【基本】常用対数

ここでは、10を底とする対数、常用対数について見ていきます。

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光年と大腸菌

天文学などで用いられる単位に「光年」というものがあります。これは、光が1年間に通過する長さのことで、1光年をメートルで書くと\[ 9 460 730 472 580 800 \mathrm{m} \]となります。また、大腸菌の大きさは、1マイクロメートル程度の大きさで、これもメートルで書くと\[ 0.000 000 001 \mathrm{m} \]となります。

このような、大きすぎる数や小さすぎる数を見てもわかる通り、数字を羅列したところであまりよくわかりません。書く方も、読むほうも大変です。これらの数字は、各桁の数字を羅列するよりも、何桁なのか、小数の場合はいくつ0が続くのか、といったことがわかるほうがいいでしょう。

こうした情報を分かりやすく書く方法があります。正の数 $x$ は、つねに次のような形で表すことができます。\[ x=a\times 10^n \]ここで、 $n$ は整数で、 $1\leqq a \lt 10$ です。

例えば、 $3140$ なら、 $3.14\times 10^3$ と書けます。 $0.0314$ なら、 $3.14\times 10^{-2}$ と書けます。 $a$ にあたる部分が $1$ より小さければ10倍し、 $10$ 以上であれば10で割り、もとの数になるように $n$ で調整すれば、 $a\times 10^n$ のような形になることがわかるでしょう。

冒頭の例も、1光年を、約 $9.46\times 10^{15}$ メートルと書き、1マイクロメートルを $10^{-9}$ メートルと書いたほうが、読みやすくなりますね。

常用対数

大きすぎる値や小さすぎる値を、 $a\times 10^n$ の形で書けると見やすくなる、という話をしました。正の数なら必ずこの形に書けるのですが、具体的にどう書けばいいか、すぐにはわからないケースもあります。

例えば、 $3^{100}$ を考えてみましょう。すごく大きい数だ、ということだけはわかりますが、何桁なのかはわかりません。

しかし、対数を使うと考えやすくなります。10進法で表したときの桁数を考えたいので、底を10とする対数を考えるとうまくいきます。このような、底を $10$ とする対数のことを、常用対数(common logarithm) といいます。桁数を考えたい場合などでよく使われるので、こうした特別な名前がついています。

10を底とする対数、常用対数を考えてみましょう。具体的に値が求まるものを挙げてみます。
\begin{eqnarray}
& & \log_{10} 0.001 &=& -3 \\[5pt] & & \log_{10} 0.01 &=& -2 \\[5pt] & & \log_{10} 0.1 &=& -1 \\[5pt] & & \log_{10} 1 &=& 0 \\[5pt] & & \log_{10} 10 &=& 1 \\[5pt] & & \log_{10} 100 &=& 2 \\[5pt] & & \log_{10} 1000 &=& 3 \\[5pt] \end{eqnarray}真数を $10^n$ の形で表せば、値が上のようになることはわかりますね。真数の桁が変わると、 $1$ だけ値が変わってることに注目しましょう。

真数が $10$ の整数乗になっていない場合には、具体的な値を求めるが難しいこともあります。 $\log_{10} 3^{100}$ などは簡単には求まりませんが、\[ \log_{10} 3^{100}=100\log_{10} 3 \]となるため、 $\log_{10} 3$ の値さえわかれば、何とかなりそうですね。

$1\leqq a \lt 10$ に対して $\log_{10} a$ の値をまとめた、常用対数表というものがあります。これを用いれば、 $\log_{10} 3$ は $0.4771$ 程度であることがわかります。よって、 $100\log_{10} 3$ は $47.71$ 程度であることがわかります。このことから、\[ 10^{47}\lt 3^{100}\lt 10^{48} \]であることがわかり、 $3^{100}$ は、48桁の数( $10^1$ が2桁、 $10^2$ が3桁、などと考えていきましょう。47桁ではないことに注意です)となることがわかります。

このように、常用対数を考えることで、大きい数や小さい数が、何桁なのか、小数の場合、いくつ0が続くのかがわかりやすくなります。具体的な問題は、今後見ていくことにしましょう。

なお、常用対数に関する問題が出た場合、常用対数の値も与えられていることが普通です。常用対数の値をまとめた常用対数表が与えられる場合もあります。常用対数を具体的に求めるには、 $10^p\leqq a \lt 10^q$ を満たす $p,q$ を求め、この $p,q$ の幅をどんどん小さくしていきます。常用対数表には、こうしてまとめた常用対数の値が一覧として載っています。教科書などにも載っているので、見方を確認しておきましょう。

おわりに

ここでは、常用対数についてみてきました。桁などを考える場合には必要となるツールですので、使いこなせるように学んでいきましょう。