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【標準】線や三角形の個数

ここでは、円周上に等間隔に点をとり、その点を結んで線や三角形がいくつできるか、という問題を考えます。組合せの観点で問題を解くことができます。

📘 目次

線や三角形の個数

例題1
図のように円周上に等間隔に6つの点をとり、点 A, B, C, D, E, F と名前を付ける。

このとき、以下のような図形の個数を求めなさい。
(1) 両端が、この6点のどれかとなっている線分。
(2) すべての頂点が、この6点のどれかとなっている三角形。

(1)であれば、線分ABや線分CFなど、(2)であれば、三角形ABCや三角形BDFなどが条件にあてはまります。これらの個数を数える、ということですね。

もちろん、アルファベット順に書き出すことも可能です。ただ、それは面倒です。もっと楽に数える方法を考えましょう。

「線分の数を数える」の見方を少し変えてみましょう。線を引くときには、2つの点を選びますよね。逆に、2つの点を結べば、線分が出来上がります。線分が違えば2つの点は違うし、2つの点の選び方が違えばできる線分も違います。ということは、「線分」と「2つの点(両端の点)」は、それぞれ対応することがわかります。

 線分AB ⇔ 点A・点B
 線分CF ⇔ 点C・点F

という具合ですね。このことから、「線分の数を数えるには、6つの点から2つの点の選び方を数えればいい」ということがわかります。「線分」と「2つの点」はそれぞれ対応するのだから、「2つの点の選び方」を数えれば、線分の数を数えたことになるんですね。

6つの異なるものから2つを選ぶ、というのは、組合せの問題です。【標準】組合せで見たように、 ${}_6 \mathrm{ C }_2$ 通りです。よって線分は
\begin{eqnarray} {}_6 \mathrm{ C }_2 =\frac{6\cdot 5}{2\cdot 1}=15 \end{eqnarray}本となります。

(2)の三角形も同様です。「三角形」と「3つの点(頂点)」がそれぞれ対応します。

 三角形ABC ⇔ 点A・点B・点C
 三角形BDF ⇔ 点B・点D・点F

これから、三角形の個数を数えるには、6つの点から3つの点の選び方を数えればいい、ということがわかります。よって、三角形の個数は
\begin{eqnarray} {}_6 \mathrm{ C }_3 =\frac{6\cdot 5\cdot 4}{3\cdot 2\cdot 1}=20 \end{eqnarray}個となります。

線や三角形の個数(一般の場合)

例題2
円周上に等間隔に n 個の点をとり、点 $P_1$, $P_2$, $\cdots$, $P_n$ と名前を付ける。ここで、 n は3以上の整数とする。
このとき、以下のような図形の個数を求めなさい。
(1) 両端が、この n 個の点のどれかとなっている線分。
(2) すべての頂点が、この n 個の点のどれかとなっている三角形。

先ほどと考え方は同じです。線分や三角形の個数を直接数えるのではなく、点の選び方の話に変換して数えます。

(1)は n 個の点から2点選ぶ選び方に対応するので、個数は
\begin{eqnarray} {}_n \mathrm{ C }_2 = \frac{n(n-1)}{2} \end{eqnarray}となります。

(2)は n 個の点から2点選ぶ選び方に対応するので、個数は
\begin{eqnarray} {}_n \mathrm{ C }_3 = \frac{n(n-1)(n-2)}{6} \end{eqnarray}となります。

対角線の本数

ここまでの考え方を応用すると、正 $n$ 角形の対角線の本数を求めることもできます。

上の例題では、線分の数を数えました。例題の n 個の点を、「正 n 角形」に置き換えると、例題で考えた線分は、辺と対角線の2種類に分かれます。辺の本数は n 本なので、対角線の本数は
\begin{eqnarray} \frac{n(n-1)}{2} -n &=& \frac{n^2-n-2n}{2} \\[5pt] &=& \frac{n(n-3)}{2} \end{eqnarray}本となります。

なお、対角線の本数は、次のようにしても求めることができます。 n 個の各頂点に対し、対角線を引くことができる頂点は、自分自身と自分の両隣を除いた $n-3$ 個あります。ただ、この数え方では、同じ対角線をそれぞれ2回ダブって数えていることになる(例えば、対角線 AB というものがあれば、 A から B に引いたときと、 B から A に引いたときの2回数えている)ので、対角線の本数は
\begin{eqnarray} n\times(n-3)\div2=\frac{n(n-3)}{2} \end{eqnarray}と出すこともできます。

おわりに

ここでは、円周上に等間隔にとった点を結んでできる、線分や三角形の個数を数えました。直接数えるのではなく、点から2点や3点を選ぶ方法に置き換えて数えると、簡単になりました。このように、見方を変えて数える方法もあるので、ぜひマスターしましょう。

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