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京都大学 理系 2014年度 第3問 解説

問題編

問題

 $\triangle \mathrm{ ABC }$ は、条件 $\angle \mathrm{ B }=2\angle \mathrm{ A }$, $\mathrm{ BC }=1$ を満たす三角形のうちで面積が最大のものであるとする。このとき、 $\cos \angle \mathrm{ B }$ を求めよ。

考え方

重要な条件は、1つ目の $\angle \mathrm{ B }=2\angle \mathrm{ A }$ です。考えるものは面積なので、この角度に関する条件から、線の長さを表すことをまずは考えましょう。

面積を表す式が書けたら、最大を求めるために増減表を書きましょう。増減表を書くときは、角度が増えたら $\cos$ の値は小さくなることに注意しましょう。


解答編

問題

 $\triangle \mathrm{ ABC }$ は、条件 $\angle \mathrm{ B }=2\angle \mathrm{ A }$, $\mathrm{ BC }=1$ を満たす三角形のうちで面積が最大のものであるとする。このとき、 $\cos \angle \mathrm{ B }$ を求めよ。

解答

C から直線 AB に垂線をおろし、その足を H とする。

このとき、 $\angle \mathrm{ B }$ の大きさによらず、
\begin{eqnarray} \mathrm{ CH } &=& \mathrm{ BC }\times \sin \angle \mathrm{ B } \\ &=& \sin \angle \mathrm{ B } \\ &=& 2\sin \angle \mathrm{ A }\cos \angle \mathrm{ A } \\ \end{eqnarray}が成り立つ。

また、 $\angle \mathrm{ A } \lt \dfrac{\pi}{3}$ なので、 $\tan \angle \mathrm{ A }$ は正だから
\begin{eqnarray} \mathrm{ AH } &=& \mathrm{ CH }\times \frac{1}{\tan \angle \mathrm{ A } } \\[5pt] &=& 2\sin \angle \mathrm{ A }\cos \angle \mathrm{ A } \times \frac{\cos \angle \mathrm{ A } }{\sin \angle \mathrm{ A } } \\[5pt] &=& 2\cos^2 \angle \mathrm{ A } \\ &=& \cos \angle \mathrm{ B } +1 \\ \end{eqnarray}となる。なお、この式は、 $\angle \mathrm{ B }$ の大きさによらず、正である。

$\mathrm{ BH }=|\cos\angle \mathrm{ B }|$ だから、 $\angle \mathrm{ B }$ の大きさによらず、\[ \mathrm{ AB } = (\cos \angle \mathrm{ B } +1) +\cos\angle \mathrm{ B } \]が成り立つ。よって、三角形ABC の面積は
\begin{eqnarray} & & \frac{1}{2} \times \mathrm{ AB } \times \mathrm{ CH } \\ &=& \frac{ (\cos \angle \mathrm{ B } +1+\cos\angle \mathrm{ B }) \times \sin \angle \mathrm{ B } }{2} \\ &=& \frac{ \sin \angle \mathrm{ B }(2\cos \angle \mathrm{ B }+1) }{2} \end{eqnarray}となる。この分子が最大となるときを考える。

$f(x)=\sin x(2\cos x+1)$ とすると
\begin{eqnarray} f'(x) &=& \cos x(2\cos x +1)+\sin x(-2\sin x) \\ &=& 2\cos^2 x +\cos x -2\sin^2 x \\ &=& 4\cos^2 x +\cos x -2 \\ \end{eqnarray}となる。よって、 $f'(x)=0$ としたとき、 \begin{eqnarray} \cos x = \frac{-1\pm\sqrt{33} }{8} \end{eqnarray}となる。ここで、\[ \dfrac{-1-\sqrt{33} }{8} \leqq \dfrac{-1-\sqrt{9} }{8}=\cos\frac{2}{3}\pi\]と\[ 0\lt \dfrac{-1+\sqrt{33} }{8} \lt 1 \]が成り立つことに注意する。$\theta$ を $\cos \theta = \dfrac{-1+\sqrt{33} }{8}$ を満たす鋭角とすると、増減表は \begin{array}{c|ccccc} x & 0 & \cdots & \theta & \cdots & \frac{2}{3}\pi \\ \hline f' & & + & 0 & - & \\ \hline f & & \nearrow & & \searrow & \end{array}となるので、面積が最大となるときの $\cos \angle \mathrm{ B }$ は\[ \cos \angle \mathrm{ B } = \cos \theta = \dfrac{-1+\sqrt{33} }{8} \]となる。

(終)

解説

B が鈍角になる可能性があるので、そこに注意しながら長さを計算しています。A は鋭角と決まっているので、A を使って考えていってもいいでしょう。

面積に関する条件なので、与えられた条件を使いつつ、面積の式を作ります。最大を調べるには、微分して増減表を書けばいいですね。

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