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【標準】三角方程式

【基本】三角方程式では、三角比の値から角度を求める問題を考えました。ここでは、三角比の相互関係も使った、より方程式っぽい問題を考えることにします。

📘 目次

例題1

例題
$0^{\circ}\leqq \theta\leqq 180^{\circ}$ のとき、次を満たす $\theta$ を求めなさい。
(1) $2\cos^2\theta -3\sin\theta=0$
(2) $\displaystyle \sin\theta\tan\theta=-\frac{3}{2}$

どちらも、複数種類の $\sin$, $\cos$, $\tan$ が入っていますね。こういう場合、まずは、三角比の相互関係を使って、三角比の種類を1つにすることを考えましょう。

(1)の場合は、 $\sin^2\theta+\cos^2\theta=1$ という関係式を使えばいいですね。これを使うと、 $\sin$ だけの式に置き換えることができます。
\begin{eqnarray} 2\cos^2\theta -3\sin\theta&=&0 \\ 2(1-\sin^2\theta) -3\sin\theta&=&0 \\ -2\sin^2\theta -3\sin\theta+2&=&0 \\ 2\sin^2\theta +3\sin\theta -2&=&0 \\ \end{eqnarray}このままだとわかりにくいので、 $t=\sin\theta$ とします。このとき、 $0^{\circ}\leqq \theta\leqq 180^{\circ}$ だから、 $0\leqq t \leqq 1$ になることがわかります。今回に限らず、別の文字に置き換えるときは、範囲がどうなるかも必ず考えるようにしましょう

さて、これを踏まえ、先ほどの計算を続けると、以下のようになります。
\begin{eqnarray} 2t^2+3t-2 &=& 0 \\ (2t-1)(t+2) &=& 0 \\ \end{eqnarray}これから、 $\displaystyle t=\frac{1}{2},-2$ と求められます。しかし、さきほど考えた範囲と照らし合わせると、 $-2$ は不適です。なので、 $\displaystyle \sin\theta=\frac{1}{2}$ となります。単位円をかいて考えれば、この結果から、\[\theta=30^{\circ},150^{\circ}\]と求められます。

例題2

つづいて、(2)を考えてみましょう。

例題
$0^{\circ}\leqq \theta\leqq 180^{\circ}$ のとき、次を満たす $\theta$ を求めなさい。
(2) $\displaystyle \sin\theta\tan\theta=-\frac{3}{2}$

これは、2乗がないので、 $\displaystyle \tan\theta=\frac{\sin\theta}{\cos\theta}$ を使うしかなさそうです。すると、 $\sin^2\theta$ が出てくるので、それを $1-\cos^2\theta$ で置き換えれば、 $\cos\theta$ だけの式にすることができます。

以上を踏まえ、次のように計算します。
\begin{eqnarray} \sin\theta\tan\theta &=& -\frac{3}{2} \\[5pt] \sin\theta\times\frac{\sin\theta}{\cos\theta} &=& -\frac{3}{2} \\[5pt] 2\sin^2\theta &=& -3\cos\theta \\ 2(1-\cos^2\theta) &=& -3\cos\theta \\ 2\cos^2\theta-3\cos\theta-2 &=& 0 \\ \end{eqnarray}ここで、 $\cos\theta=t$ とします。すると、 $-1\leqq t \leqq 1$ になります。以下、変形していくと次のようになります。 \begin{eqnarray} 2t^2-3t-2 &=& 0 \\ (2t+1)(t-2) &=& 0 \\ \end{eqnarray}$\displaystyle t=2,-\frac{1}{2}$ となります。今考えている範囲では、 $-1\leqq t \leqq 1$ なので、 $\displaystyle \cos\theta=-\frac{1}{2}$ となります。単位円をかいて考えれば、 $\displaystyle \cos\theta=-\frac{1}{2}$ となる $\theta$ は、 $120^{\circ}$ と求められます。

おわりに

ここでは、三角比の相互関係を使って三角方程式を解く問題を見ました。複数種類の三角比がある場合は、相互関係を使って、一種類にできないかを考えましょう。

一種類の三角比の式にできた後は、別の文字で置き換えると分かりやすくなります。そのときには、その文字がとり得る範囲に注意して答えを出すようにしましょう。ここで考えた問題は、どちらも2つあるうちの片方だけが条件を満たす、という場合でしたが、もちろん、どちらも条件を満たす場合もあります。状況に応じて対応しましょう。

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