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【標準】2つの直角三角形に分解して三角比を求める

ここでは、直角三角形ではない一般の三角形が与えられたときに、 $\sin$ や $\cos$ を求める方法を見ていきます。直角三角形が基本なので、直角三角形を無理やり作り出して計算していきます。

📘 目次

例題

例題
$\mathrm{ AB }=10$, $\mathrm{ BC }=21$, $\mathrm{ CA }=17$ である $\triangle \mathrm{ ABC }$ を考える。 A から BC に下した垂線の足を D とし、 $\mathrm{ AD }=h$, $\mathrm{ BD }=x$ とおく。
(1) $\triangle \mathrm{ ABD }$ に着目して、 $x,h$ が満たす式を作りなさい。
(2) $\triangle \mathrm{ ACD }$ に着目して、 $x,h$ が満たす式を作りなさい。
(3) $x,h$ を求め、 $\sin \angle \mathrm{ B }$, $\cos \angle \mathrm{ B }$ を求めなさい。

三角形 ABC の3辺の長さが与えられていますが、これは直角三角形ではありません。なので、直接 $\sin \angle \mathrm{ B }$ などを求めることはできません。そのため、この問題のように、直角三角形を作り出して考えることになります。

(1)を考えてみます。 $\triangle \mathrm{ ABD }$ は直角三角形なので、三平方の定理から次が成り立ちます。\[ x^2+h^2=10^2 \]よって、 $x^2+h^2=100$ となります。

(2)も同様に、 $\triangle \mathrm{ ACD }$ が直角三角形なので、
\begin{eqnarray} (21-x)^2+h^2 &=& 17^2 \\ x^2-42x+441 +h^2 &=& 289 \\ x^2-42x +h^2 &=& -152 \\ \end{eqnarray}が成り立ちます。

(3)は、(1)の結果から(2)の結果を引くと
\begin{eqnarray} 42x &=& 252 \\ x &=& 6 \\ \end{eqnarray}と求められます。(1)に代入すると、 $h=8$ が求められます。

このことから、 $\triangle \mathrm{ ABD }$ という直角三角形で考えると、 $\sin \angle \mathrm{ B }=\dfrac{4}{5}$, $\cos \angle \mathrm{ B }=\dfrac{3}{5}$ と求められます。

おわりに

ここでは、直角三角形でない三角形であっても、垂線を引いて無理やり直角三角形を作り出せば、内角の三角比が求められる、という例を見ました。ここで見た例は特殊なものではなくて、他の三角形であっても同じ手法が使えます。

ここで見た問題は、同じ三角比の分野で学ぶ、余弦定理というところにつながっていきます。

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