【標準】平方完成のやり方
【標準】二次関数y=ax^2+bx+cのグラフ(具体例)では、二次関数のグラフをかくために、頂点の座標を求める必要があり、そのためには平方完成を行わなければいけない、ということをみました。ここでは、この平方完成のやり方をもう少し詳しく見ていきます。
例1
まずは、二次式 $x^2+4x+5$ を平方完成することを考えます。平方完成とは $a(x-p)^2+q$ の形に変形することでした(参考:【標準】二次関数y=ax^2+bx+cのグラフ(具体例))。こうすることで、x の項が消え、二次関数のグラフの頂点が $(p,q)$ になることがわかるのでしたね。
符号はちょっと置いといて、最終的に $(x+\bigcirc)^2$ の部分が作れればいいんですね。これを展開すると $x^2 +2\bigcirc x+\bigcirc ^2$ が出てきます。今の場合、この $2\bigcirc x$ の部分が $+4x$ になるのだから、 $\bigcirc=2$ だとわかります。
このことを踏まえて次のように式変形をします。
\begin{eqnarray}
x^2+4x+5
&=&
(x^2+4x+4)-4+5 \\
&=&
(x+2)^2+1 \\
\end{eqnarray}これで完成です。
上の式変形でもわかったかもしれませんが、 $x^2+\Box x$ という部分があれば $\displaystyle \left( x +\frac{\Box}{2} \right) ^2 -\left( \frac{\Box}{2} \right) ^2$ に置き換えればいいんですね。実際、展開すると元に戻ります。しかも、x の係数の部分も見かけ上消えてくれます。
xの係数を2で割ったものを考えればいい、ということがわかります。あとは定数項の部分を計算していくだけです。
例2
$x^2$ の係数が $1$ でない例も見てみます。二次式 $-2x^2+3x-1$ の平方完成をしてみます。まず $x^2$ の係数で x までをくくります。
\begin{eqnarray}
-2x^2+3x-1
&=&
-2\left( x^2-\frac{3}{2}x \right) -1 \\
\end{eqnarray}
カッコの中の平方完成は、先ほどと同様にできます。 x の部分がうまく消えるように、 x の係数を2で割ったものを考えればいいんでしたね。
\begin{eqnarray}
& &
-2\left( x^2-\frac{3}{2}x \right) -1 \\
&=&
-2\left\{ x^2-\frac{3}{2}x +\left(\frac{3}{4}\right)^2 -\left(\frac{3}{4}\right)^2 \right\} -1 \\
&=&
-2\left\{ \left(x-\frac{3}{4} \right)^2 -\frac{9}{16} \right\} -1 \\
&=&
-2 \left( x-\frac{3}{4} \right)^2 +\frac{9}{8} -1 \\
&=&
-2 \left( x-\frac{3}{4} \right)^2 +\frac{1}{8} \\
\end{eqnarray}これで完成です。分数だとごちゃごちゃしてきますが、慣れるようにしましょう。
出てきた計算が不安な場合は、展開して元に戻るか確認してみましょう。
おわりに
ここでは、平方完成のやり方を見てきました。もう一度、二次式の平方完成のやり方をまとめておきましょう。
- $x^2$ の係数で、x の係数までをくくる
- くくったところが $(x+\bigcirc)^2 -\bigcirc ^2$ となるように変形する
- 定数項を計算する
ここで、 $\bigcirc$ は xの係数を2で割ったものになります。この変形ができれば、どんな二次関数が来ても頂点がわかるようになり、グラフもかけるようになります。この式変形は頻繁に出てくるので、よく練習しましょう。
次はこの式変形を抽象的なケースでもう一度見ていくことにします。【標準】二次関数y=ax^2+bx+cのグラフの頂点に進みましょう。