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【標準】二重根号の外し方

【基本】二重根号の外し方で、簡単な場合の二重根号の外し方を紹介しました。

例えば、$\sqrt{4+2\sqrt{3} }$ の場合は、「足して4、掛けて3」の組み合わせを考えます。そうすると、$3,1$という組み合わせが見つかるので、$\sqrt{4+2\sqrt{3} } = \sqrt{3}+1$ となります。

このページでは、もう少し難しい場合の「二重根号の外し方」を紹介します。

📘 目次

二重根号を外すときに変形が必要な場合その1

例題1
次の式の二重根号を外して、簡単にしなさい。\[ \sqrt{6+4\sqrt{2} } \]

冒頭で書いたことと同じようにして「足して6、掛けて2の組み合わせを見つければいいんだな」とやってはいけません。二重根号を外すときのキーとなる式は、次の式変形でしたね。\[ (\sqrt{p} +\sqrt{q})^2 = (p+q) +2\sqrt{pq} \]この式変形があるから、 $\sqrt{(p+q) +2\sqrt{pq} } = \sqrt{p} +\sqrt{q}$ とできるのでした。 $\sqrt{pq}$ の前にあるのは $2$ なので、これと同じ形に変形してからでないといけません。

今回は、 $4=2\times2$ として、片方の $2$ を無理やり $\sqrt{2}$ の中に入れます。つまり、次のように式変形をします。
\begin{eqnarray} \sqrt{6+4\sqrt{2} } &=& \sqrt{6+2\sqrt{4\times 2} }\\ &=& \sqrt{6+2\sqrt{8} }\\ \end{eqnarray}この状態にしてから、組合せを考える必要があります。「足して6、掛けて8」なので、$4,2$の組み合わせですね。このことから、\[ \sqrt{6+4\sqrt{2} } = 2+\sqrt{2} \]となります。なお、これは【導入】二重根号についてで出てきた例です。

二重根号を外すときに変形が必要な場合その2

例題2
次の式の二重根号を外して、簡単にしなさい。\[ \sqrt{4-\sqrt{15} } \]

これも、 $\sqrt{15}$ の前が $2$ ではありません。なので、無理やり作り出す必要があります。といっても、今回は先ほどと違って難易度が高いですね。「無いところから2を生み出す」ために、「2で割って2を掛ける」という必殺技を使います。
\begin{eqnarray} \sqrt{4-\sqrt{15} } &=& \frac{2\sqrt{4-\sqrt{15} }}{2} \\[5pt] &=& \frac{\sqrt{16-4\sqrt{15} }}{2} \\[5pt] &=& \frac{\sqrt{16-2\sqrt{60} }}{2} \\[5pt] \end{eqnarray}1行目で「2で割って2を掛ける」、2行目で「2をルートの中に入れる」、3行目で「2をさらに内側のルートに入れる」という計算をしています。これは難しいですね。

ただ、ここまで来れば、後は他の問題と同様です。「足して16、掛けて60」となるものを探せばよく、$10,6$ の組み合わせであることが分かります。答えが正になるように注意して、\[ \sqrt{4-\sqrt{15} } = \frac{ \sqrt{10} -\sqrt{6} }{2} \]となります。

おわりに

ここでは、二重根号を外す前に、式変形が必要なものを見てきました。ここまでのことをまとめておきましょう。

二重根号の外し方
$\sqrt{ \bigcirc +2\sqrt{\triangle} }$ や $\sqrt{ \bigcirc -2\sqrt{\triangle} }$ は、足して○、掛けて△となる数字 $p,q \ (p \gt q \gt 0)$ を見つけて、次のように変形する。
\begin{eqnarray} \sqrt{ \bigcirc +2\sqrt{\triangle} } = \sqrt{p}+\sqrt{q} \\ \sqrt{ \bigcirc -2\sqrt{\triangle} } = \sqrt{p}-\sqrt{q} \end{eqnarray} $\sqrt{\triangle}$ の前が $2$ でないときは、無理やり $2$ が出てくるように変形してから計算する。

$\sqrt{\triangle}$ の前が $2$ でないときは、式変形が必要です。偶数のときは、2以外の部分を内側のルートに入れる必要があります。奇数のときは、「2で割って2を掛ける」という変形が必要です。 $\sqrt{\triangle}$ の前が $2$ になるように変形した後は、和と積の条件から数字のペアを見つけることになります。

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