【基本】三次式の因数分解
【基本】三次式の展開で、三次式の展開について見ましたが、ここでは因数分解について見ていきます。展開と因数分解は逆の操作なので、展開で出てきた公式がそのまま因数分解の公式になります。
三次式の因数分解
ざっくりいうと、展開というのは「カッコをはずすこと」で、因数分解は「式の積にすること=カッコの式に戻すこと」です。逆の操作なので、展開のところで出てきた式を、因数分解のところでも使います。
2乗の場合も、【基本】展開の公式と【基本】因数分解で見たように、展開で出てきた公式が因数分解の公式にもなっていましたね。
3乗の場合も同じで、【基本】三次式の展開の左辺と右辺を入れ替えたものが、因数分解の式となります。
4つ書きましたが、よく使うのは3つ目と4つ目です。「3乗足す3乗」と「3乗引く3乗」の式がよく使われます。1つ目や2つ目は形が特殊なので、これらを因数分解する機会はまれです。
因数分解の公式を使った計算
(1) $x^3+64$
(2) $27a^3-b^3$
(1)は、3つ目の公式を使います。 $64=4^3$ なので、
\begin{eqnarray}
x^3+64
&=&
(x+4)(x^2-4x+16)
\end{eqnarray}となります。2つ目のカッコの中で $-4x$ の部分の符号に注意しましょう。ここだけがマイナスになります。
(2)は、4つ目の公式を使います。 $27a^3=(3a)^3$ なので
\begin{eqnarray}
27a^3-b^3
&=&
(3a-b)(9a^2+3ab+b^2)
\end{eqnarray}となります。これは、【基本】三次式の展開#展開の公式を使った計算の例題の(2)の逆バージョンです。
とにかく、符号が間違いやすいので注意しましょう。もし迷ったら、直接展開してみて元に戻るか確かめてみましょう。
おわりに
ここでは、三次式の因数分解について見てきました。展開の逆なので、展開で使った式が再び出てきました。符号を間違いやすいので、注意して計算しましょう。