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【標準】法線ベクトルと2直線のなす角

ここでは、法線ベクトルを使って、2直線のなす角を求める方法を見ていきます。

📘 目次

法線ベクトルと2直線のなす角

【標準】法線ベクトルで見たように、直線の方程式を見れば、それに垂直なベクトル(法線ベクトル)は簡単に求められます。 $ax+by+c=0$ の法線ベクトルは $\vec{n}=(a,b)$ となるんでしたね。

このことを使って、次の問題を考えてみましょう。

例題
2直線 $x+\sqrt{3}y-1=0$, $\sqrt{3}x-3y+2=0$ のなす角 $\theta$ を求めなさい。ただし、 $0^{\circ}\leqq \theta \leqq 90^{\circ}$ とする。

直線の方程式が分かっているので、これらの法線ベクトルはすぐにわかります。それぞれ $\vec{m}$, $\vec{n}$ とすると\[ \vec{m}=(1,\sqrt{3}), \ \vec{n}=(\sqrt{3},-3) \]となります。

2直線の交点を中心として、2直線を $90^{\circ}$ 回転すれば、回転後の2直線はそれぞれの法線ベクトルと平行になります。そのため、法線ベクトルのなす角を調べれば、2つの直線のなす角も求められることがわかります。

また、2つのベクトルのなす角は、【基本】ベクトルの内積となす角で見た通り、内積と絶対値から求められます。 $\vec{m}$, $\vec{n}$ のなす角を $\alpha$ とすると
\begin{eqnarray} \cos\alpha &=& \frac{\vec{m}\cdot\vec{n} }{|\vec{m}||\vec{n}|} \\[5pt] &=& \frac{1\cdot\sqrt{3}+\sqrt{3}\cdot(-3)}{\sqrt{1+3}\sqrt{3+9} } \\[5pt] &=& \frac{-2\sqrt{3} }{4\sqrt{3} } \\[5pt] &=& -\frac{1}{2} \\[5pt] \end{eqnarray}となるので、 $\alpha=120^{\circ}$ となります。

このことから、 $\vec{m}$, $\vec{n}$ に平行な2つの直線のなす角は、 $60^{\circ}, 120^{\circ}$ となります。2直線 $x+\sqrt{3}y-1=0$, $\sqrt{3}x-3y+2=0$ の交点を中心に2直線を $90^{\circ}$ 回転させれば、この2直線のなす角が $60^{\circ}, 120^{\circ}$ となることもわかります。よって、求める角は、 $60^{\circ}$ となります。これが答えです。

おわりに

ここでは、2直線のなす角を求めるために、法線ベクトルを用いる方法を見ました。直線の方程式から法線ベクトルはすぐにわかります。また、2つの法線ベクトルのなす角は、内積と絶対値から求められます。これらを組み合わせれば、2直線のなす角が求められます。

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