センター試験 数学I・数学A 2014年度追試 第2問 解説
【必答問題】
問題編
問題
$\def\myBox#1{\bbox[3px, border:2px solid]{\ \bf{ #1 }\ } }\def\mybox#1{\bbox[4px, border:1px solid gray]{\ #1\ } }$a, b, c を定数とし、 $a\gt 0$ とする。 x の2次関数\[ y=ax^2+bx+c \quad \cdots ① \]は、 $x=-1$ のとき $y=4$, $x=2$ のとき $y=7$ であるとする。
b, c を a で表すと\[ b=\myBox{ア}a+\myBox{イ}, \ c=\myBox{ウエ}a+\myBox{オ} \]である。①のグラフの頂点の座標を $(p,q)$ とすると
\begin{eqnarray} p &=& \frac{ a-\myBox{カ} }{ \myBox{キ}a } \\[5pt] q &=& \frac{ \myBox{クケ}a^2 +\myBox{コサ}a-\myBox{シ} }{ \myBox{ス}a } \\[5pt] \end{eqnarray}である。(1) $a=2$ のとき、①のグラフを x 軸方向に $\displaystyle \frac{\myBox{セソ} }{\myBox{タ} }$, y 軸方向に $\displaystyle \frac{\myBox{チツ} }{\myBox{テ} }$ だけ平行移動すると、 $y=2x^2$ のグラフに一致する。
(2) ①のグラフが y 軸に関して対称になるとき、頂点の y 座標は $\myBox{ト}$ である。
(3) 関数①の最小値が $0$ であるとすると\[ a=\frac{\myBox{ナニ}\pm\myBox{ヌ}\sqrt{\myBox{ネ} }}{\myBox{ノ} } \]である。
(4) $1\leqq x \leqq 2$ における関数①の最小値が $0$ であるとすると\[ a=\myBox{ハ} \]である。
考え方
前半に重たい計算があり、結構大変です。平方完成をしてから b, c の値を入れるのか、値を入れてから平方完成するのか、2パターンありますが、どちらにしても計算は大変です。しかも、ここがきちんと計算できないと後の問題で困るので、間違いがないか慎重に解いていきましょう。
(1)(2)(3)は、与えられた条件をどう言い換えるかがポイントです。(1)は頂点に着目しましょう。(2)も頂点がどうなっていたらいいかを考えます。(3)も頂点の条件に言い換えましょう。
(4)は x がいつのときに最小値をとるかを求めるのが難しいです。頂点に文字が入っているので、普通なら「頂点が区間より左」「頂点が区間内」「頂点が区間より右」という場合分けが必要です。しかし、この問題では1つの場合しかないため、場合分けは不要です。状況を把握するのが少し難しいかもしれません。
【必答問題】
解答編
問題
$\def\myBox#1{\bbox[3px, border:2px solid]{\ \bf{ #1 }\ } }\def\mybox#1{\bbox[4px, border:1px solid gray]{\ #1\ } }$a, b, c を定数とし、 $a\gt 0$ とする。 x の2次関数\[ y=ax^2+bx+c \quad \cdots ① \]は、 $x=-1$ のとき $y=4$, $x=2$ のとき $y=7$ であるとする。
b, c を a で表すと\[ b=\myBox{ア}a+\myBox{イ}, \ c=\myBox{ウエ}a+\myBox{オ} \]である。
解説
$x=-1$ のとき $y=4$ なので
\begin{eqnarray}
4 &=& a\times(-1)^2+b\times(-1)+c \\
4 &=& a-b+c \\
\end{eqnarray}が成り立ちます。
また、 $x=2$ のとき $y=7$ なので
\begin{eqnarray}
7 &=& a\times 2^2+b \times 2+c \\
7 &=& 4a+2b+c \\
\end{eqnarray}が成り立ちます。
2つの式を辺々引くと
\begin{eqnarray}
-3 &=& -3a-3b \\
b &=& -a+1 \\
\end{eqnarray}が得られます。
これを1つ目の式に代入すると
\begin{eqnarray}
4 &=& a-(-a+1) +c \\
-c &=& 2a-5 \\
c &=& -2a+5 \\
\end{eqnarray}が得られます。
解答
アイ:-1
ウエオ:-25
解答編 つづき
問題
①のグラフの頂点の座標を $(p,q)$ とすると
\begin{eqnarray} p &=& \frac{ a-\myBox{カ} }{ \myBox{キ}a } \\[5pt] q &=& \frac{ \myBox{クケ}a^2 +\myBox{コサ}a-\myBox{シ} }{ \myBox{ス}a } \\[5pt] \end{eqnarray}である。
解説
①のグラフの頂点の座標を求めるために、平方完成すると
\begin{eqnarray}
y
&=&
ax^2+bx+c \\[5pt]
&=&
a\left(x^2+\frac{b}{a}x\right)+c \\[5pt]
&=&
a\left\{\left(x+\frac{b}{2a}\right)^2-\left(\frac{b}{2a}\right)^2\right\}+c \\[5pt]
&=&
a\left(x+\frac{b}{2a}\right)^2-\frac{b^2}{4a}+c \\[5pt]
&=&
a\left(x+\frac{b}{2a}\right)^2+\frac{-b^2+4ac}{4a} \\[5pt]
