【標準】三角比の二次関数
ここでは、三角比を含んだ二次関数の最大・最小を考えます。三角比の相互関係の中に2乗を含むものがあったので、二次関数と組み合わせた問題が出題されることもよくあります。範囲に注意して考えていきましょう。
例題
まずは、三角比の相互関係を使って $\cos$ だけの式にします。その後は、二次関数の最大・最小を求める問題として解きます。
\begin{eqnarray}
y
&=&
\sin^2\theta+\cos\theta \\
&=&
(1-\cos^2\theta)+\cos\theta \\
&=&
-\cos^2\theta+\cos\theta+1 \\
\end{eqnarray}ここで、$\cos\theta=t$ とすると、 $y=-t^2+t+1$ となるので、これの最大・最小を考えればいいんですね。ただし、範囲に注意しないといけません。 $0^{\circ}\leqq \theta \leqq 180^{\circ}$ なので、 $-1\leqq t\leqq 1$ です。この範囲で、最大・最小を考えます。二次関数の最大・最小があやしい人は、【基本】二次関数の最大・最小(定義域に制限あり)を見てみましょう。
\begin{eqnarray}
y
&=&
-t^2+t+1 \\
&=&
-(t^2-t)+1 \\
&=&
-\left(t-\frac{1}{2}\right)^2+\frac{1}{4}+1 \\[5pt]
&=&
-\left(t-\frac{1}{2}\right)^2+\frac{5}{4} \\[5pt]
\end{eqnarray}となります。よって、このときのグラフは、次のようになります。
このグラフから、最大値は $\displaystyle \frac{5}{4}$ で、そのとき $\displaystyle t=\frac{1}{2}$ となります。 $\displaystyle \cos\theta=\frac{1}{2}$ ということなので、 $\theta=60^{\circ}$ のとき、ということがわかります。
一方、最小値は $-1$ で、 $t=-1$ のとき、つまり、 $\theta=180^{\circ}$ のとき、となります。
おわりに
ここでは、三角比の二次関数の最大・最小を考えました。 $\sin$ や $\cos$ の二次関数の場合、定義域が制限される点に注意しましょう。