt \dfrac{5+\sqrt{3} }{6}$

 8: $c\lt \dfrac{7-3\sqrt{3} }{6}$

考え方

絶対値、ルート、そして多すぎる選択肢。めんどくさそうな雰囲気が漂っていますが、解いてみると実際めんどくさいです。(1)は計算間違いをしないように注意して解いていきましょう。

(2)は、(1)の結果から考えますが、文字の入った不等式に慣れていないと少し考えづらいかもしれません。

時間の制約から考えると、厳しい問題です。


【必答問題】

解答編

問題

 $c$ を実数とし、 $x$ の方程式\[ |3x-3c+1|=(3-\sqrt{3})x-1\quad \cdots① \]を考える。

(1) $x\geqq c-\dfrac{1}{3}$ のとき、①は\[ 3x-3c+1=(3-\sqrt{3})x-1 \quad\cdots ② \]となる。②を満たす $x$ は\[ x=\sqrt{\myBox{ア} }c-\dfrac{\myBox{イ}\sqrt{3} }{3} \quad\cdots ③ \]となる。③が $x\geqq c-\dfrac{1}{3}$ を満たすような $c$ の値の範囲は $\dBox{ウ}$ である。

 また、 $x\lt c-\dfrac{1}{3}$ のとき、①は\[ -3x+3c-1=(3-\sqrt{3})x-1 \quad\cdots ④ \]となる。④を満たす $x$ は\[ x=\dfrac{\myBox{エ}+\sqrt{3} }{\myBox{オカ} }c \quad\cdots⑤ \]となる。⑤が $x\lt c-\dfrac{1}{3}$ を満たすような $c$ の値の範囲は $\dBox{キ}$ である。

 $\dbox{ウ}$, $\dbox{キ}$ の解答群(同じものを繰り返し選んでもよい。)

 0: $c\leqq \dfrac{3+\sqrt{3} }{6}$

 1: $c\lt \dfrac{3-\sqrt{3} }{6}$

 2: $c\geqq \dfrac{5+\sqrt{3} }{6}$

 3: $c\gt \dfrac{3+\sqrt{3} }{6}$

 4: $c\geqq \dfrac{3-\sqrt{3} }{6}$

 5: $c\gt \dfrac{5+\sqrt{3} }{6}$

 6: $c\leqq \dfrac{5-\sqrt{3} }{6}$

 7: $c\geqq \dfrac{7-3\sqrt{3} }{6}$

 8: $c\lt \dfrac{5-\sqrt{3} }{6}$

 9: $c\gt \dfrac{7-3\sqrt{3} }{6}$

解説

②を変形すると
\begin{eqnarray} 3x-3c+1 &=& (3-\sqrt{3})x-1 \\[5pt] \sqrt{3}x &=& 3c-2 \\[5pt] x &=& \sqrt{3}c-\frac{2\sqrt{3} }{3} \\[5pt] \end{eqnarray}となります。よって、 $x\geqq c-\dfrac{1}{3}$ を解くと \begin{eqnarray} x & \geqq & c-\dfrac{1}{3} \\[5pt] \sqrt{3}c-\frac{2\sqrt{3} }{3} & \geqq & c-\dfrac{1}{3} \\[5pt] (\sqrt{3}-1)c & \geqq & \dfrac{2\sqrt{3}-1}{3} \\[5pt] c & \geqq & \dfrac{2\sqrt{3}-1}{3(\sqrt{3}-1)} \\[5pt] \end{eqnarray}となります。なお、途中で $\sqrt{3}-1\gt 0$ であることを使っています。最後の式の右辺は \begin{eqnarray} \dfrac{2\sqrt{3}-1}{3(\sqrt{3}-1)} &=& \dfrac{(2\sqrt{3}-1)(\sqrt{3}+1)}{3(\sqrt{3}-1)(\sqrt{3}+1)} \\[5pt] &=& \dfrac{6-1+\sqrt{3}(2-1)}{6} \\[5pt] &=& \dfrac{5+\sqrt{3} }{6} \\[5pt] \end{eqnarray}となります。③が、場合分けの前提条件 $x\geqq c-\dfrac{1}{3}$ を満たすような $c$ の範囲は\[ c \geqq \dfrac{5+\sqrt{3} }{6} \]となります。

