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センター試験 数学II・数学B 2014年度 第2問 解説

【必答問題】

問題編

問題

 $\def\myBox#1{\bbox[3px, border:2px solid]{\ \bf{ #1 }\ } }\def\mybox#1{\bbox[4px, border:1px solid gray]{\ #1\ } }$p を実数とし、 $f(x)=x^3-px$ とする。

(1) 関数 $f(x)$ が極値を持つための p の条件を求めよう。 $f(x)$ の導関数は $f'(x) = \myBox{ア}\ x^{\bbox[1px, border:2px solid]{イ} }-p$ である。したがって、 $f(x)$ が $x=a$ で極値をとるならば、 $\mybox{ア}a^{\bbox[1px, border:1px solid gray]{イ} }-p=\myBox{ウ}$ が成り立つ。さらに、 $x=a$ の前後での $f'(x)$ の符号の変化を考えることにより、 p が条件 $\myBox{エ}$ を満たす場合は、 $f(x)$ は必ず極値をもつことがわかる。 $\myBox{エ}$ に当てはまるものを、次の0~4のうちから一つ選べ。

 0: $p=0$  1: $p\gt 0$  2: $p\geqq 0$
 3: $p\lt 0$  4: $p\leqq 0$

(2) 関数 $f(x)$ が $\displaystyle x=\frac{p}{3}$ で極値をとるとする。また、曲線 $y=f(x)$ を C とし、 C 上の点 $\displaystyle \left( \frac{p}{3}, f\left(\frac{p}{3}\right) \right)$ を A とする。

 $f(x)$ が $\displaystyle x=\frac{p}{3}$ で極値をとることから、 $p=\myBox{オ}$ であり、 $f(x)$ は $x=\myBox{カキ}$ で極大値をとり、 $x=\myBox{ク}$ で極小値をとる。

 曲線 C の接線で、点 A を通り傾きが $0$ でないものを l とする。 l の方程式を求めよう。 lC の接点の x 座標を b とすると、 l は点 $(b,f(b))$ における C の接線であるから、 l の方程式は b を用いて\[ y=\left( \myBox{ケ}b^2-\myBox{コ} \right)(x-b)+f(b) \]と表すことができる。また、 l は点 A を通るから、方程式\[ \myBox{サ}b^3-\myBox{シ}b^2+1=0 \]を得る。この方程式を解くと、 $\displaystyle b=\myBox{ス},\frac{\myBox{セソ} }{\myBox{タ} }$ であるが、 l の傾きが $0$ でないことから、 l の方程式は\[ y=\frac{\myBox{チツ} }{\myBox{テ} }x+\frac{\myBox{ト} }{\myBox{ナ} } \]である。
 点 A を頂点とし、原点を通る放物線を D とする。 lD で囲まれた図形のうち、不等式 $x\geqq 0$ の表す領域に含まれる部分の面積 S を求めよう。 D の方程式は\[ y=\myBox{ニ}x^2-\myBox{ヌ}x \]であるから、定積分を計算することにより、 $\displaystyle S=\frac{\myBox{ネノ} }{24}$ となる。

考え方

ほとんど、誘導通りに進んでいけます。計算量もそれほど多くなく、ひっかかるところもすくないです。

一番最後の面積を求める際、交点の座標は実は求める必要はありません。求めてもそれほど大きな時間のロスにはなりませんが、省略できることに気づけるようになっておいたほうがいいでしょう。


【必答問題】

解答編

問題

 $\def\myBox#1{\bbox[3px, border:2px solid]{\ \bf{ #1 }\ } }\def\mybox#1{\bbox[4px, border:1px solid gray]{\ #1\ } }$p を実数とし、 $f(x)=x^3-px$ とする。

