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【基本】集合の要素の個数

ここでは、集合の要素の個数を数える問題を考えて行きます。「倍数の個数を数える」という、基本的な問題を扱います。

なお、集合については、集合を参照してください。

📘 目次

集合の要素の個数を表す記号

これから集合の要素の個数を数える問題を扱っていきます。その際、集合 A に対して「集合 A の要素の個数」と毎回書くのは大変です。そのため、 $n(A)$ と表します。この n は number の頭文字です。

集合の要素が有限個の場合、その集合を有限集合といいます。要素の数は、上で紹介した記号で表します。要素が無限個ある場合は無限集合といいます。また、空集合の場合、要素が何もないので $n(\varnothing)=0$ となります。

倍数の個数を数える

次の例題を考えてみましょう。いくつか書き出して考えてみると、間違えずに数えやすくなります。

例題
(1) 1から100までの自然数のうち、2で割り切れる数は何個あるか
(2) 1から100までの自然数のうち、3で割り切れる数は何個あるか
(3) 3桁の自然数のうち、3で割り切れる数は何個あるか
(4) 101から300までの自然数のうち、3で割り切れる数は何個あるか

(1)は簡単ですね。2, 4, 6, …と続き、最後は 96, 98, 100 となります。2つに1つの割合で割り切れるので\[ 100\div 2=50 \]から「50個」とわかります。

(2)も同様に考えると $100\div3$ を計算すればいいんだな、と予想できますが、今度は割り切れません。「33 あまり 1」となります。こういう場合はどうすればいいんでしょうか。

少し書き出してみましょう。倍数なので「3×〇」という形で書けますが、こう書くとわかりやすくなります。\[ 3\times1,\ 3\times2,\ 3\times3,\ \cdots \]割り算の答えから最後はこうなります。\[ \cdots,\ 3\times31,\ 3\times32,\ 3\times33 \]この「×」の後を見ると、1から33までを数えればいいことがわかるので、「33個」だと求められます。

続いて(3)です。3桁ということは、100以上999以下ということですね。 $100\div3$ の整数部分が33であることから、100以上の自然数の中で3で割り切れる一番小さい数字は $3\times34$ であることがわかります。また、 $999\div3=333$ なので、該当するものを並べると次のようになります。\[ 3\times34,\ 3\times35,\ \cdots,\ 3\times332,\ 3\times333 \]つまり、34から333までの自然数の個数と一致します。これは、「1から333」のうち「1から33」がないと考えれば\[ 333-33=300 \]と計算すればいいことがわかるので、「300個」と求められます。

最後に(4)です。これも今までと同じように書き出してみると\[ 3\times34,\ 3\times35,\ \cdots,\ 3\times99,\ 3\times100 \]から\[ 100-33=67 \]となり、「67個」と求められます。

(1)と(4)の解き方を比較してみましょう。(1)は「2つに1つの割合だから2で割ればいい」と考えました。この発想で(4)を解いてみると、「3つに1つの割合なので、 $200\div3=66.6\cdots$ という結果から、66個」と答えてしまうかもしれません。しかし、上のように書き出してみるとわかる通り、これは間違いです。割り算で出せるのは余りが出ないときです。余りが出るときは、求めたいものと1個ズレることがあるので要注意です。

書き出すとどうなるかを考えるようにしましょう。数える問題では1個でも数え間違えると不正解です。特に、初めて見るタイプの問題は、書き出すとどうなるかを考えるようにしましょう。

おわりに

ここでは、倍数の数を数える問題を通じて、集合の要素の数を数える問題を見てきました。全部を書き出さなくても、最初と最後を書き出すだけでも間違いが防げるので、慣れるまでは書き出して考えるようにしましょう。

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