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【標準】「少なくとも」の条件が付いた集合の要素数

ここでは、「少なくとも1つ含む集合の要素数」というように、「少なくとも」という条件が付いた要素の個数を求める問題を考えます。

📘 目次

「少なくとも」の条件が付いた要素の個数

例題
3桁の自然数の中で、各位の少なくとも1つが7以下となっているものはいくつあるか答えなさい。

3桁の自然数ということは、100から999までの900個ということですね。「各位の少なくとも1つが7以下」のものは、例えば、100や777や987などいろいろあります。

まずは、場合分けをして考えてみましょう。百の位が1なら、十の位と一の位は何でもいいので、100個あります。百の位が2から7の数字も同様に、条件を満たすものはそれぞれ100個ずつあります。

百の位が8かの場合は、十の位か一の位のどちらかが7以下になっていないといけません。十の位が0から7なら(1から7じゃないですよ!)、一の位は何でもいいので、それぞれ10個ずつあります。十の位が8か9なら、一の位は0から7のどれかなので、それぞれ8個ずつです。

結局、次のようになります。

  • 百の位が1から7のもの ⇒ それぞれ100個
  • 百の位が8か9のもの
    • 十の位が0から7のもの ⇒ それぞれ10個
    • 十の位が8か9のもの ⇒ それぞれ8個

よって、すべての個数は
\begin{eqnarray} & & 7\times 100 +2\times(8\times 10+2\times 8) \\ &=& 700+2\times 96 \\ &=& 892 \\ \end{eqnarray}と求められます。

たくさん場合分けが必要で、大変でしたね。この結果をよく見ると、ほとんどの数字が該当していることがわかります。3桁の数字は全部で900個あるので、除外されているのは8個だけですね。

ここで、条件を満たさないものを考えてみましょう。「各位の少なくとも1つが7以下となっているもの」ではない数字とは、どんな数字でしょうか。それは、「各位のすべてが8以上」の数字ですね。「少なくとも1つが7以下」や「7以下のものがある」の否定は、「すべて8以上」となります。【基本】「すべての」「ある」の否定で見た内容です。

「各位のすべてが8以上」というのは、数えやすいですね。百の位が8か9、十の位も8か9、一の位も8か9です。888, 889, 898, 899, 988, 989, 998, 999 の8通りしかありません。書き出さずに、 $2\times 2\times 2=8$ と数えることもできます。この結果から、\[ 900-8=892 \]と求めることができます。

このように、「少なくとも」という条件がついた集合の要素を数えるときには、「そうでないもの」を数えると簡単になる場合があります【基本】補集合の要素の個数【標準】補集合の要素の個数で見たように、補集合の要素数を数えるということですね。

おわりに

ここでは、「少なくとも」という条件のついた集合の要素を数える問題を見ました。

「割り切れないもの」というように「〇〇でないもの」という条件なら「補集合を考えるのではないか」という発想は思いつきやすいですが、「少なくとも」という条件だと思いつきにくいですね。

補集合を使うと必ず数えやすくなるというわけではないですが、直接数えにくい場合にはよく試す方法です。もちろん、正しく「否定」を使う必要があるので、【基本】「すべての」「ある」の否定で見た内容も復習しておきましょう。

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