センター試験 数学I・数学A 2006年度 第1問 [1] 解説
問題編
問題
2次方程式 $x^2-3x-1=0$ の解が $\alpha,\beta$ で、 $\alpha\gt\beta$ とするとき、\[ \alpha=\frac{[ア]+\sqrt{[イウ]} }{2}, \quad \beta=\frac{[ア]-\sqrt{[イウ]} }{2} \]である。また、
$m\lt\alpha\lt m+1$ を満たす整数 m の値は $m=[エ]$
$n\lt\beta\lt n+1$ を満たす整数 n の値は $n=[オカ]$
である。次に、\[ \alpha + \frac{1}{\alpha}=\sqrt{[キク]} \]であり、\[ \alpha^3 + \frac{1}{\alpha^3}=[ケコ]\sqrt{[サシ]} \]である。
考え方
1つ目は解の公式を使うだけですね。次は無理数の整数部分を求める問題です。$\alpha$ の整数部分をいきなり求めるのは難しいので、ルートの部分がどうなっているかをまず考え、分子全体ではどうか、分数全体ではどうか、と考えていくと解けます。
後半は、1つ目は有理化ですね。2つ目はそのまま3乗してはいけません。1つ目の結果をうまく使えば、複雑な計算をすることなく、答えが求まります。
解答編
問題
2次方程式 $x^2-3x-1=0$ の解が $\alpha,\beta$ で、 $\alpha\gt\beta$ とするとき、\[ \alpha=\frac{[ア]+\sqrt{[イウ]} }{2}, \quad \beta=\frac{[ア]-\sqrt{[イウ]} }{2} \]である。
解説
解の公式に当てはめるだけですね。\begin{eqnarray} x &=& \frac{3\pm\sqrt{(-3)^2-4\cdot(-1)} }{2} \\[5pt] &=& \frac{3\pm\sqrt{13} }{2} \end{eqnarray}です。
解答
アイウ:313解答編 つづき
問題
また、
$m\lt\alpha\lt m+1$ を満たす整数 m の値は $m=[エ]$
$n\lt\beta\lt n+1$ を満たす整数 n の値は $n=[オカ]$
である。
解説
まずは、 $\displaystyle \frac{3+\sqrt{13} }{2}$ を考えてみます。やっかいなのは $\sqrt{13}$ ですね。この値がどれくらいなのかを考えます。
いくつか整数を二乗して比較すると、 $3\lt\sqrt{13}\lt 4$ であることがわかります。なので、 $6\lt 3+\sqrt{13} \lt 7$ となります。さらに2で割ると、
\begin{eqnarray}
3 \lt \frac{3+\sqrt{13} }{2} \lt 3.5
\end{eqnarray}となることがわかります。よって、 $m\lt\alpha\lt m+1$ を満たす整数 m は3となります。
また、 $-4\lt -\sqrt{13} \lt -3$ なので、3を足して2で割ると
\begin{eqnarray}
-0.5 \lt \frac{3-\sqrt{13} }{2} \lt 0
\end{eqnarray}となることがわかります。よって、 $n\lt\beta\lt n+1$ を満たす整数 n は-1となります。
解答
エ:3オカ:-1
解答編 つづき
問題
次に、\[ \alpha + \frac{1}{\alpha}=\sqrt{[キク]} \]であり、\[ \alpha^3 + \frac{1}{\alpha^3}=[ケコ]\sqrt{[サシ]} \]である。
解説
まずは $\displaystyle \frac{1}{\alpha}$ を計算します。
\begin{eqnarray}
\frac{2}{3+\sqrt{13} }
&=&
\frac{2(3-\sqrt{13})}{(3+\sqrt{13})(3-\sqrt{13})} \\[5pt]
&=&
\frac{2(3-\sqrt{13})}{9-13} \\[5pt]
&=&
\frac{-3+\sqrt{13} }{2} \\[5pt]
\end{eqnarray}となります。よって、
\begin{eqnarray}
\alpha + \frac{1}{\alpha}
&=&
\frac{3+\sqrt{13} }{2} + \frac{-3+\sqrt{13} }{2} \\[5pt]
&=&
\sqrt{13}
\end{eqnarray}となります。
次に、 $\displaystyle \alpha^3 + \frac{1}{\alpha^3}$ ですが、これを直接計算するのは大変です。しかし、先ほど求めたものを3乗すれば、簡単に求めることができます。
\begin{eqnarray}
\left( \alpha + \frac{1}{\alpha} \right) ^3
&=&
\alpha^3 + 3\alpha^2\cdot\frac{1}{\alpha} + 3\alpha\cdot\frac{1}{\alpha^2} + \frac{1}{\alpha^3} \\[5pt]
&=&
\alpha^3 + 3\left( \alpha + \frac{1}{\alpha} \right) + \frac{1}{\alpha^3} \\[5pt]
\end{eqnarray}この最初の式と最後の式に先ほどの結果を入れると、
\begin{eqnarray}
\left( \sqrt{13} \right) ^3
&=&
\alpha^3 + 3\cdot \sqrt{13} + \frac{1}{\alpha^3}
\\[5pt]
13\sqrt{13}
&=&
\alpha^3 + 3\sqrt{13} + \frac{1}{\alpha^3}
\\[5pt]
\alpha^3 + \frac{1}{\alpha^3}
&=&
10\sqrt{13}
\end{eqnarray}となります。
解答
キク:13ケコサシ:1013