【基本】書き出して数える
ここでは、数え方の基本である「すべてを書き出して数える」方法を見ていきます。
経路の数を数える
下のような図を使って、経路の数を数える問題を考えてみましょう。
この図で、Bを出発し、すべての道を1回ずつ通ってEに行く経路は何通りあるでしょうか。
いろいろ試してみると、Eに行く方法は何通りかあることがわかります。しかし、すべての経路の数を数えるには、思いつくままに挙げていくのはよくありません。モレやダブりが発生するかもしれないからです。
こういう場合は、書き出してみましょう。そのときに重要なのは、モレなくダブりなく数えるということです。整理して数えていきます。実際にやってみましょう。
Bを出発した後は、上に行くか右に行くか下に行くか、この3パターンがあります。この3つに分けてそれぞれ考えて行きます。
まずは、上に行くパターンを考えてみます。B⇒Aと進むと、後はD⇒Eと進んで行くことになります。Eに到着した後は、左に行くか下に行くか、2パターンあります。左に行った場合は、B⇒C⇒F⇒Eとなり、下に行った場合は、F⇒C⇒B⇒Eとなります。つまり、このときは2通りであることがわかります。
次に、Bを出発して右に行くパターンを考えましょう。Eについた後、上に行くか下に行くか、2パターンあります。そしてその後は、一本道です。なので、このときも2通りであることがわかります。
最後に、下に行くパターンですが、これは「上に行くパターン」と同じように考えれば2パターンになることがわかります。B⇒C⇒F⇒Eと行き、その後は、左に行くか上に行くかの2パターン。それぞれその後は一本道なので、2パターンとなるわけですね。
結局、次の6通りであることがわかりました。
- B⇒A⇒D⇒E⇒B⇒C⇒F⇒E
- B⇒A⇒D⇒E⇒F⇒C⇒B⇒E
- B⇒E⇒D⇒A⇒B⇒C⇒F⇒E
- B⇒E⇒F⇒C⇒B⇒A⇒D⇒E
- B⇒C⇒F⇒E⇒B⇒A⇒D⇒E
- B⇒C⇒F⇒E⇒D⇒A⇒B⇒E
思いつくままに経路を挙げていくと、モレが出てしまうかもしれません。しかし、「一番初めにどっちに移動するか」で場合分けをすれば、モレもダブりもありません。その後も、経路が分かれるたびに経路数を数え、すべてを足し合わせれば全体の経路数になります。
場合の数を数えるときは、「すべてのケースを書き出す」というのが基本です。
おわりに
ここでは、場合の数を数えるために、「すべてを書き出して数える」方法を見てきました。この方法は確実であり、原理的には「間違うことはない」と言えます。
しかし、書き出すのは面倒です。例えば、「5人が1列に並ぶ方法は何通りあるか」を書き出して解くのは大変です。120通りもあるからです。テストなら、書き出すだけで時間切れになってしまいます。
「書き出して数える」のは数え方の基本ですが、ほとんどの問題ではもっと簡単に計算だけで解くことができます。その方法は、場合の数の分野で学んでいくことになります。