【標準】式の値(因数分解を用いて計算)
ここでは、「$x=2$ のときの $x^2+3x$ の値」というように、変数に値を代入したときに数式の値がいくらになるかを計算する方法を見ていきます。基本的には代入するだけなのですが、工夫することで計算の手間が減る場合があります。この記事では、そんな例を見ていきます。
例題1
直接計算することもできますが、できれば楽をしたいですよね。この式を見ると2乗の公式を使うんだな、ということが思いつけるでしょう。【基本】因数分解が参考になるはずです。
\begin{eqnarray}
& &
x^2+2xy+y^2 \\
&=&
(x+y)^2 \\
&=&
\{ (1+\sqrt{2}) +(1-\sqrt{2}) \}^2 \\
&=&
2^2 \\
&=&
4 \\
\end{eqnarray}ここまで露骨に「因数分解の公式」を使わせる問題は出ないかもしれません。しかし、次のようなケースは頻繁に出てきます。
例題2
「2乗引く2乗」の形の公式が使えますね。これを使えば、少し計算が楽になります。
\begin{eqnarray}
& &
x^2-y^2 \\[5pt]
&=&
(x+y)(x-y) \\[5pt]
&=&
\{ (1+\sqrt{2}) +(1-\sqrt{2}) \} \\
& & \times \{ (1+\sqrt{2}) -(1-\sqrt{2}) \} \\[5pt]
&=&
2 \times 2\sqrt{2} \\[5pt]
&=&
4\sqrt{2} \\
\end{eqnarray}どうでしょうか。直接 $(1+\sqrt{2})^2$ などを計算するよりは、だいぶ楽ですね。今の場合、2乗の計算は大変ですが、和と差はきれいな式になるので、計算が楽になるんですね。
この $x^2-y^2$ の場合は、単体で入試問題に出ることはほとんどありませんが、何かを計算している途中で使う場面がよくあります。正直に2乗するよりも、和と差の積を計算するほうが楽になる場合が多いので、使いこなせるようにしておきましょう。
おわりに
ここでは、因数分解を使って、式の値を求める問題を見てきました。直接代入して計算する前に、因数分解をして計算が簡単になるか考えるようにしましょう。