【応用】相反方程式の解き方

ここでは、係数が左右対称になっている高次方程式を解いていきます。

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奇数次の相反方程式

例題
次の方程式を解きなさい。\[ x^5-x^4-3x^3-3x^2-x+1 = 0 \]

言われないとなかなか気づかないと思いますが、この左辺の係数を順番に見ていくと\[ 1,-1,-3,-3,-1,1 \]なので、左右対称になっていますね。このように、係数が左右対称になっている式のことを相反多項式といいます。回文多項式と呼ばれることもあります。また、この式が $0$ になるという方程式のことを相反方程式と呼びます。

高校の範囲では、この呼び名が出てくることはほとんどありません。ただ、相反方程式は普通の方程式に含まれるため、言葉は出てこなくても、この問題のように出題されることがあります。

【基本】高次方程式の解き方で見たように、まずは因数定理が使えるかどうかを考えるところから始めます。

最高次数の係数は $1$ で、定数項は $1$ なので、その約数 $\pm 1$ を代入して考えればいいですね。計算してみると $x=-1$ が解になることがわかります。

よって、因数定理から左辺は $x+1$ で割り切れることがわかるので、実際に割ってみれば\[ (x+1)(x^4-2x^3-x^2-2x+1)=0 \]と変形できます。

実は、奇数次の相反方程式の場合、 $x=-1$ は必ず解になります。この問題で言えば、係数が同じところをペアにして、 $x^5+1$ 、 $-x^4-x$ 、 $-3x^3-3x^2$ とわければ、係数が同じで x の奇数乗だけズレていることからわかります。 $x=-1$ を代入すれば、ちょうどこれらのペアが打ち消し合うんですね。

また、気づいている人もいるかもしれませんが、 $x+1$ で割った後の式も、やはり相反方程式となっています。一般的に、奇数次の相反多項式は、 $x+1$ と偶数次の相反多項式の積に変形することができます。

偶数次の相反方程式

さて、 $x+1$ で割った後に出てくる\[ x^4-2x^3-x^2-2x+1=0 \]について考えましょう。

$x=\pm1$ が解にならないことはすぐにわかります。なので、因数定理は使えません。

ここからは、やり方を知っていないとできないため、試験で出題されたときには、普通は誘導がついています。おそらく、「 $t=x+\dfrac{1}{x}$ とおきましょう」といったヒントがついているはずで、それがついていなければほとんどの人は解けないでしょう。このように置き換えるという方針で、上の式を変形してみましょう。

$x=0$ が解でないことは、代入すればわかります。よって、 $x^2$ で割ると
\begin{eqnarray}
x^2 -2x -1 -\frac{2}{x} +\frac{1}{x^2} &=& 0 \\[5pt] \left( x^2+\frac{1}{x^2} \right) -2\left(x+\frac{1}{x}\right) -1 &=& 0 \\[5pt] \end{eqnarray}と変形できます。ここで、1つ目のカッコ内は\[ x^2+\frac{1}{x^2} = \left(x+\frac{1}{x}\right)^2-2 \]と変形できます(参考:【標準】x+1/xを使った式の値)。よって、上の式で $t=x+\dfrac{1}{x}$ と置き換えると
\begin{eqnarray}
(t^2-2) -2t -1 &=& 0 \\[5pt] t^2 -2t -3 &=& 0 \\[5pt] (t+1)(t-3) &=& 0 \\[5pt] \end{eqnarray}となります。 $t=x+\dfrac{1}{x}$ で戻してから $x^2$ をかけると
\begin{eqnarray}
\left(x+\frac{1}{x}+1\right)\left(x+\frac{1}{x}-3\right) &=& 0 \\[5pt] (x^2+x+1)(x^2-3x+1) &=& 0 \\[5pt] \end{eqnarray}となります。四次式が、2つの二次式の積に分解できました。こうすれば、後は計算できますね。2つの二次方程式を解けば\[ x=\frac{-1\pm\sqrt{3}i}{2}, \frac{3\pm\sqrt{5}}{2} \]となります。

以上から、求める方程式の解は\[ x=-1,\frac{-1\pm\sqrt{3}i}{2}, \frac{3\pm\sqrt{5}}{2} \]とわかります。

おわりに

ここでは、相反方程式の問題を見ました。途中から因数定理を使うことはできなくなりますが、 $t=x+\dfrac{1}{x}$ とおいて解けば、二次式の積に分解できることがあります。普通は誘導がついているはずなので、ヒントがあったときに対応できるようにしておきましょう。