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【標準】等差数列

ここでは、等差数列に関する例題をいくつか見ていきます。

📘 目次

等差数列の一部から一般項を求める

例題1
第5項が $105$ で、第10項が $85$ の等差数列 $\{a_n\}$ がある。
(1) この数列の一般項を求めなさい。
(2) $53$ は第何項か、求めなさい。
(3) 初めて負になるのは第何項か、求めなさい。

この例題のように、等差数列の一部分だけが分かっている、という設定の問題はよく出題されます。【基本】等差数列で見たように、初項と公差を求めてから、一般項を求めるようにしましょう。

初項を a とし、公差を d とします。すると、一般項は $a_n=a+(n-1)d$ と書くことができます。

条件より、 $a_5=105$, $a_{10}=85$ なので
\begin{eqnarray} a+4d &=& 105 \\[5pt] a+9d &=& 85 \end{eqnarray}となります。 d の前は、 n ではなく、 $(n-1)$ である点に注意しましょう。

2つ目の式から1つ目の式を引けば、 $5d=-20$ が得られるので、 $d=-4$ となります。これを1つ目の式に代入すれば $a=121$ となります。よって、一般項は
\begin{eqnarray} a_n=121-4(n-1)=-4n+125 \end{eqnarray}となります。これが(1)の答えです。

一般項が分かれば、(2)は代入して計算するだけです。
\begin{eqnarray} -4n+125 &=& 53 \\[5pt] 4n &=& 72 \\[5pt] n &=& 18 \\[5pt] \end{eqnarray}なので、第18項だとわかります。

また、(3)は一次不等式を解けば求められます。
\begin{eqnarray} -4n+125 & \lt & 0 \\[5pt] -4n & \lt & -125 \\[5pt] n & \gt & \frac{125}{4} \\[5pt] \end{eqnarray}となり、 $\dfrac{125}{4}=31.25$ なので、これを満たす最小の n は32となります。よって、第32項だとわかります。

実際、第31項は $1$ で、第32項は $-3$ となることが、一般項からわかります。

等差数列の一般項は、初項と公差があればわかるので、まずはこれらを求める、という方針で考えるのが基本です。

項数が3の等差数列

例題2
数列 $a,9,2a$ が等差数列であるとき、 a の値を求めなさい。

項が3つしかない等差数列、というのも、たまに出題されます。先ほどの例題と同じように、初項と公差を求めればよさそうですが、わかっている数字は $9$ だけです。わからないものが2つなのに、わかっているものが1つだけ。この状況で本当に解けるんでしょうか。

実は、等差数列である、という条件がとても強いんですね。公差を d とすると、初項と第2項の関係から\[ 9-a=d \]が得られます。また、第2項と第3項の関係から\[ 2a-9=d \]がわかります。2つの式を合わせれば\[ 9-a=2a-9 \]となります。公差は消え、初項だけの式になりました。これを解けば、\[ a=6 \]が得られ、もとの数列は\[ 6,\ 9,\ 12 \]という数列だったんだな、とわかるわけですね。 $a=6$ が答えとなります。

一般に、数列 $a,b,c$ が等差数列であるとき、初項と第2項、第2項と第3項の差が等しいことから\[ b-a=c-b \]が成り立ちます。これより、\[ 2b=a+c \]が成り立ちます。 b を基準に考えれば、1つ前は d だけ少なく、1つ後は d だけ多くなります。よって、前後を足せば、真ん中の2倍になります。

よく考えればわかることですが、大学入試などで時々使うことがあります。

おわりに

ここでは、等差数列に関連する問題を取り上げました。基本的には、初項と公差を求めて一般項を求める、という方針で解くことができます。

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