【発展】すべての放物線は相似である
ここでは、すべての放物線が相似になる理由を見ていきます。
すべての放物線が相似になる理由
【基本】二次関数 y=ax^2 のグラフでも書きましたが、放物線はすべて相似で同じ形になっています。実際に、計算して確かめてみましょう。
放物線 $C:\ y=x^2$ を、原点を中心に $\frac{1}{a}$ 倍してみましょう。ここで、 $a$ は正の実数とします。
上の図は、1点だけしか考えていませんが、これを放物線 $C$ 上のすべての点について実行してみます。変形後のグラフはどのような関数のグラフになっているでしょうか。
変形前のある点を $(s,t)$ とすると、これは放物線 $C$ 上の点なので\[ t=s^2 \]という関係式が成り立ちます。この点が変形後に $(x,y)$ に移るとすると、\[ x=\frac{s}{a},\ y=\frac{t}{a} \]が成り立ちます。これらから、 $s,t$ を消去すると
\begin{eqnarray}
ay&=&(ax)^2 \\[5pt]
y&=&ax^2 \\[5pt]
\end{eqnarray}となります。つまり、 $y=x^2$ のグラフを、原点を中心に $\dfrac{1}{a}$ 倍すると、 $y=ax^2$ のグラフになる、ということです。
このことから、 $y=ax^2$ のグラフは $y=x^2$ のグラフと相似になることがわかります。
$a$ が負のときは、上下反転するだけなので、やはり、 $y=x^2$ と相似になります。
【標準】二次関数y=ax^2+bx+cのグラフの頂点で見たように、放物線 $y=ax^2+bx+c$ のグラフは $y=ax^2$ のグラフを平行移動したものなので、形は変わりません。なので、これも $y=x^2$ と相似です。
以上から、二次関数 $y=ax^2+bx+c$ のグラフ(放物線)は、$y=x^2$ と相似になるので、すべての放物線は互いに相似になることがわかります。
おわりに
ここでは、すべての放物線が互いに相似であることを見ました。すべての放物線は $y=x^2$ と相似になるので、互いに相似になることがわかります。