【標準】ベクトルの成分と平行
ここでは、ベクトルの成分を用いて、ベクトルの平行について、見ていきます。
ベクトルの成分とベクトルの平行
【基本】ベクトルの平行で見たように、2つのベクトルが平行であるとは、どちらも $\vec{0}$ ではなく、向きが同じか反対のときを言うんでしたね。さらに、片方の定数倍がもう片方のベクトルになることと同値でした。
これらのことを成分を用いて考えてみましょう。
$\vec{a}=(a_1,a_2)$ と $\vec{b}=(b_1,b_2)$ が平行であることは、次を満たす定数 k が存在することと同値です。\[ \vec{b}=k\vec{a} \]なお、どちらも $\vec{0}$ ではないとします。
さて、これを成分で書くと、次のように書き換えることができます。
\begin{eqnarray}
(b_1,b_2)
&=&
k(a_1,a_2) \\[5pt]
&=&
(ka_1,ka_2) \\[5pt]
\end{eqnarray}つまり、2つのベクトルが平行である条件を、成分を用いて書くと次のようになります。
例題
先ほど見た内容を使ってみましょう。
どちらも、 $\vec{0}$ ではないので、この2つのベクトルが平行なら、次を満たす定数 k が存在します。\[ x=2k,\ x-2=3k \]1つ目の式を2つ目に代入して\[k=-2\]が得られます。これより、\[ x=-4 \]と求められます。
実際、このとき、 $\vec{b}=(-4,-6)$ なので、 $\vec{b}=-2\vec{a}$ となり、平行になることがわかりますね。
おわりに
ここでは、ベクトルの成分を使って、ベクトルの平行についてみてきました。ベクトルの世界では、「平行」はよく出てくるので、成分表示だとどのように表現されるのか、しっかり把握しておきましょう。