なかけんの数学ノート

【応用】複二次式(4次・2次・定数項だけ)の因数分解

ここでは、4次・2次・定数項だけからなる「複二次式」と呼ばれる式の因数分解を見ていきます。【標準】置き換えによる因数分解の内容を応用して、2次の部分を別の文字で置き換える方法が考えられますが、それ以外のテクニックが必要なケースがあります。この記事で見ていきましょう。

例題1

【例題】
次の式を因数分解せよ。
$4x^4 -17x^2 +4$

まずは、簡単なケースから見ていきます。冒頭でも書いたように、$x^2$ を他の文字で置き換えることで因数分解できる例です。慣れてくれば、他の文字で置かずに頭の中でひとかたまりだと考えて計算してもいいのですが、ここでは、$y=x^2$ とおいて変形していきましょう。
\begin{eqnarray}
& &
4x^4 -17x^2 +4 \\
&=&
4y^2 -17y +4 \\
&=&
(y-4)(4y-1) \\
&=&
(x^2-4)(4x^2-1) \\
\end{eqnarray}こうなります。しかし、よく見ると、それぞれのカッコ内はさらに因数分解できますね。こういう場合は、これ以上因数分解できないというところまで変形していく必要があります。なので、次のようになります。
\begin{eqnarray}
& &
4x^4 -17x^2 +4 \\
&=&
(x^2-4)(4x^2-1) \\
&=&
(x-2)(x+2)(2x-1)(2x+1) \\
\end{eqnarray}ここまで変形しないと正解にはならないので注意してください。

例題2

さて、ここからが本題です。

【例題】
次の式を因数分解せよ。
$x^4 +x^2 +1$

今度は、$y=x^2$ と置き換えても、これ以上因数分解することができません。

これはやり方を知らないと思いつかないと思うので書いてしまいますが、「2乗引く2乗」の形に無理やり持って行くんですね。次の式変形を見てみましょう。
\begin{eqnarray}
& &
x^4 +x^2 +1 \\
&=&
x^4 +2x^2 +1 -x^2 \\
&=&
(x^2+1)^2 -x^2 \\
\end{eqnarray}元の式の1項目と3項目が $(x^2+1)^2$ の中にうまく取り込まれています。$x^2$ の部分が余計なので、後で引いています。こうすると、「2乗引く2乗」の形になっているので、さらに因数分解することができるんですね。続きを書くとこうなります。
\begin{eqnarray}
& &
(x^2+1)^2 -x^2 \\
&=&
\{ (x^2+1) +x \} \{ (x^2+1) -x \} \\
&=&
(x^2+x+1)(x^2-x+1) \\
\end{eqnarray}$x^4 +x^2 +1$ を見て、「$x^2$ を足して後で引く」と思いつくのはなかなか難しいと思います。ただ、因数分解で4次の公式というのは(今の段階では)ないので、逆に言えば「4次式を因数分解するときは、今回の形を使う可能性が高い」とも言えます。

例題3

先ほどの例題2と似た問題を、もう一問やってみましょう。

【例題】
次の式を因数分解せよ。
$x^4 -x^2 y^2 +16y^4$

$y$ が入っていますが、先ほどと同様に考えていきます。「2乗引く2乗」の形に持って行くことを考えます。はじめの項と最後の項を見ると、$(x^2+4y^2)$ を2乗すればいいのではないか、と予想できます。そこで、次のように計算していきます。
\begin{eqnarray}
& &
x^4 -x^2 y^2 +16y^4 \\
&=&
(x^2+4y^2)^2 -9x^2y^2 \\
&=&
(x^2+3xy+4y^2)(x^2-3xy+4y^2) \\
\end{eqnarray}このようになります。なお、最初と最後の項を見て、$(x^2-4y^2)$ を2乗すればいいと思う人もいるかもしれませんが、実はこの場合はうまくいきません。「引く2乗」がうまくでてこないんですね。

この問題では、$(x^2+4y^2)$ を使えばうまくいきましたが、$(x^2-4y^2)$ のように「マイナス」の方を使うケースもあります。どちらがうまくいくかは、問題によって違ってきます。両方試してみて、うまくいくほうを採用します。

まとめ

この記事では、$ax^4 +bx^2 +c$ のように、4次と2次と定数項しかない場合の因数分解を見てきました。$y=x^2$ と置き換えて因数分解できる場合は、その通り因数分解するだけです。問題は因数分解できない場合でしたね。

この場合は、「2乗引く2乗」の公式が使えるように、$(px^2+q)^2 -rx^2$ や $(px^2-q)^2 -rx^2$ の形に変形するんでしたね。元の式の1項目と3項目に着目すれば、係数の数字の部分はわかります。$+q$ か $-q$ のどちらがいいかは、問題に応じて使い分けないといけません。

何もないところから「引く2乗」を作り出す、と思いつくのが難しいですね。

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対象者: 数学I
分野: 数と式
トピック: 展開と因数分解
レベル: 応用
キーワード: 因数分解, 式の計算
更新日:2016/05/25