【応用】実数の分類と四則演算

【標準】実数の分類と四則演算では、有理数の範囲内や実数の範囲内であれば、自由に四則演算ができる、という話をしました。しかし、無理数の範囲だけで考えると、自由に四則演算ができるとは限りません。

ここでは、無理数同士の四則演算や無理数と有理数の四則演算の結果がどうなるか、を見ていきます。このことは、センター試験などでも出題されることがあります。

例えば、「無理数+無理数」の答えは、必ず無理数でしょうか。それとも有理数になることもあるでしょうか。「有理数×無理数」の場合はどうでしょうか。これらを考えたうえで、記事を読んでみましょう。

無理数と無理数の四則演算

有理数の範囲で四則演算をすると答えは有理数になり、実数の範囲で四則演算をすると答えは実数になります。しかし、無理数だけを取り出してきても、「無理数の範囲で」四則演算がいつもできるとは限りません。

例えば、「無理数+無理数=無理数」はいつも成り立つでしょうか。無理数同士の和は、無理数になることもありますが、ならないこともあります。「$\sqrt{2}+\sqrt{2}=2\sqrt{2}$」のケースを見れば、答えは無理数です。しかし、「$\sqrt{2}+(-\sqrt{2})=0$」のケースを見れば、答えは有理数です。

同様に、「無理数-無理数」も無理数のこともあれば有理数のこともあります。先ほど見た式で、符号を入れ替えればわかります。

それでは、掛け算の場合はどうでしょうか。「無理数×無理数=無理数」はいつも成り立つでしょうか。これも、無理数・有理数どちらもあります。例えば、「$\sqrt{2}\times\sqrt{3}=\sqrt{6}$」と「$\sqrt{2}\times\sqrt{2}=2$」のケースを見れば明らかですね。掛け算を割り算に変えても同じです。答えは、無理数・有理数どちらの場合もあります。

ということで、無理数と無理数の四則演算の結果は、無理数のときもあるし有理数のときもあるということがわかります。

有理数と無理数の四則演算

それでは、有理数と無理数との四則演算の答えはどうなるでしょうか。

まずは、「有理数+無理数」を考えてみます。この答えが有理数なら、1項目の有理数を両辺から引くと、「無理数=有理数」という式になってしまいます。こんなことは起こりません。分数で書けないものと書けるものがイコールになることはないからです。よって、答えは無理数になります。

引き算も同様で、答えは無理数になります。

次に、「有理数×無理数」を考えてみます。これも先ほどと同様に、両辺を1項目の有理数で割ったら「無理数=有理数」と言えそうな気がするのですが、実はそうとは言い切れません。「有理数で割ったら」と書きましたが、有理数でいつも割れるとは限らないんですね。そう、有理数が0のケースがあります。0の場合は積が有理数になります。

つまり、「$\frac{1}{2}\times 2\sqrt{2}=\sqrt{2}$」のように無理数になることもあるし、「$0\times \sqrt{2}=0$」と有理数になることもある、ということです。

最後に割り算です。「有理数÷無理数」を考えてみます。先ほどと同じように、有理数が0の場合を考えると、答えは有理数になります。また、「$1\div\sqrt{2}$」のように、無理数になることもあります。つまり、有理数にも無理数にもなりえるということですね。

逆に、「無理数÷有理数」を考えましょう。これは、2項目の有理数を両辺に掛ければいいですね。答えが有理数とすると「無理数=有理数」となって矛盾が生じるから、答えは無理数であることが分かります。

まとめ

以上のことをまとめると、無理数と無理数、無理数と有理数の四則演算の結果は、次のようになります。表の上にある数と左にある数との計算結果がどうなるか、を書いています。「無・有」は無理数のことも有理数のこともある、という意味です。

無理数 有理数
±無理数 無・有
×無理数 無・有 無・有
÷無理数 無・有 無・有
±有理数
×有理数 無・有
÷有理数

この表を覚える必要はありません。しかし、どういう例があるのかは覚えておくと役に立つかもしれません。特に「0の場合が例外になる」ことを知っておくのは、役立ちそうです。

センター試験では、命題に関する問題で、このような有理数や無理数の四則演算のことが出題されることがあります。結果を覚えるより、どういう例があったかを知っておくのが大事です。