【標準】対数関数と不等式
ここでは、対数関数を含んだ不等式の問題を考えていきます。対数関数が複数含まれているものを考えます。
対数関数を含む不等式
【基本】対数関数と不等式でも見たように、対数関数を含む不等式は、注意しないといけない点がいくつかあるのでしたね。
まずは、真数条件について考えましょう。真数は正なので、左辺から $x\lt 2$ となり、右辺から $x\gt 0$ となることがわかります。よって、\[ 0\lt x \lt 2 \]という条件を満たさないといけないことがわかります。
次に、底について考えましょう。2つの対数の底が異なるので、同じになるように変形します。右辺を、底の変換公式を使って変形すると
\begin{eqnarray}
\log_4 x
&=&
\frac{\log_2 x}{\log_2 4} \\[5pt]
&=&
\frac{1}{2} \log_2 x \\[5pt]
\end{eqnarray}となることがわかります。よって、元の不等式を変形すると
\begin{eqnarray}
\log_2 (2-x) & \geqq & \log_4 x \\[5pt]
\log_2 (2-x) & \geqq & \frac{1}{2} \log_2 x \\[5pt]
2\log_2 (2-x) & \geqq & \log_2 x \\[5pt]
\log_2 (2-x)^2 & \geqq & \log_2 x \\[5pt]
\end{eqnarray}となります。
ここで、底が $1$ より大きいので、\[ (2-x)^2 \geqq x \]を解けばいいことがわかります。底が $1$ より大きいとき、対数の値が大きいほど真数も大きくなるからですね。 $1$ より小さいときは逆になってしまうので、底が $1$ より大きいのか小さいのか、確認する必要があります。
この不等式を解くと
\begin{eqnarray}
(2-x)^2 & \geqq & x \\[5pt]
x^2-4x+4 & \geqq & x \\[5pt]
x^2-5x+4 & \geqq & 0 \\[5pt]
(x-1)(x-4) & \geqq & 0 \\[5pt]
\end{eqnarray}となるので、\[ x\leqq 1, \ x\geqq 4 \]となることがわかります。
先ほど求めていた通り、真数条件から $0\lt x \lt 2$ を満たさないといけないため、最終的に\[ 0\lt x \leqq 1 \]が解であることがわかります。不等式を解いて得られた「 $x\geqq 4$ 」は、真数が負になってしまうので、解には含まれません。
おわりに
ここでは、対数関数を含む不等式について見てきました。真数条件、底が $1$ より大きいか小さいか、これらを忘れずに確認するようにしましょう。