【基本】整式の割り算

ここでは、筆算を使った整式の割り算を復習した後、整式の割り算に関する事項を整理していきます。

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筆算を使った整式の割り算の復習

【基本】筆算を使った整式の割り算で見た通り、数の割り算のときのように、式の場合でも筆算を使って割り算を計算することができます。もう一度復習してみます。

例題
筆算を使って $2x^3-3x^2+1$ を $2x^2+x-1$ で割りなさい。

まずは $2x^3$ の項を消すことを考えます。 $x$ の項はありませんが、スペースは開けておきましょう。
\begin{array}{r}
x\color{White}{-2}\\
2x^2+x-1 \
\overline{ ) \ 2x^3 -3x^2 \color{White}{+0x} +1 } \\
\underline{ 2x^3 +\color{White}{1} x^{2} -\color{White}{1}x \color{White}{-1} } \\
-4x^{2} +\color{White}{1}x +1 \\
\end{array}

続いて、 $-4x^2$ を消すことを考えます。
\begin{array}{r}
x-2\\
2x^2+x-1 \
\overline{ ) \ 2x^3 -3x^2 \color{White}{+0x} +1 } \\
\underline{ 2x^3 +\color{White}{1} x^{2} -\color{White}{1}x \color{White}{-1} } \\
-4x^{2} +\color{White}{1}x +1 \\
\underline{ -4x^{2} -2x +2 } \\
3x-1
\end{array}

これ以上割ることができないので、ここで終了です。

この筆算の結果を式で書く場合、通常は次のように表します。
\begin{eqnarray}
& &
2x^3-3x^2+1 \\
&=&
(2x^2+x-1) (x-2) +3x-1
\end{eqnarray}最後に割れずに残った部分 $3x-1$ を含めて式で書くには、割り算の形よりも、このような掛け算を使った表現が便利なんですね。

意味を考えれば、上の式と筆算の内容が同じで、上の式が成り立つことは分かると思います。また、実際に右辺を展開して、左辺と等しくなることを確かめることもできます。

整式の割り算

整式(参考:【基本】整式とそれに関連する用語)の割り算は、上の筆算のように計算していきます。

筆算は、割られる式(上の例では $2x^3-3x^2+1$ )の最高次数が消えるようにどんどんすすめていきます。そのため、最終的には割る式(上の例では $2x^2+x-1$ )より低い次元の式があらわれ、そこで割り算が終了します。いつかはおわります。

また、この結果は、先ほどのように掛け算を使って表すことができます。

まとめると、こうなります。

整式の割り算
整式 A と 0 でない整式 B に対し、\[ A=BQ+R \]を満たす整式 Q と、 B より次元の低い整式 R が存在する。
この Q を「AB で割ったときの(quotient)」といい、 R を「AB で割ったときの余り(remainder)」という。
また、 $R=0$ のとき、「AB割り切れる(divisible)」という。

商、余り、割り切れる、という言葉は、数の割り算のときと同じですね。

また、「それ以上割れるかどうか」を判断しやすくするために、割る前に、割る式も割られる式も降べきの順にしておく(次数が高い方から低い方に並べる)ことが大事です。

ちなみに、 $A=BQ+R$ を満たす Q, R は1組しかありません。理由を以下で説明しますが、少し難しいので飛ばしても構いません。

もし $A=BS+T$ となる、整式 S と、 B より次元の低い整式 T があったとします。このとき、
\begin{eqnarray}
BQ+R &=& BS+T \\
(Q-S)B &=& T-R \\
\end{eqnarray}となります。仮定より、右辺は B より次元が低いです。一方、左辺の次元は $Q-S=0$ でない場合は、 B の次元以上となり、矛盾します。よって、 $Q-S=0$ であり、 $T-R=0$ も得られます。 $Q=S$, $R=T$ なので、商と余りは1組に決まることがわかります。

とにかく、「商と余りは1組に決まるんだ」ということを覚えておけば、まずはOKです。

おわりに

ここでは、整式の割り算について見てきました。数の割り算との対応を考えながら理解していきましょう。