【標準】最大公約数と最小公倍数の積

ここでは、最大公約数と最小公倍数の積に関する性質を見ていきます。

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互いに素な2つの自然数の最小公倍数

互いに素な2つの自然数を考えてみます。例えば、 $5,9$ について考えてみましょう。最大公約数は $1$ で、最小公倍数は $45$ ですね。

2つの数字の積が最小公倍数となっていますが、これはたまたまではなく、「互いに素な2つの自然数」ならつねに成り立ちます。これは、【基本】互いに素で見た性質を使えば、以下のようにわかります。

2つの自然数 $a,b$ が互いに素だとします。 $a$ の倍数 $ak$ が $b$ の倍数であれば、 $k$ は $b$ の倍数になるのでした。なので、 $a$ の倍数で、 $ab$ より小さい正の整数が、 $b$ の倍数になることはありません。よって、 $ab$ が最小公倍数、となります。

「互いに素」ではない場合でも、これに似た性質があるので、次で見てみましょう。

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最大公約数と最小公倍数の積

少し文字が多くて大変になりますが、上で見た内容を一般の場合で考えてみます。

2つの自然数 $a,b$ があるとします。この最大公約数を $g$ とし、最小公倍数を $l$ とします。

$a,b$ も $g$ で割り切れるので、\[ a=ga’,\ b=gb’ \]となる自然数 $a’,b’$ が存在します。もしこの $a’,b’$ が互いに素でなければ、さらに2以上の整数で割れることになってしまい、 $g$ が最大公約数であることに反してしまいます。なので、 $a’,b’$ は互いに素です。

$l$ は $a=ga’$ の倍数なので、 $l=ga’c$ となる自然数 $c$ が存在します。これは $b=gb’$ の倍数でもあるから、 $a’c$ は $b’$ の倍数になります。ここで、 $a’,b’$ は互いに素だったから、 $c$ は $b’$ の倍数です(この性質は冒頭でも使ったものです)。このような自然数のうち、一番小さくなるのは $c=b’$ のときなので、結局、\[ l=ga’b’ \]となることがわかります。

これから、先ほどのように、もとの数の積 $ab$ を変形すると
\begin{eqnarray}
ab
&=&
ga’\times gb’ \\
&=&
g\times ga’b’ \\
&=&
gl
\end{eqnarray}となり、「もとの数の積は、最大公約数と最小公倍数の積になる」ということがわかります。冒頭で見た例は、互いに素だったので、最大公約数が $1$ の場合に成り立つことを確認していたことになるわけですね。これは、なかなかきれいな関係式ですね。

最大公約数と最小公倍数の積
2つの自然数 $a,b$ の最大公約数を $g$ 、最小公倍数を $l$ とするとき、次の関係式が成り立つ。\[ ab=gl \]

例えば、 $12,9$ の最大公約数は $3$ で、最小公倍数は $36$ ですが、たしかに\[ 12\times9=3\times 36=108 \]が成り立っていますね。

最大公約数と最小公倍数からもとの数を求める

最大公約数と最小公倍数の積に関する性質を見ましたが、ここでの考え方を応用して、これらからもとの数を求めることができるようになります。次の例題で見てみましょう。

例題
2つの自然数 $a,b$ は、最大公約数が $9$ で、最小公倍数が $108$ である。このとき、 $a,b$ の組をすべて求めなさい。ただし、 $a\lt b$ とする。

先ほどは、もとの数を「最大公約数×別の自然数」と置きました。ここでも、そうしてみましょう。

最大公約数が $9$ なので、 $a=9a’$, $b=9b’$ となる自然数 $a’,b’$ が存在します。また、この2つは互いに素です。さらに2以上の整数で割れてしまったら、最大公約数はもっと大きくなってしまうからです。

さて、先ほど見た通り、もとの数の積は、最大公約数と最小公倍数の積と一致するので
\begin{eqnarray}
9a’\times9b’&=&9\times 108 \\[5pt] a’b’&=&12 \\[5pt] \end{eqnarray}となります。こうするとだいぶ絞られますね。 $a’,b’$ は互いに素で、積が $12$ であり、 $a’\lt b’$ だから、 $(a’,b’)=(1,12),(3,4)$ となります。 $a=9a’$, $b=9b’$ なので、\[ (a,b)=(9,108),(27,36) \]となります。

確かめてみると、たしかに条件を満たしています。なお、 $(a’,b’)=(2,6)$ としてみると、 $(a,b)=(18,54)$ となり、最大公約数は $18$ で、最小公倍数は $54$ となってしまい、たしかに条件を満たさないことがわかります。

おわりに

ここでは、最大公約数と最小公倍数の積がもとの数の積と一致することを見ました。そのときに使った手法を応用すると、最大公約数・最小公倍数から、もとの数を絞り込めるんですね。

文字が多くて考えづらくなるかもしれませんが、具体的な値を入れながら考えたりするといいと思います。難易度が上がってくると、文字を使わないまま考えるのは、厳しくなってきます。