(1) 関数 $f(x)$ が極値を持つための p の条件を求めよう。 $f(x)$ の導関数は $f'(x) = \myBox{ア}\ x^{\bbox[1px, border:2px solid]{イ} }-p$ である。したがって、 $f(x)$ が $x=a$ で極値をとるならば、 $\mybox{ア}a^{\bbox[1px, border:1px solid gray]{イ} }-p=\myBox{ウ}$ が成り立つ。さらに、 $x=a$ の前後での $f'(x)$ の符号の変化を考えることにより、 p が条件 $\myBox{エ}$ を満たす場合は、 $f(x)$ は必ず極値をもつことがわかる。 $\myBox{エ}$ に当てはまるものを、次の0~4のうちから一つ選べ。

 0: $p=0$  1: $p\gt 0$  2: $p\geqq 0$
 3: $p\lt 0$  4: $p\leqq 0$

解説

$f(x)=x^3-px$ の両辺を微分すると、 $f'(x)=3x^2-p$ となります。極値をとるところでは、微分係数が0になるので、\[ 3a^2-p=0 \]となる必要があります。極値を持つには、これを満たす a があり、 $x=a$ の前後で $f'(x)$ の符号が変わればいいので、 $p\gt 0$ という条件を満たせばいいことがわかります。

解答

アイ:32
ウ:0
エ:1

解答編 つづき

問題

(2) 関数 $f(x)$ が $\displaystyle x=\frac{p}{3}$ で極値をとるとする。また、曲線 $y=f(x)$ を C とし、 C 上の点 $\displaystyle \left( \frac{p}{3}, f\left(\frac{p}{3}\right) \right)$ を A とする。

 $f(x)$ が $\displaystyle x=\frac{p}{3}$ で極値をとることから、 $p=\myBox{オ}$ であり、 $f(x)$ は $x=\myBox{カキ}$ で極大値をとり、 $x=\myBox{ク}$ で極小値をとる。

解説

(1)より、 $\displaystyle a=\frac{p}{3}$ のときに $3a^2-p=0$ が成り立ちます。よって
\begin{eqnarray} 3 \left(\frac{p}{3}\right)^2 -p &=& 0 \\ p^2 -3p &=& 0 \\ p &=& 0,3 \end{eqnarray}が得られます。(1)より $p\gt 0$ なので、 $p=3$ となります。

(1)より $x=a$ で極値をとるときは、 $3a^2-3=0$ が成り立つので、 $a=\pm 1$ となります。増減表を書けば、 $x=-1$ で極大値をとり、 $x=1$ で極小値をとることがわかります。

解答

オ:3
カキ:-1
ク:1

解答編 つづき

問題

 曲線 C の接線で、点 A を通り傾きが $0$ でないものを l とする。 l の方程式を求めよう。 lC の接点の x 座標を b とすると、 l は点 $(b,f(b))$ における C の接線であるから、 l の方程式は b を用いて\[ y=\left( \myBox{ケ}b^2-\myBox{コ} \right)(x-b)+f(b) \]と表すことができる。

解説

(1)より $f'(x)=3x^2-p$ であり、さきほど求めた通り $p=3$ なので、 $(b,f(b))$ における C の接線の方程式は
\begin{eqnarray} y &=& (3b^2-3)(x-b) +f(b) \end{eqnarray}となります。

解答

ケコ:33

解答編 つづき

問題

また、 l は点 A を通るから、方程式\[ \myBox{サ}b^3-\myBox{シ}b^2+1=0 \]を得る。この方程式を解くと、 $\displaystyle b=\myBox{ス},\frac{\myBox{セソ} }{\myBox{タ} }$ であるが、 l の傾きが $0$ でないことから、 l の方程式は\[ y=\frac{\myBox{チツ} }{\myBox{テ} }x+\frac{\myBox{ト} }{\myBox{ナ} } \]である。

