京都大学 文系 2006年度 第2問 解説
問題編
【問題】
座標空間に4点$\mathrm{ A }(2,1,0)$、$\mathrm{ B }(1,0,1)$、$\mathrm{ C }(0,1,2)$、$\mathrm{ D }(1,3,7)$がある。3点A,B,Cを通る平面に関して点Dと対称な点をEとするとき、点Eの座標を求めよ。
【考え方】
平面で、直線に関してある点と対称な点を求める、というのはよくありますが、空間ではあまりないかもしれません。しかし、やることは一緒です。元の点とその点と対称な点を結んだ線は平面と垂直になり、中点はその平面上にあります。この条件を使って座標を求めていきます。垂直の条件は内積で書けるので、ベクトルを使うのがいいでしょう。
解答編
【問題】
座標空間に4点$\mathrm{ A }(2,1,0)$、$\mathrm{ B }(1,0,1)$、$\mathrm{ C }(0,1,2)$、$\mathrm{ D }(1,3,7)$がある。3点A,B,Cを通る平面に関して点Dと対称な点をEとするとき、点Eの座標を求めよ。
【解答】
$\overrightarrow{ \mathrm{ AB } } = (-1,-1,1)$、$\overrightarrow{ \mathrm{ AC } } = (-2,0,2)$、$\overrightarrow{ \mathrm{ AD } } = (-1,2,7)$である。また、A,B,Cを通る平面上の点Fは、実数s,tを使って
\begin{eqnarray}
\overrightarrow{ \mathrm{ AF } }
&=&
s\overrightarrow{ \mathrm{ AB } }+t\overrightarrow{ \mathrm{ AC } } \\
&=&
s(-1,-1,1)+t(-2,0,2) \\
&=&
(-s-2t,-s,s+2t)
\end{eqnarray}と書ける。よって、
\begin{eqnarray}
\overrightarrow{ \mathrm{ DF } }
&=&
(1,-2,-7) +(-s-2t,-s,s+2t) \\
&=&
(-s-2t+1,-s-2,s+2t-7) \\
\end{eqnarray}となる。
FがDEの中点となるときを考える。このとき、DFはABと垂直なので、
\begin{eqnarray}
-1\cdot (-s-2t+1) -1\cdot (-s-2) +1\cdot (s+2t-7) &=& 0 \\
s+2t-1 +s+2 +s+2t-7 &=& 0 \\
3s+4t &=& 6 \quad \cdots (1)
\end{eqnarray}が成り立つ。また、ACとも垂直なので、
\begin{eqnarray}
-2\cdot (-s-2t+1) +0\cdot (-s-2) +2\cdot (s+2t-7) &=& 0 \\
2s+4t-2 +2s+4t-14 &=& 0 \\
2s+4t &=& 8 \quad \cdots (2)
\end{eqnarray}が成り立つ。
(1)-(2)より、$s=-2$となり、これを(1)に代入すると、$t=3$も得られる。
よって、$\overrightarrow{ \mathrm{ AF } }=(-4,2,4)$となるので、Fの座標は、$(-2,3,4)$となる。
DEの中点がFなので、Eの座標を$(x,y,z)$とすると、\[ \left(\frac{1+x}{2},\frac{3+y}{2},\frac{7+z}{2}\right)=(-2,3,4) \]となる、よって、Eの座標は、$(-5,3,1)$となる。
【解答終】
【解説】
1番に引き続き、これも計算するだけの問題です。教科書の内容をおさえていれば、解けない問題ではないです。
なお、法線ベクトルを求め、平面の方程式を出してから解く方法もあります。