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京都大学 文系 2017年度 第5問 解説

問題編

問題

 n を2以上の自然数とする。さいころを n 回振り、出た目の最大値 M と最小値 L の差 $M-L$ を X とする。

(1) $X=1$ である確率を求めよ。
(2) $X=5$ である確率を求めよ。

考え方

(1)と(2)は問題文は似ていますが、違う考え方をします。

(1)は差が1となるときです。例えば、最大値が2で最小値が1の場合を考えてみましょう。$2^n$ 通りだと考えたくなりますが、実験をすると $n=3$ のときに成り立ちません。ここに気づくかどうかがポイントです。

(2)は、最大値が6で最小値が1の場合です。これは、「出たの目の中に、1の目が存在し、6の目も存在している場合」です。どこで何回出ているかはわかりません。このようなケースでは、直接考えようとすると場合分けが大量に発生してしまうので、別の考え方で解いていきます。


解答編

問題

 n を2以上の自然数とする。さいころを n 回振り、出た目の最大値 M と最小値 L の差 $M-L$ を X とする。

(1) $X=1$ である確率を求めよ。
(2) $X=5$ である確率を求めよ。

解答

(1)
$M=m$ とする( $m=2,3,4,5,6$ )。このとき、 $X=1$ なら $L=m-1$ である。こうなる場合は、出たさいころの目が、 $m$ か $m-1$ のどちらかしかない場合であり、かつ、「すべて $m$ 」「すべて $m-1$ 」でない場合である。よって求める確率は\[ \frac{5\times (2^n-2)}{6^n}=\frac{5\cdot2^n-10}{6^n} \]となる。

(2)
$X=5$ となるのは、出た目の中に、1も6も存在するときである。1が存在しない確率は $\dfrac{5^n}{6^n}$, 6が存在しない確率は $\dfrac{5^n}{6^n}$, 1も6も存在しない確率は $\dfrac{4^n}{6^n}$ なので、求める確率は\[ 1-\left(\frac{5^n}{6^n}+\frac{5^n}{6^n}-\frac{4^n}{6^n}\right) =\frac{6^n -2\cdot 5^n+4^n}{6^n} \]となる。

解説

(1)はすべて同じ目であるときを除き忘れないようにします。 $2^n$ だけだと、余分な場合を2つ含んでしまっています。

(2)は(1)を利用する問題ではありません。「1も6も含まれる場合」よりも「1を含まない場合」などの方が考えやすいので、こちらは余事象で考えましょう。

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