解説

l は点 $\displaystyle \mathrm{ A }\left( \frac{p}{3}, f\left(\frac{p}{3}\right) \right)$ を通ります。 $p=3$ より $\displaystyle \frac{p}{3}=1$ であり、
\begin{eqnarray} f\left(\frac{p}{3}\right) = f(1)=1^3-3\cdot 1=-2 \end{eqnarray}となります。よって、 l の方程式に $x=1$, $y=-2$ を代入して \begin{eqnarray} -2 &=& (3b^2-3)(1-b)+f(b) \end{eqnarray}が成り立ちます。 $f(b)=b^3-3b$ なので、 \begin{eqnarray} (3b^2-3)(1-b)+b^3-3b+2 &=& 0 \\ 3b^2 -3b^3 -3 +3b +b^3 -3b+2 &=& 0 \\ -2b^3 +3b^2 -1 &=& 0 \\ 2b^3 -3b^2 +1 &=& 0 \\ \end{eqnarray}が得られます。

これを解くと、
\begin{eqnarray} (b-1)(2b^2-b-1) &=& 0 \\ (b-1)^2(2b+1) &=& 0 \end{eqnarray}なので、 $\displaystyle b=1,-\frac{1}{2}$ が得られます。

$f'(b) = 3b^2-3$ に代入すると、 $f'(1)=0$, $\displaystyle f'\left(-\frac{1}{2}\right)=-\frac{9}{4}$ であり、 l の傾きが0ではないので、 $\displaystyle b=-\frac{1}{2}$ となることがわかります。

l の方程式に代入すると
\begin{eqnarray} y &=& (3b^2-3)(x-b) +f(b) \\[5pt] &=& -\frac{9}{4}\left(x+\frac{1}{2}\right) -\frac{1}{8}+\frac{3}{2} \\[5pt] &=& -\frac{9}{4}x-\frac{9}{8} -\frac{1}{8}+\frac{12}{8} \\[5pt] &=& -\frac{9}{4}x+\frac{1}{4} \\[5pt] \end{eqnarray}が得られます。

解答

サシ:23
スセソタ:1-12
チツテトナ:-9414

解答編 つづき

問題

 点 A を頂点とし、原点を通る放物線を D とする。 lD で囲まれた図形のうち、不等式 $x\geqq 0$ の表す領域に含まれる部分の面積 S を求めよう。 D の方程式は\[ y=\myBox{ニ}x^2-\myBox{ヌ}x \]であるから、定積分を計算することにより、 $\displaystyle S=\frac{\myBox{ネノ} }{24}$ となる。

解説

点 $\mathrm{ A }(1,-2)$ を頂点とする放物線の方程式は、定数 c を用いて、\[ y=c(x-1)^2-2 \]と書けます。これが原点を通るので、 $c=2$ が得られます。よって方程式は
\begin{eqnarray} y &=& 2(x-1)^2-2 \\ &=& 2x^2-4x \\ \end{eqnarray}とわかります。

$D:y=2x^2-4x$ と $\displaystyle l: y=-\frac{9}{4}x+\frac{1}{4}$ で囲まれた図形のうち、 $x\geqq 0$ の部分の面積を求めます。どちらも点 $\mathrm{ A }(1,-2)$ を通ることから、 $x\geqq 0$ での交点は A となります。よって、求める面積は
\begin{eqnarray} S &=& \int_0^1 \left\{\left(-\frac{9}{4}x+\frac{1}{4}\right) -\left(2x^2-4x\right)\right\} dx \\[5pt] &=& \int_0^1 \left( -2x^2 +\frac{7}{4}x+\frac{1}{4} \right) dx \\[5pt] &=& \left[ -\frac{2}{3}x^3 +\frac{7}{8}x^2+\frac{1}{4}x \right]_0^1 \\[5pt] &=& -\frac{2}{3} +\frac{7}{8}+\frac{1}{4} \\[5pt] &=& \frac{-16+21+6}{24} \\[5pt] &=& \frac{11}{24} \\[5pt] \end{eqnarray}となります。

交点を求めなくてもいい、ということに気づかないと、少し無駄な計算をすることになってしまいます。

解答

ネノ:11

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