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【標準】独立試行の確率

独立試行の確率については、【基本】独立試行の確率でも見ましたが、ここではもう少し複雑な例を見ていきます。

📘 目次

独立試行と和事象の組合せ

例題1
白球が3個、赤球が5個入った袋Aと、白球が4個、赤球が2個入った袋Bがある。この2つの袋からそれぞれ1個の球を取り出すとき、取り出した2個の球が同じ色である確率を求めなさい。

袋が違えば、取り出す球の結果に影響しないので、袋Aから球を取り出す試行と袋Bから球を取り出す試行は独立ですね(参考:【基本】独立試行)。

取り出した2個の球が同じ色ということは、「白・白」の場合と「赤・赤」の場合があります。この2つは同時には起こらないので、それぞれの確率を足せば、求める確率になります(参考:【基本】和の法則(確率))。

まず、「白・白」となる確率を考えましょう。2つの試行は独立なので、それぞれの袋から白球を取り出す確率をかけて\[ \frac{3}{8} \times \frac{4}{6}=\frac{1}{4} \]となります。

同様に、「赤・赤」となる確率は、\[ \frac{5}{8} \times \frac{2}{6}=\frac{5}{24} \]となります。

以上から、この2つを足して\[ \frac{1}{4} + \frac{5}{24} = \frac{11}{24} \]が答えとなります。

ちなみに、色が違う確率も同じように考えれば
\begin{eqnarray} & & \frac{3}{8} \times \frac{2}{6} + \frac{5}{8} \times \frac{4}{6} \\[5pt] &=& \frac{1}{8} + \frac{5}{12} \\[5pt] &=& \frac{13}{24} \\[5pt] \end{eqnarray}となります。また、余事象の確率だと考えて\[ 1-\frac{11}{24}=\frac{13}{24} \]と求めることもできます(参考:【基本】余事象の確率(起こらない確率))。

いろいろな求め方ができるようになるので、計算結果のチェックに使うと便利です。

3つの独立な試行

2つより多い試行に対しても、「独立な試行」というものがあります。3つ以上の試行に対して、どの試行の結果も他の試行の結果に影響を与えないとき、これらの試行は独立であるといいます。

2つの試行のときと同じように、独立な試行において、確率は、それぞれの確率の積となります。【基本】独立試行の確率で見たように、元となる「場合の数」が積を使って求められることからわかります。

例題2
白球が3個、赤球が5個入った袋A、白球が4個、赤球が2個入った袋B、白球が2個、赤球が7個入った袋Cの、3つの袋がある。
この3つの袋からそれぞれ1個の球を取り出すとき、取り出した球の中に赤球が含まれている確率を求めなさい。

袋から何を取り出すかは、他の袋から取り出した結果の影響を受けないので、3つの試行は独立ですね。

「取り出した球の中に赤球が含まれている」というのは、1個、2個、3個の場合があります。このようにケースが多い場合は、「そうじゃないケース」を考えてみるといいことがあります。該当しないケースとは、「取り出した球の中に赤球が含まれていない=白球だけ」ですね。この問題では、余事象の確率として考えたほうが、場合分けも少なく、求めやすくなります。

取り出した球が3個とも白球の確率は、それぞれの袋から白球を取り出す確率をかければいいので\[ \frac{3}{8} \times \frac{4}{6} \times \frac{2}{9}=\frac{1}{18} \]となります。

よって、赤球が含まれている確率は、\[ 1-\frac{1}{18}=\frac{17}{18} \]となります。

「少なくとも」という言葉があれば、「余事象を使うのではないか」と思いつきやすいですが、そういった言葉がなくても、場合分けが多そうなときには、余事象が使えないか、検討してみましょう。

おわりに

ここでは、独立な試行と他の内容を組み合わせた問題や、2つより多い場合の独立試行について見てきました。3つ以上の独立試行についても、考え方は2つの場合とほとんど変わらないので、内容は理解しやすいですね。

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