【標準】三次関数が極値をもたない条件
ここでは、三次関数が極値をもたないための条件を求める問題を見ていきます。
三次関数が極値をもたない条件
「極値をもつ」というのは、「極大値をもつか、極小値をもつ」ということです。
「極大値をもつ」ということは、導関数が、正から負になる場所がある、ということです。また、「極小値をもつ」とは、導関数が負から正になる場所がある、ということです。(参考:【基本】極大値と極小値)
そのため、「極値をもたない」ということは、「導関数が常に0以上」「導関数が常に0以下」のどちらかとなります。「つねに正」や「つねに負」ではないことに注意しましょう。導関数が、正⇒0⇒正となるときは、極大にも極小にもなりません。
さて、これを踏まて考えていきましょう。導関数を求めると\[ f'(x)=3x^2+2x+a \]となります。 $x^2$ の係数が正なので、極値をもたないなら、導関数は常に0以上となります。
$x^2$ の係数が正の二次関数の場合、常に0以上となることと、判別式が0以下であることとは同値です(参考:【基本】二次関数のグラフとx軸との共有点)。よって
\begin{eqnarray}
2^2-4\cdot 3\cdot a & \leqq & 0 \\[5pt]
1-3a & \leqq & 0 \\[5pt]
a & \geqq & \frac{1}{3} \\[5pt]
\end{eqnarray}となります。これが答えです。
何度か出てきていますが、「 $x=a$ のときに、 $f(x)$ は極値をとる」ならば「 $f'(a)=0$ 」は成り立ちますが、逆は成り立ちません。「 $f'(a)=0$ 」でも、この点で極値をとるとは限りません。導関数の符号が変わるかどうかが大事なんですね。
そのため、「極値をとらない条件」を考えるときも、「導関数が0以上」か「導関数が0以下」となる条件を求めないといけません。0を入れ忘れないようにしましょう。
また、三次関数を微分すると二次関数が出てきます。導関数の性質を調べるときに、二次関数の性質を使うことがよくあります。上の解答でも、「常に0以上」を「判別式が0以下」と言い換えて考えましたが、こうした内容がサラッと使えないと解けない問題も出てきます。必要であれば、二次関数の復習をしておいたほうがいいでしょう。
おわりに
ここでは、三次関数が極値をもたない条件について見てきました。導関数の符号がどうなるのかに注意して条件を求めるようにしましょう。