【基本】分数式

ここでは、分母・分子に整式が入った、分数式というものを見ていきます。

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分数式

【基本】筆算を使った整式の割り算【基本】整式の割り算で、整式の割り算を見ました。小学生の時には、割り算を学んだ後に分数が出てきましたが、その流れはここでも同じです。ここでは、分数式について見ていきます。

分数式 (rational expression) とは、分母・分子が整式となっている分数のことです。例えば、下の式は、分数式です。\[ \dfrac{1}{x},\ \dfrac{y-1}{y^2+1},\ \dfrac{cx+d}{ax+b} \]

一方、分数式ではないものも挙げておきましょう。次の式は、分母・分子が整式ではないため、分数式とは言いません。\[
\frac{1}{\sqrt{x}},\ \frac{\sqrt{y^2+1}}{y} \]

また、分母が数字だけの場合は、分数式と呼ばないことが多いです。なので、\[ x+1,\ \frac{x+1}{2} \]などは、普通は分数式とは呼びません(人によってはこれらを分数式に含めることもありますが、このサイトでは含めないこととします)。

一般的な形でまとめておきましょう。

分数式
整式 A と 次数が1以上の整式 B を用いて\[ \frac{A}{B} \]の形で表される式を、分数式という。

分数のときと同じように、 A を分子、 B を分母といいます。また、分数式のことを、有理式と呼ぶ場合もあります。

分数式の約分

$\dfrac{2}{6}=\dfrac{1}{3}$ というように、分母・分子を同じ数で割ることを約分というのでしたね。分数式にも、同じように約分 (reduction to lower terms) があります。

例えば、 $\dfrac{2a^3bc^2}{6a^2b^3c}$ を考えてみましょう。これは、分母・分子を $2$ で割り、 $a^2$ で割り、 $b$ で割り、 $c$ で割ることができます。そのため、次のように約分することができます。\[ \dfrac{2a^3bc^2}{6a^2b^3c} = \dfrac{ac}{3b^2} \]

また、 $\dfrac{x^2-1}{x^3-1}$ を考えてみましょう。先ほどの例では、積の形になっていたので、分母・分子を何で割ればいいかがすぐにわかりましたが、今回はすぐにはわかりません。そのため、まずは、分母・分子を積に形にする、つまり、因数分解をする必要があります

分子は\[ x^2-1=(x-1)(x+1) \]と変形でき、分母は\[ x^3-1=(x-1)(x^2+x+1) \]と因数分解できます。この結果から、 $x-1$ が共通しているので、これで分母・分子を割ることができます。ここまでのことをまとめて式にすると、次のようになります。
\begin{eqnarray}
\frac{x^2-1}{x^3-1}
&=&
\frac{(x-1)(x+1)}{(x-1)(x^2+x+1)} \\[5pt] &=&
\frac{x+1}{x^2+x+1} \\[5pt] \end{eqnarray}これが、約分をした結果です。

このように、分母・分子が積の形になっていない場合は、まず因数分解をして積の形にすることを考えましょう。

分数式の約分について、一般的な形でまとめておきましょう。

分数式の約分
整式 A, B, C( $C\ne 0$ )に対して、次が成り立つ。\[ \frac{AC}{BC}=\frac{A}{B} \] 左辺から右辺に変形することを、「(分数式の)約分」という。

「左辺から右辺への変形」と見れば、「分母・分子を同じ式で割っても結果は変わらない」と受け取ることができますが、「右辺から左辺への変形」と見れば、「分母・分子に同じ式を掛けても結果は変わらない」と受け取ることができます。どちらも成り立ちます。

また、これ以上約分できない分数式のことを、既約分数式 (rational expression reduced to lowest terms) といいます。

おわりに

ここでは、分数式の紹介と、約分について見てきました。分数をもとに考えれば理解しやすいですが、約分のときに因数分解をするなど、分数式特有の計算が必要になることもあるので、違いをしっかりおさえていきましょう。