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【標準】点の移動と確率

ここでは、ランダムに動く点に関する確率を考えます。反復試行の確率を使います。

📘 目次

点の動き方が2パターンの場合

例題1
数直線上の原点に、点 P がある。さいころをふって、4以下の目が出たら点 P を正の方向に1移動し、それ以外の場合は点 P を負の方向に1移動するとする。
さいころを6回ふったとき、点 P が2の位置にいる確率を求めなさい。

さいころを何度もふるので、反復試行の確率です。4以下の目が出る確率も、それ以外の確率も簡単にわかりますが、4以下の目が何回出ればいいのかはわかりません。これがわからないと確率が求められないので、まずはこれを求めます。

4以下の目が出る回数がわからないので、これを x 回とおきます。すると、5以上の目が出る回数は、 $(6-x)$ 回となります。4以下なら正の方向に1、5以上なら負の方向に1移動するため、移動後の位置を x を使って表すと\[ x-(6-x) \]となります。これが2になっているということから
\begin{eqnarray} x-(6-x) &=& 2 \\[5pt] 2x-6 &=& 2 \\[5pt] x &=& 4 \\ \end{eqnarray}となります。このことから、4以下の目が4回出る確率を求めればいいことがわかります。

6回ふるうち、4以下の目が出る4回の選び方と、それぞれの出方が起こる確率をかけて
\begin{eqnarray} & & {}_6 \mathrm{ C }_4 \times \left(\frac{2}{3}\right)^4 \times \left(\frac{1}{3}\right)^2 \\ &=& 15 \times \frac{2^4}{3^6} \\ &=& \frac{80}{243} \\ \end{eqnarray}と求められます。

点がどちらに何回移動するかを求めてから、確率を求める、という流れになります。

点の動き方が3パターンの場合

例題2
座標平面上の原点に、点 P がある。さいころをふって、2以下の目が出たら点 P を右に1移動し、5以上の場合は左に1移動し、それ以外の場合は上に1移動するとする。
さいころを6回ふったとき、点 P が $(3,1)$ の位置にいる確率を求めなさい。

これも、まずはどちらに何回動くかを求めます。

上に移動するのは1回だというのはすぐにわかります。なので、右と左に移動する回数を合わせると、5回となります。右に移動する回数を x 回とすると、左に移動する回数は $(5-x)$ 回で、移動後の x 座標は3だから、
\begin{eqnarray} x-(5-x) &=& 3 \\ 2x-5 &=& 3 \\ x &=& 4 \end{eqnarray}となり、右に移動する回数は4回であることがわかります。

6回移動するうち、右に移動する4回、左に移動する1回を選び(残りの1回は自動的に上への移動)、その移動の仕方になる確率を考えると
\begin{eqnarray} & & {}_6 \mathrm{ C }_4 \times {}_2 \mathrm{ C }_1 \times \left(\frac{1}{3}\right)^4 \times \frac{1}{3} \times \frac{1}{3} \\ &=& 15 \times 2 \times \frac{1}{3^6} \\ &=& \frac{10}{243} \\ \end{eqnarray}と求めることができます。

動くパターンが増えても、まずどちらにどう動くかを考える点は同じです。

おわりに

ここでは、点がランダムに移動するときの確率を考える問題を見ました。まずは、点の動き方を求めるところがポイントでしたね。点の動きが分かれば、反復試行の確率として、確率が求められるようになります。

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