次に、④を変形すると
\begin{eqnarray} -3x+3c-1 &=& (3-\sqrt{3})x-1 \\[5pt] (-6+\sqrt{3})x &=& -3c \\[5pt] x &=& \frac{-3c}{-6+\sqrt{3} } \\[5pt] &=& \frac{3c}{6-\sqrt{3} } \\[5pt] &=& \frac{3c(6+\sqrt{3})}{(6-\sqrt{3})(6+\sqrt{3})} \\[5pt] &=& \frac{3c(6+\sqrt{3})}{33} \\[5pt] &=& \frac{6+\sqrt{3} }{11}c \\[5pt] \end{eqnarray}となります。よって、 $x\lt c-\dfrac{1}{3}$ を解くと \begin{eqnarray} x & \lt & c-\dfrac{1}{3} \\[5pt] \frac{6+\sqrt{3} }{11}c & \lt & c-\dfrac{1}{3} \\[5pt] \frac{-5+\sqrt{3} }{11}c & \lt & -\dfrac{1}{3} \\[5pt] c & \gt & -\dfrac{1}{3}\cdot\dfrac{11}{-5+\sqrt{3} } \\[5pt] \end{eqnarray}となります。なお、途中で $-5+\sqrt{3}\lt 0$ であることを使っています。最後の式の右辺は \begin{eqnarray} & & -\dfrac{1}{3}\cdot\dfrac{11}{-5+\sqrt{3} } \\[5pt] &=& \dfrac{1}{3}\cdot\dfrac{11}{5-\sqrt{3} } \\[5pt] &=& \dfrac{11(5+\sqrt{3})}{3(5-\sqrt{3})(5+\sqrt{3})} \\[5pt] &=& \dfrac{11(5+\sqrt{3})}{3\cdot 22} \\[5pt] &=& \dfrac{5+\sqrt{3} }{6} \\[5pt] \end{eqnarray}なので、⑤が、場合分けの前提条件 $x\lt c-\dfrac{1}{3}$ を満たすような $c$ の範囲は\[ c \gt \dfrac{5+\sqrt{3} }{6} \]となります。

解答

アイ:32
ウ:2
エオカ:611
キ:5

解答編 つづき

問題

(2) ①が異なる二つの解をもつための必要十分条件は $\dBox{ク}$ であり、ただ一つの解をもつための必要十分条件は $\dBox{ケ}$ である。さらに、①が解をもたないための必要十分条件は $\dBox{コ}$ である。

 $\dbox{ク}$ ~ $\dbox{コ}$ の解答群(同じものを繰り返し選んでもよい。)

 0: $c\gt \dfrac{3-\sqrt{3} }{6}$

 1: $c\gt \dfrac{5+\sqrt{3} }{6}$

 2: $c\geqq \dfrac{7-3\sqrt{3} }{6}$

 3: $c= \dfrac{3-\sqrt{3} }{6}$

 4: $c= \dfrac{5+\sqrt{3} }{6}$

 5: $c= \dfrac{7-3\sqrt{3} }{6}$

 6: $c\leqq \dfrac{3-\sqrt{3} }{6}$

 7: $c\lt \dfrac{5+\sqrt{3} }{6}$

 8: $c\lt \dfrac{7-3\sqrt{3} }{6}$

解説

(1)の前半の結果から、 $c \geqq \dfrac{5+\sqrt{3} }{6}$ なら、 $x\geqq c-\dfrac{1}{3}$ の範囲に解が1個あり、それ以外のときは解がないことがわかります。また、後半の結果から、 $c \gt \dfrac{5+\sqrt{3} }{6}$ なら、 $x\lt c-\dfrac{1}{3}$ の範囲に解が1個あり、それ以外のときは解がないことがわかります。

このことから、 $c \gt \dfrac{5+\sqrt{3} }{6}$ であれば、 $c-\dfrac{1}{3}$ 以上の解を1個と、これ未満の解が1個、合計2個の解をもつことがわかります。また、 $c = \dfrac{5+\sqrt{3} }{6}$ のときは、 $c-\dfrac{1}{3}$ 以上の解を1個だけもつことがわかります。

これら以外のケース、つまり、 $c \lt \dfrac{5+\sqrt{3} }{6}$ の場合には、解をもたないことがわかります。

解答

クケコ:147

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