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【標準】条件のついた並べ方(隣り合う場合)

ここでは、2つが隣り合う並び方が何通りあるか、という問題を考えていきます。

📘 目次

2つが隣り合う並び方

例題1
A, B, C, D, E の5人全員が一列に並ぶとき、A と B が隣り合う並び方は何通りあるか。

「隣り合う並び方が何通りあるか」を樹形図で考えるのは、なかなか難しいです。A が1番目のときは B は2番目になり、B が1番目のときは A が2番目になります。しかし、C が1番目のときは2番目は誰でもよくなるものの、2番目が A・B かそれ以外かによって、3番目の並び方が変わってきます。樹形図でそのまま書き出そうとすると、ごちゃごちゃしてしまいます。

そこで、ダブりがないように場合を分けて考えてみます。A と B に関する条件があるので、A がどこに並ぶかで場合分けをしてみましょう。

A が1番目のとき、B は2番目
A が2番目のとき、B は1番目か3番目
A が3番目のとき、B は2番目か4番目
A が4番目のとき、B は3番目か5番目
A が5番目のとき、B は4番目

そして、他の3人は、あいている3か所に並ぶことになります。

この5つの並び方にはモレもダブりもないので、それぞれのケースを足せば答えになります。よって、A 以外の4人の並び方を計算して
\begin{eqnarray} & & 1 \times {}_3 \mathrm{ P }_3 \\ & & + 2 \times {}_3 \mathrm{ P }_3 \\ & & + 2 \times {}_3 \mathrm{ P }_3 \\ & & + 2 \times {}_3 \mathrm{ P }_3 \\ & & + 1 \times {}_3 \mathrm{ P }_3 \\[5pt] &=& 6 +12 +12 +12 +6 \\[5pt] &=& 48 \\[5pt] \end{eqnarray}通り、と求められます。

少し面倒ですね。もっと簡単に求める方法を考えてみましょう。

【標準】条件のついた並べ方(部分的に固定)では、「条件を最後に考える」という数え方を見ました。これを、この問題で使ってみます。

まず、B 以外の4人を並べます。そして、最後に B を A の隣に並べます。すると、自動的に「A と B が隣り合う」ことになります。

B 以外の4人の並び方は ${}_4 \mathrm{ P }_4$ 通りです。そして、B が A の前に並ぶか後に並ぶか2通りあります。こうして求めた並び方には、モレもダブりもありません。よって\[ {}_4 \mathrm{ P }_4 \times 2=48 \]通り、と求めることができます。

2つ目の出し方のほうが、場合分けもなくなり、求めやすくなりました。この方法は、「最後に B を並べる」という求め方でしたが、少し見方を変え、「はじめから A と B をセットにしておく」という考え方でも、実質同じになります。A と B を、最後にくっつけるか、はじめにくっつけるか、だけの違いです。

「A と B が隣り合うケースを考えるんだから、はじめから2人をセットにしておこう」と考えると、

 2人セット、C, D, E

を一列に並べることになります。そして、「2人」のところを、「A・B」とするか「B・A」とする、と考えます。2人を1列に並べる方法ですね。

4つを並べ(2人セット1つと3人)、その並び方のそれぞれに2人の並べ方があるので、両者を掛けると答えになります。よって\[ {}_4 \mathrm{ P }_4 \times {}_2 \mathrm{ P }_2=48 \]通りとなります。

3つが続く並び方

このように、「隣り合う場合の数は、はじめからセットにして数える」という方法が役立つことがあります。例えば、上の例題に関して、次のような例題も考えてみましょう。

例題2
A, B, C, D, E の5人全員が一列に並ぶとき、A, B, C の3人が隣り合う並び方は何通りあるか。(A, B, C はこの順に並んでいなくてもよい)

これだと、はじめに求めたような「場合分け」では、場合分けの数が多くて大変になってしまいます。A が3番目のときに、B・C がどう並ぶかを考えるとわかりますね。ケースが多すぎです。

しかし、A, B, C 3人をセットとして考え、
 3人セット、D、E
を並べてから、「3人のところを、A, B, C を一列に並べたもので置き換える」と考えれば\[ {}_3 \mathrm{ P }_3 \times {}_3 \mathrm{ P }_3 = 36 \]通り、と求められます。考え方は少し難しいものの、計算自体はかなり楽になります。

おわりに

ここでは、隣り合う場合の数を求める問題を見ました。「隣り合う部分をセットでまとめてから並べたあと、最後にセットした中で並べる」という出し方だと、求めやすくなることが多いです。覚えておきましょう。

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