なかけんの数学ノート

【標準】循環小数と分数

【基本】実数の分類 という記事の中で、有理数の分類を行いました。そこでは、「循環小数は分数で表すことができる」ということを書きました。このページでは、実際に循環小数を分数で表すにはどうすればいいか、について書いていきます。

循環小数を分数で表現する方法

循環小数とは、「ある桁から先で、同じ数字の列が繰り返されている小数」のことでした。例えばこういうものですね。\[ \displaystyle \frac{1}{3}=0.333\cdots\]なお、【基本】循環小数の表し方という記事で書いた通り、この小数は次の式の右辺のように書くんでしたね。\[ \frac{1}{3} = 0.\dot{ 3 } \]

分数から小数にするのは、簡単にできますよね。割り算をすればOKです。しかし、循環小数から分数にするにはどうすればいいんでしょうか。上の式で言うと、$0.\dot{ 3 }$からどうやって$\frac{1}{3}$にたどり着くのでしょう。

循環小数から分数にするには、次のようなテクニックを使います。まず、循環小数を次のように文字で置きます。\[ x = 0.\dot{ 3 } \]このとき、$10x$ はどんな数になるでしょうか。10倍すると1桁ズレるので、\[ 10x = 3.\dot{ 3 } \]となりますね。ここで、右辺同士を見比べてみましょう。すると、小数点以降が同じであることが分かります。

小数点以降が同じなので、引き算をすればきれいになくなります。上の式で、2つ目から1つ目の式を引くと、次のようになることが分かります。\[ 9x = 3 \]両辺を9で割れば、\[ x=\frac{1}{3} \]が得られるわけですね。つまり、\[ 0.\dot{ 3 } = \frac{1}{3} \]が得られた、ということです。一番初めの式が得られましたね。

循環小数を分数で表現する方法2

もう少し複雑な例も見てみましょう。\[ 0.\dot{ 0 } 0 \dot{ 7 } \]の場合を考えてみます。今度は、007が繰り返されるわけですね。今回は、10倍しても意味がありません。繰り返される「007」がきれいに消えるためには、1000倍しないといけませんよね。

なので、今回は次のようにして解きます。まず、\[ y=0.\dot{ 0 } 0 \dot{ 7 } \]とします。そして、両辺を1000倍したものから元の式を引くと、\[ 999y=7 \]が得られるので、\[ y=\frac{7}{999} \]となります。

さらに、途中から繰り返される場合も見ておきましょう。\[ 0.3\dot{ 1 } \dot{ 8 } \]を考えてみます。これは循環するところと循環しないところに分けて考えればいいんですね。次のようにして分けて考えます。\[ 0.3\dot{ 1 } \dot{ 8 } = 0.3 + 0.0\dot{ 1 } \dot{ 8 } \]

ここで、循環している部分を文字で置いて、まずは循環している部分だけ計算してみます。\[ z=0.0\dot{ 1 } \dot{ 8 } \]として両辺を100倍し、元の式から引くと、\[ 99z = 1.8 \]となることが分かります。よって、
\begin{eqnarray}
z &=& \frac{1.8}{99} \\[5pt]
&=& \frac{18}{990} \\[5pt]
&=& \frac{1}{55}
\end{eqnarray}となります。これに$0.3$を加えたものが元の数なので、元の数は次のようになります。
\begin{eqnarray}
0.3\dot{ 1 } \dot{ 8 }
&=& 0.3 + 0.0\dot{ 1 } \dot{ 8 } \\[5pt]
&=& \frac{3}{10} + \frac{1}{55} \\[5pt]
&=& \frac{33}{110} + \frac{2}{110} \\[5pt]
&=& \frac{35}{110} \\[5pt]
&=& \frac{7}{22} \\[5pt]
\end{eqnarray}

ここで挙げた数字は、【基本】循環小数の表し方という記事に出てきたものですが、ちゃんと元の分数に戻っています。

同じようにすれば、どんな循環小数でも、分数の形に書けることが分かりますね。

0.999…が1になることについて

この計算方法をある数に適用すると、少し変なことが起こります。数学的には全然変じゃないのですが、見た瞬間に少し「あれ?」と思ってしまう内容です。

$0.999\cdots$という循環小数を分数で書くことを考えてみます。

上で見た方法の通り、やってみます。\[ a=0.\dot{9} \]とおき、10倍したものから元の式を引きます。すると、\[ 9a=9 \]という式が出てきます。ということは、$a=1$、つまり、\[ 0.999\cdots=1 \]なんですね。

$0.999\cdots$と書くと、1より小さい感じがしますが、イコールになります。数学的に正しい式です。高校数学のだいぶ後の方で出てくる「極限」のことを勉強すると、不思議さは和らぐんじゃないかと思います。

循環小数を分数で表現する方法まとめ

最後に、循環小数を分数で表現する方法をまとめておきましょう。

まず、循環する部分と循環しない部分がある場合は、分けて考えます。そして、循環する部分を先に分数で表すようにします。

循環する部分に10を何度も掛けていき、循環する部分が元の数と一致するようにします。そして両辺を引くと、循環する部分が消えるので、「整数÷整数」の形、つまり分数の形で書けるようになります。

あとは、循環しない部分を足し合わせて終わりですね。

ポイントは循環する部分を打ち消すために、$10^n$ を掛けて元の数を引く、という点ですね。「循環する部分を消すため」という部分をおさえておけば、計算方法を忘れることも少なくなると思います。

[広告]
対象者: 数学I
分野: 数と式
トピック: 実数
レベル: 標準
キーワード: 有理数
更新日:2016/05/10