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【標準】整数はいくつできるか

ここでは、数字を並びて整数がいくつできるかを数える、という問題を考えます。「場合の数」の分野ではよく出題される内容です。

📘 目次

3桁の整数はいくつできるか

例題1
(1) 9, 8, 7, 6, 5 の数字を使って3桁の整数を作るとき、整数はいくつできるか。ただし、同じ数字は2度以上使えないとする。
(2) 0, 1, 2, 3, 4 の数字を使って3桁の整数を作るとき、整数はいくつできるか。ただし、同じ数字は2度以上使えないとする。

まずは、(1)を考えてみます。これは、5つの異なるものから3つを選び、1列に並べる方法だと考えることができます。そのため、\[ {}_5 \mathrm{ P }_3 = 5\times 4 \times 3=60 \]個の整数ができることがわかります。似たような問題は、【標準】順列などでも出てきましたね。並べるものが違いますが、同じように考えれば解けます。

続いて(2)ですが、これは(1)と何が違うのでしょうか。注意しなければいけないのは、0 の扱いです。1列に並べたときに、「012」などという数字は3桁の整数とは言いません。なので、0 から始まるものを除かないといけないんですね。

何も考えずに並べると、(1)と同様に ${}_5 \mathrm{ P }_3$ 個となります。ただ、この中から、百の位が 0 になっているものを除く必要があります。百の位が 0 となっているものは、十の位と一の位の選び方の総数が ${}_4 \mathrm{ P }_2$ なので、\[ {}_5 \mathrm{ P }_3 -{}_4 \mathrm{ P }_2 = 60-12=48 \]個となります。

また、次のように考えることもできます。まず、百の位の選び方が、0以外の4通り、それぞれに対して十の位の選び方が4通り(百の位で使った数字以外なので)、そして、そのそれぞれに対して一の位の選び方が3通り(百の位・十の位で使った数字以外なので)。以上から\[ 4\times 4\times 3 =48 \]個となります。樹形図でかいたときに、同じものをまとめて数えていることになります。

「あとで不要なものを引く」という求め方でも、「まとめて数える」という求め方でも構いません。一番上の位が 0 にならないように注意して数えましょう。

3桁の整数はいくつできるか、その2

例題2
0, 1, 2, 3, 4 の数字を使って3桁の整数を作るとき、次のような整数はいくつできるか。ただし、同じ数字は2度以上使えないとする。
(1) 3桁の奇数
(2) 3桁の偶数

先ほどと同じように百の位から考えていくと失敗します。百の位は0以外の3通りで、十の位は3通りですが、一の位は1か3の2通り、というわけにはいきません。というのも、一の位を考えるときに、すでに百の位や十の位で1や3を使っている可能性があるからです。つまり、これは次のように数えていることになってしまうんですね。

 121
 123
 131
 133
 141
 143

百の位が1の場合だけを書いてみました。もし、「十の位が3通りで、一の位が1か3の2通り」と数えてしまうと、上のように「121」や「133」が入ってしまうんですね。これはダメです。では、後でダブっているものを引いていけばいいのでしょうか。しかし、百の位や十の位で1か3を使っている場合を引く、という方法は、結構大変です。

実は、数えるときに重要なポイントがあります。それは、「制限の強いところから考える」ということです。「奇数」とは一の位に関する条件なので、一の位を一番最後に考えてしまうとうまくいかず、たくさん場合分けをしなければいけなくなってしまいます。

そこで、まずは一の位から考えましょう。一の位は、1か3のどちらかしかありません。2通りです。次は百の位と十の位がありますが、百の位から考えます。なぜなら、百の位は「0になれない」という条件があるからです。制限が強いところから数えた方がいいんでしたね。百の位は、一の位とも0とも違う数字なので、3通りです。十の位は、残った3つの数字から選ぶので3通り。結果的に\[ 2\times 3\times 3=18 \]個となります。

同じようにして、(2)を考えてみましょう。一の位は「0か2か4」という制限があり、百の位は「0以外」、十の位は「なんでもいい」ので、制限の強さはこの順番です。この順で考えていきます。

一の位は3通りですね。続いて百の位は、一の位と0を除いた3通り、と行きたいところですが、そうはいきません。一の位が2や4の場合は百の位は3通りとなりますが、もし一の位が0なら、百の位は残っている4つの数字ならどれでもOKとなります。状況が違うので場合分けが必要です。

一の位が2か4の場合、百の位は、一の位と0を除いた3通り、十の位は残りの3つの数字から選ぶので3通り、となります。一方、一の位が0の場合、百の位は、残っている4つの数字のどれでもいいので4通り、十の位は3通り。以上から\[ 2\times 3\times 3 + 1\times 4 \times 3=18+12=30 \]個、となります。

当然ですが、(1)と(2)をあわせると48個となり、例題1(2)の結果と一致します。

おわりに

ここでは、整数が何個作れるか、という問題を見てきました。「制限の強いところから考える」というのは、よくやる手法です。その点を意識して、数えるようにしましょう。

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