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【標準】解から二次方程式を作る

ここでは、2つの数を解に持つ二次方程式を作る、という問題を見ていきます。解と係数の関係を使います。

📘 目次

例題

例題
二次方程式 $x^2+x+1=0$ の2つの解を、 $\alpha$, $\beta$ とするとき、 $\alpha-1$, $\beta-1$ を解に持つ、 $x^2$ の係数が $1$ である二次方程式を求めなさい。

このように、解から二次方程式を作る問題を考えてみましょう。

解と係数の関係が分かっている(参考:【基本】二次方程式の解と係数の関係)ので、解の和と解の積が分かれば、二次方程式も求められるはずです。つまり、 $\alpha-1$ と $\beta-1$ の和と積が求められれば、ほぼゴールです。

この和は\[ (\alpha-1)+(\beta-1)=\alpha+\beta-2 \]となります。よって、 $\alpha+\beta$ が分かればいいですね。これは、 $x^2+x+1=0$ の解が $\alpha$, $\beta$ であることから、ここでも解と係数の関係を使えば求めることができます。つまり、係数から解の和を求め、さらに解の和から別の係数を求める、という流れです。

一方、積は
\begin{eqnarray} & & (\alpha-1)(\beta-1) \\[5pt] &=& \alpha\beta-(\alpha+\beta)+1 \\ \end{eqnarray}となりますが、これも、解と係数の関係を使えば求められますね。

$x^2+x+1=0$ の解が $\alpha$, $\beta$ であることから、解と係数の関係より
\begin{eqnarray} \alpha+\beta = -1, \quad \alpha \beta = 1 \end{eqnarray}なので \begin{eqnarray} & & (\alpha-1)+(\beta-1) \\[5pt] &=& \alpha+\beta-2 \\[5pt] &=& -3 \\[5pt] \end{eqnarray}となり、 \begin{eqnarray} & & (\alpha-1)(\beta-1) \\[5pt] &=& \alpha\beta-(\alpha+\beta)+1 \\[5pt] &=& 1-(-1)+1 \\[5pt] &=& 3 \\[5pt] \end{eqnarray}となります。

和が $-3$ で、積が $3$ だから、求める二次方程式は\[ x^2+3x+3=0 \]となることがわかります。

解と係数の関係を再考する

【基本】二次方程式の解と係数の関係で見た内容と、上での内容を見比べながら、もう一度、解と係数の関係について考えてみましょう。

リンク先のページでは、「解の和、解の積は、係数を使ってこのように書けるよ」という使い方で、解と係数の関係を見ました。そして、上の問題では、この使い方もしているし、逆に「係数は、解の和・解の積を使ってこのように書けるよ」という使い方もしているんですね。係数から解、解から係数、どちらの使い方もある、ということなんですね。

重要なのは、「解と係数の関係」を使うときには、解が何かは気にしなくてもいい、という点です。複素数の世界であれば、二次方程式の解はつねに存在するので、解があるかないかを気にする必要はありません。和や積だけの情報で十分な場合には、解のことは素通りして、解の和・解の積と係数の関係を使うことができます。

解を求める必要がなくて、解の和と解の積の情報があればいい、なんていう状況はどういうときなんだ? と思うかもしれませんが、その1つが上のような問題の場合です。また、実数解の符号を調べたいときにも、解の和と積の情報だけですみます。解を求めなくてもいいことで、助かる場面は出てきます。

おわりに

ここでは、解から二次方程式を作る問題を見ました。解の和と積から、係数を決めることができました。解から係数、係数から解、どちらの使い方もあるということを理解しておきましょう。

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