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【基本】比例と反比例を利用してお金を貯める問題を考える

ここでは、比例や反比例を利用して、身の回りの問題を考えてみましょう。

📘 目次

貯金箱の中身を知る

普通、貯金箱には、いろんな硬貨を入れますが、次のように、500円玉だけを想定している貯金箱もあります。

これは、500円玉だけを入れていくと、満杯になるころには100万円貯まっている、という貯金箱です。100万円を貯めるには、 $1000000\div 500=2000$ 枚が必要なので、おつりで500円をもらうたびに貯金したとしても、相当な時間が必要そうですね。

この貯金箱でいくらか貯めた後、「現時点で、どのくらい貯まったか」を知りたくなることもあるでしょう。この貯金箱には取り外しできるふたがついていないので、中身を見るには破壊するしかありません。でも、できれば、破壊することなく、中身の金額が知りたいですね。どうすればいいでしょうか。

すべて500円玉で貯めている、という条件が必要ですが、もしこれが守られていれば、重さを利用して中身の金額を知ることができます。例えば、貯金箱の重さが2kgだったとしたら、いくら入っているかは次のようにして求められます。

まず、貯金箱自体の重さがあるので、これを除いて考えましょう。上のサイトには、390gとあるので、これを引いた重さ 1610gが、500円玉の重さとなります。

500円玉は、約7gです。古い硬貨は重さは違いますが、ここではすべて7gとしましょう。こうすると、\[ 1610\div 7=230 \]だとわかります。500円玉の硬貨は230枚、ということですね。このことから、金額は\[ 500\times230=115000 \]円だとわかります。2kgだと、わりと貯まった気もしますが、まだ11万5千円しか貯まってないんですね。道のりは長いです。

さて、【基本】比例を表す式以降の内容を使って、ここまで見たことを式で表してみましょう。500円玉の入った貯金箱があったとします。全体から貯金箱自体の重さを引くと $x$ gだったとします。このとき、貯金箱に入っている金額を $y$ 円としましょう。

500円玉1枚の重さが 7g なので、500円玉の枚数は、 $\dfrac{x}{7}$ 枚だとわかります。これに500を掛けたものが貯金箱に入っている金額となるので\[ y=\frac{500}{7}x \]が成り立ちます。貯金箱のふたを開けなくても、貯金箱の中の重さと金額が比例することを用いれば、このようにして中身がいくらか、求めることができます。

目標達成までの日数を知る

先ほど、100万円貯まる貯金箱の話をしましたが、引き続きこの例を使ってみます。

毎月、お小遣いから500円玉を貯金するとします。おつりで500円玉をもらうたびに貯めれば、毎月平均して2枚くらいは貯めれると仮定することにしましょう。今中学1年生の人なら、大学生になるころには結構貯まってるんじゃないか、とムフフなことを考えているかもしれません。

先ほども計算した通り、500円玉で100万円を貯めるには、2000枚の硬貨が必要です。毎月2枚ずつ貯めていくとすると、2000枚貯めるのにかかる日数は、1000ヶ月です。12で割れば、83.33…年です。絶望的ですね。大学生どころか、もはや老後です。

逆に、大学生になるころに100万円貯めるなら、毎月どんなペースで貯めていかないといけないかを考えてみましょう。6年後に大学生になるとすると、残りは72ヶ月ですね。 $2000\div 72$ を計算すると、約27.778枚、ということになります。1ヶ月で27~28枚、ということは、ほぼ毎日1枚ずつ必要だというペースですね。お小遣いで買い物をしたときのおつりから貯めるには、ほぼ無理だと言っていいでしょう。

希望のない話でしたが、ここまでの内容を式にしてみましょう。毎月 $x$ 枚の硬貨を貯めるとして、2000枚貯めるのに必要な月数を $y$ ヶ月としましょう。目標を毎月のスピードで割れば月数が求められるので、\[ y=\dfrac{2000}{x} \]が成り立ちます。【基本】反比例を表す式以降で見た内容ですね。

もし、月数ではなくて、年数が知りたい、つまり、 $y$ 年とすると、さらに12で割って\[ y=\frac{2000}{12x}=\dfrac{500}{3x} \]となります。単位によって、式も変わってきます。

目標達成にかかる日数を $\dfrac{1}{2}$ にしたいなら、ペースを2倍にしないといけない、ということですね。上の例でいうと、83年を6年に縮めるには、約 $\dfrac{1}{15}$ にしないといけないので、ペースを約15倍にしないといけない、つまり、ほぼ毎日1枚ずつ貯めないといけない、ということがわかりますね。

おわりに

ここでは、お金を貯める問題を通じて、比例や反比例を利用して考える方法を見てきました。身の回りにあるものの中には、こうした比例や反比例の関係にあるものがたくさんあるので、いろいろ探してみましょう。

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