【基本】常用対数表の見方
ここでは、常用対数表の見方について説明していきます。
常用対数表の見方
【基本】常用対数 で見たように、常用対数とは、底が $10$ の対数のことです、桁数を求める問題などで使うことがあります。
桁数を求める問題を解くときには、常用対数の具体的な値が必要になります。使う値がピンポイントで与えられていることもありますが、問題によっては、一覧表が与えられていることもあります。
この、常用対数の値(近似値)をまとめた表を、常用対数表 (table of common logarithms) といいます。$\log_{10} n$ の $n$ の部分について、 $1.00$ から $9.99$ まで、$900$ 個の値が一覧となっています。教科書にも載っているはずですが、一部を載せてみます。
$0$ | $1$ | $2$ | … | |
---|---|---|---|---|
$1.0$ | ||||
$1.1$ | ||||
$1.2$ | ||||
$1.3$ | $0.1206$ | |||
… |
上の表は一部だけですが、本来は、縦に、$1.0$ から $9.9$ までの値があり、横に、 $0$ から $9$ までの値があります。縦の数は小数点第一位まで、横の数は小数点第二位を表しています。
例えば、上の表の数字があるところは、縦が $1.3$ で横が $2$ なので、 $\log_{10} 1.32$ の値を表しており、\[ \log_{10} 1.32=0.1206 \]を表しています(実際には、近似値です)。上の表は空欄ですが、実際にはすべての表が数字で埋まっています。
特別な値について
常用対数表の一番左上の値は $\log_{10} 1.00$ です。この値はもちろん $0$ で、常用対数表でも左上の値は $0$ となっています。
一番大きな値は $\log_{10} 9.99$ ですが、これは $\log_{10} 10=1$ に近くて少し小さな値です。実際、近似値は $0.9996$ で、 $1$ に近くて少し小さな値となっています。
次に、 $\log_{10} 3.16=0.4997$ という値に注目してみます。この値は、ほとんど $0.5$ ですが、これは $\sqrt{10}=3.16\cdots$ であることに対応しています。
きれいな値はほとんどないので、「対数の値がきれいだからよく使われる」ものはありません。問題でよく使われるものは、 $\log_{10} 2=0.3010$ や $\log_{10} 3=0.4771$ などの、「真数の値がきれい」なものなので、ほとんどの大学入試の問題では、使いそうな値をピンポイントで与えられています。
平方根は $\sqrt{2}$ や $\sqrt{3}$ の値のように「覚えておくといい値」がありますが、常用対数の場合はそのような値はありません。強いていうなら、上で挙げた2つ $\log_{10}2$ と $\log_{10}3$ ですが、これらを問題で使う場合は値が与えられているはずです。
おわりに
ここでは、常用対数表の見方を見てきました。試験で常用対数表全体が与えられることは少ないですし、初見でもなんとなくわかるかもしれませんが、確認しておいた方が安心でしょう。