【基本】数列の和、という数列

ここでは、数列の和から、もとの数列の一般項を求める方法について見ていきます。

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数列の和、という数列

数が並んでいれば、なんでも「数列」です。また、ある数列から別の数列を作ることもできます。各項の差をとって作られる階差数列は、派生してできる数列の一例ですね(参考:【基本】階差数列)。

差をとるのではなく、和を考えることで新しい数列を作り出すこともできます。今までも、「初項から第 n 項までの和」を計算したことがありましたが、この「第 n 項までの和」を並べたものも、数列になります。

具体的な例で見てみましょう。 $a_n=2^{n-1}$ という数列があったとしましょう。この数列を書き出せば、\[ 1,2,4,8,16,\cdots \]となります。この数列の初項から第 n 項までを足したものを、 $S_n$ とおきます。つまり、\[ S_n=\sum_{k=1}^n 2^{k-1} \]とするわけですね。こうしてできる $\{S_n\}$ も、数列です。書き出すと\[ 1,3,7,15,31,\cdots \]となります。

等比数列の和の公式を使って計算すると、 $S_n$ は直接求められますね。
\begin{eqnarray}
S_n
&=&
\frac{1\cdot(2^n-1)}{2-1} \\[5pt] &=&
2^n-1 \\[5pt] \end{eqnarray}となります。こうして、数列から新しい数列が作り出せます。

数列の和と一般項

ある数列に対し、「初項から第 n 項までの和」を並べて新しい数列を作り出すことができる、ということを見ました。数列 $\{a_n\}$ に対して、\[ S_n=\sum_{k=1}^n a_k \]とおくと、「数列の和」という新しい数列 $\{ S_n \}$ ができる、ということですね。

ここで、逆に $\{S_n\}$ が分かっていたときに、 $\{a_n\}$ を求めることができないか、を考えてみましょう。

そもそも、 $S_n$ を求めるには、 $n-1$ 項までの和に $a_n$ を足せばいいわけなので、次の式が成り立ちます。\[
S_n = S_{n-1}+a_n \]このことから、\[ a_n = S_n-S_{n-1} \]が成り立ちます。つまり、 $\{S_n\}$ がわかっていたら、 $\{a_n\}$ が求められるわけですね。

ただ、一つ注意が必要です。というのも、 $n=1$ のときは、上の式は少しおかしいことになります。 $S_0$ は、「0項目までの和」となってしまい、意味を成しません。そのため、 $n=1$ のときは、別に考える必要があります。

といっても、 $n=1$ のときは簡単です。このときは、 $S_1=a_1$ が成り立つからです。

以上のことを組み合わせると、数列の和から一般項を求めるには、次のように考えればいいことがわかります。

数列の和と一般項
数列 $\{a_n\}$ の初項から第 n 項までの和を $S_n$ とする。このとき、
 $a_1=S_1$
 $a_n=S_n-S_{n-1}$ ( $n\geqq 2$ のとき)
が成り立つ。

これを用いた計算は、別のところで見ることにします。ここでは、「 $n=1$ のときは、分けて考える必要がある」ということを意識しておきましょう。

ちなみに、数列 $\{S_n\}$ の階差数列は、\[ a_2,a_3,a_4,\cdots \]となります。初項が $S_2-S_1$ となるから、スタートは $a_1$ ではありません。上の「数列の和と一般項」の中で、階差数列の定義に似た式が出てきていますが、右下の添え字が異なっている点に注意しましょう。

おわりに

ここでは、数列の和を考えることで、新しい数列ができること、そして、数列の和から一般項を求めることについて見ました。初項の場合だけ異なる、という点に注意しましょう。細かいですが、分けないといけない例が出てきます。これは、具体的な問題を通じてみていくことにしましょう。