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【標準】直線のベクトル方程式と成分

ここでは、直線のベクトル方程式を成分で表してみます。一般的な形で考えていくと、興味深い結果があらわれます。

📘 目次

直線のベクトル方程式と成分

直線のベクトル方程式を、成分を使って書いてみましょう。【基本】直線のベクトル方程式と成分でも似たようなことをしましたが、ここでは一般的な形で考えていきましょう。また、リンク先では2点を通る直線を考えましたが、ここでは、1点と向きを表すベクトルが与えられている、とします。

点 $\mathrm{ A }(\vec{a})$ を通り、 $\vec{d}$ に平行な直線を考えましょう。また、 $\vec{a}$, $\vec{d}$ の成分を、それぞれ、 $(p,q)$, $(a,b)$ としましょう(変数名がいまいちですが、後の説明の都合上、こうしておきます)。【基本】直線のベクトル方程式で見たように、この直線のベクトル方程式は、媒介変数 t を使って、\[ \vec{p}=\vec{a}+t\vec{d} \]と書けます。これを成分で書けば
\begin{eqnarray} (x,y) &=& (p,q)+t(a,b) \\ &=& (p+ta,q+tb) \\ \end{eqnarray}となります。よって、 \begin{eqnarray} \left\{ \begin{array}{l} x=p+ta \\ y=q+tb \end{array} \right. \end{eqnarray}が成り立ちます。【基本】直線のベクトル方程式と成分でもやったように、 t を消してみましょう。1つ目の式を $b$ 倍し、2つ目の式を $a$ 倍して引くと \begin{eqnarray} bx-ay &=& bp-aq \\ b(x-p)-a(y-q) &=& 0 \\ \end{eqnarray}となります。

今までのことをまとめると、点 $A(\vec{a})$ を通り、 $\vec{d}$ に平行な直線は、\[ \vec{p}=\vec{a}+t\vec{d} \]と書け、さらに、\[ b(x-p)-a(y-q) = 0 \]と書ける、ということがわかりました。

最後の直線の方程式は、実は他の場面でも出てきています。【標準】平行・垂直な直線の方程式で、次のような結果が得られていました。

平行・垂直な直線の方程式(一般形)
点 $\mathrm{ P }(p,q)$ を通り、直線 $l:\ ax+by+c=0$ に平行な直線の方程式は\[ a(x-p)+b(y-q) = 0 \]であり、垂直な直線の方程式は\[ b(x-p)-a(y-q) = 0 \]である。

上で見た計算とこの結果は、ともに $(p,q)$ を通る、という部分が一致しています。 $b(x-p)-a(y-q) = 0$ という式は、ベクトルの成分を使うと $\vec{d}=(a,b)$ に平行な直線であり、上の結果を使うと、直線 $ax+by+c=0$ に垂直な直線である、ということがわかります。

この2つから何が言えるかというと、ベクトル $\vec{d}=(a,b)$ と $ax+by+c=0$ は垂直である、ということです。

ここでは、たまたま計算していくと見つけた、という感じになりましたが、別の機会に「あるベクトルに垂直な直線」を直接扱うことにしましょう。ここで得た結果と同じものが得られますが。

おわりに

ここでは、1点と向きを表すベクトルから、直線のベクトル方程式を作り、それを成分で表してみました。そうすると、 $ax+by+c=0$ に垂直な直線の方程式と同じ形の式があらわれました。これを踏まえて、別の機会に、「あるベクトルに垂直な直線」を考えることにしましょう。

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