\end{eqnarray}となるので、頂点の座標は $\displaystyle \left(-\frac{b}{2a}, \frac{-b^2+4ac}{4a}\right)$ となります。
これに、先ほど求めた結果を代入すると、 p は
\begin{eqnarray}
p
&=&
-\frac{b}{2a} \\[5pt]
&=&
-\frac{-a+1}{2a} \\[5pt]
&=&
\frac{a-1}{2a} \\[5pt]
\end{eqnarray}となり、 q は
\begin{eqnarray}
q
&=&
\frac{-b^2+4ac}{4a} \\[5pt]
&=&
\frac{-(-a+1)^2+4a(-2a+5)}{4a} \\[5pt]
&=&
\frac{-a^2+2a-1 -8a^2+20a }{4a} \\[5pt]
&=&
\frac{-9a^2 +22a-1 }{4a} \\[5pt]
\end{eqnarray}となります。
解答
カキ:12クケコサシス:-92214
参考
解答編 つづき
問題
(1) $a=2$ のとき、①のグラフを x 軸方向に $\displaystyle \frac{\myBox{セソ} }{\myBox{タ} }$, y 軸方向に $\displaystyle \frac{\myBox{チツ} }{\myBox{テ} }$ だけ平行移動すると、 $y=2x^2$ のグラフに一致する。
解説
放物線の頂点に着目して解くことにします。
$a=2$ のとき、①のグラフの頂点は
\begin{eqnarray}
& &
\left(\frac{a-1}{2a}, \frac{-9a^2 +22a-1 }{4a}\right) \\[5pt]
&=&
\left(\frac{2-1}{2\cdot 2}, \frac{-9\cdot 2^2 +22\cdot 2-1 }{4 \cdot 2}\right) \\[5pt]
&=&
\left(\frac{1}{4}, \frac{-36 +44-1 }{8}\right) \\[5pt]
&=&
\left(\frac{1}{4}, \frac{7}{8}\right) \\[5pt]
\end{eqnarray}となります。この頂点が原点に来るように動かせばいいので、 x 軸方向に $\displaystyle -\frac{1}{4}$, y 軸方向に $\displaystyle -\frac{7}{8}$ だけ移動させればいいことがわかります。
解答
セソタ:-14チツテ:-78
参考
解答編 つづき
問題
(2) ①のグラフが y 軸に関して対称になるとき、頂点の y 座標は $\myBox{ト}$ である。
解説
①のグラフが y 軸に関して対称になるとき、グラフの頂点は y 軸上にあります。つまり、頂点の x 座標が $0$ になるということなので
\begin{eqnarray}
\frac{a-1}{2a} &=& 0 \\[5pt]
a &=& 1 \\[5pt]
\end{eqnarray}となることがわかります。
このとき、頂点の y 座標は
\begin{eqnarray}
\frac{-9a^2 +22a-1 }{4a}
&=&
\frac{-9 +22-1 }{4} \\[5pt]
&=&
\frac{12}{4} \\[5pt]
&=&
3
\end{eqnarray}であることがわかります。
解答
ト:3
解答編 つづき
問題
(3) 関数①の最小値が $0$ であるとすると\[ a=\frac{\myBox{ナニ}\pm\myBox{ヌ}\sqrt{\myBox{ネ} }}{\myBox{ノ} } \]である。
解説
最小値が $0$ であるということは、頂点の y 座標が $0$ ということです。このことから
\begin{eqnarray}
\frac{-9a^2 +22a-1 }{4a} &=& 0 \\[5pt]
-9a^2 +22a-1 &=& 0 \\[5pt]
9a^2 -22a +1 &=& 0 \\[5pt]
\end{eqnarray}となり、二次方程式の解の公式から
\begin{eqnarray}
a
&=&
\frac{ -(-22) \pm \sqrt{(-22)^2 -4\cdot 9 \cdot 1} }{2\cdot 9} \\[5pt]
&=&
\frac{ 11 \pm \sqrt{11^2 -9} }{9} \\[5pt]
&=&
\frac{ 11 \pm \sqrt{112} }{9} \\[5pt]
&=&
\frac{ 11 \pm 4\sqrt{7} }{9} \\[5pt]
\end{eqnarray}が得られます。
解答
ナニヌネノ:11479
解答編 つづき
問題
(4) $1\leqq x \leqq 2$ における関数①の最小値が $0$ であるとすると\[ a=\myBox{ハ} \]である。
解説
頂点の x 座標は
\begin{eqnarray}
\frac{a-1}{2a} &=& \frac{1}{2}-\frac{1}{2a}
\end{eqnarray}と変形できます。 a は正なので x 座標はつねに $\displaystyle \frac{1}{2}$ 未満となります。グラフは下に凸であり、 $1\leqq x \leqq 2$ の範囲より左側に頂点が来るので、この範囲で y が最小となるのは $x=1$ のときであることがわかります。
$x=1$ のときに $y=0$ になるという条件から
\begin{eqnarray}
a+b+c &=& 0 \\
a+(-a+1)+(-2a+5) &=& 0 \\
-2a &=& -6 \\
a &=& 3 \\
\end{eqnarray}が得られます。
解答
ハ:3