【応用】空間における平行な3直線
ここでは、空間における直線について、「平行かつ平行なら平行」であることを示していきます。
平行かつ平行なら平行
ここでは、次のことを示します。
成り立つのが自然に思えるかもしれませんが、これも示すことができます。
直線 $\ell,m,n$ が同一平面上にある場合は明らかに成り立つので、以下では、この3直線は同一平面上にないとします。
直線 $m$ 上に、点 $\mathrm{M}$ をとります。この点 $\mathrm{M}$ から、直線 $\ell,n$ に垂線を下ろし、その足をそれぞれ $\mathrm{L,N}$ とおきます。
ここで、【応用】平面に垂直な直線でみた、「直線が平面に垂直であることを示すには、その平面上の2本の直線と垂直であることを示せばいい」という内容を使いましょう。そうすると、直線 $m$ は、平面 $\mathrm{LMN}$ 上にある2直線 $\mathrm{LM}, \mathrm{MN}$ と垂直なので、直線 $m$ は平面 $\mathrm{LMN}$ と垂直であることがわかります。
また、【応用】平面に垂直な2直線でみた、「2本の直線が平行で片方が平面に垂直なら、もう片方の直線もその平面に垂直」という内容を使います。すると、$m /\!/ \ell$ より、直線 $\ell$ も平面 $\mathrm{LMN}$ と垂直で、同様に、直線 $n$ も平面 $\mathrm{LMN}$ と垂直である、といえます。
さらに、【応用】平面に垂直な2直線でみた、「2直線がある平面に垂直なら、その2直線は平行」という内容を使ってみます。
そうすると、直線 $\ell,n$ がどちらも平面 $\mathrm{LMN}$ に垂直であることから、$\ell /\!/ n$ となることがいえます。
これで証明終わりです。
過去に示したことを使って、「平行かつ平行なら平行」を示すことができました。
おわりに
ここでは、空間における、平行な3直線について見てきました。「 $\ell /\! / m$ かつ $m /\! / n$ なら、 $\ell /\! / n$ が成り立つ」という内容で、成り立つことは自然に感じられるかもしれませんが、上で見たように、いろいろ準備をすると示すことができます。