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【基本】数列

ここでは、「数列」とは何か、どんなことを学ぶのか、を見ていきます。また、基本的な用語についても説明していきます。

📘 目次

数列

数列(numerical sequence) とは、数を一列に並べたものです。文字の通りです。例えば、次は数列の一例です。\[ 1,2,4,5,10,20 \]これは $20$ という数の正の約数を、小さいものから並べたものです。この例では6つの数字が並んでいますが、永遠に列が続いていく数列というのもあります。例えば、正の奇数を小さい方から並べると\[ 1,3,5,7,9,11,\cdots \]となりますが、これも数列の一例です。

「数列」という分野では、あるルールに沿って数字が並んでいる場合に、「次はどんな数が来るかな」とか、「100番目はどんな数になっているかな」などということを考えていきます。

規則性に関する問題は、パズルやクイズとして日ごろ目にすることもあるかもしれませんが、数学で扱う「数列」には、クイズ的な要素はありません。「3ずつ増えていく」とか「2倍ずつ増えていく」とか「-2倍して1足す、という操作が繰り返されている」といったものを扱っていきます。

数列は、数を並べたものなので、何番目の数字かを言いたいことも出てきます。数列の世界では、並んでいる各数字を(term) といい、 n 番目の項のことをn と言います。例えば、\[ 1,2,4,5,10,20 \]という数列であれば、第3項は $4$ で、第5項は $10$ となります。

また、はじめと終わりの項には特別な名前がついています。最初の項、つまり、第1項のことを初項といいます。最後の項は、末項といいます。先ほどの数列の場合、初項は $1$ で、末項は $20$ となります。

有限数列と無限数列

項の数が有限個のものを、有限数列といいます。一方、列がずっと続いて、終わりのない数列のことを、無限数列といいます。冒頭の例で言うと、20の約数を並べたものは有限数列、奇数を並べたものは無限数列です。

どちらの数列にも初項はありますが、末項があるのは有限数列だけです。

数列の表し方

一般的な話をする場合、通常は文字を使います。例えば、一般的な数のことを話したい場合は、 xa といった文字を使います。また、一般的な関数を話題にしたいときは、 $f(x)$, $g(x)$ というような書き方をします。

数列の場合、数がたくさん並んでいるので、それぞれの項を一つ一つ文字で表すのは大変です。ですので、数列の場合は、次のように書くことが一般的です。\[ a_1,\ a_2,\ a_3, \ \cdots ,\ a_n,\ \cdots \]右下に数字を書くことで、何番目の数字なのかを表している、ということです。また、上の表記を略して $\{a_n\}$ と書くこともあります。

一般項

数列 $\{a_n\}$ の第 n 項 $a_n$ を n を使った式で表せる場合、その式を数列 $\{a_n\}$ の一般項といいます。

例えば、 $2n-1$ という式に、 $n=1,2,3,\cdots$ と代入してみましょう。すると、 $1,3,5,\cdots$ というように、正の奇数が得られます。そのため、正の奇数を小さい順から並べた数列を $\{a_n\}$ とすると、 $a_n$ の一般項は\[ a_n=2n-1 \]である、といえます。

数列の分野では、数列の持つ規則性から、その数列の一般項を求める、という場面がよく出てきます。どのようにして一般項を求めていくかは、これから学習を進めていく上で見ていくことになります。

なお、 20の約数を n を使ってきれいに表すのは難しいです。一般項が求められるかどうかは、数列によって変わってきます。

一般項から数列の一部を求めてみよう

最後に、一般項から、数列の一部を求めてみましょう。

数列 $\{b_n\}$ の一般項が $b_n=3n-2$ の場合、数列 $\{b_n\}$ の初項から第3項までを求めてみましょう。といっても、代入するだけです。
\begin{eqnarray} b_1 &=& 3\times 1 -2 =1 \\[5pt] b_2 &=& 3\times 2 -2 =4 \\[5pt] b_3 &=& 3\times 3 -2 =7 \\[5pt] \end{eqnarray}となります。3ずつ増えてますね。

数列 $\{c_n\}$ の一般項が $c_n=2^n$ の場合なら
\begin{eqnarray} c_1 &=& 2^1 =2 \\[5pt] c_2 &=& 2^2 =4 \\[5pt] c_3 &=& 2^3 =8 \\[5pt] \end{eqnarray}となります。2倍ずつ増えています。

数列 $\{d_n\}$ の一般項が $d_n=(-1)^n$ の場合なら、
\begin{eqnarray} d_1 &=& (-1)^1 =-1 \\[5pt] d_2 &=& (-1)^2 =1 \\[5pt] d_3 &=& (-1)^3 =-1 \\[5pt] \end{eqnarray}となります。

いずれも、 n のところに代入して計算すると求められます。

おわりに

ここでは、数列に関する基本的な事項をまとめました。これから、簡単な数列を扱いながら、一般項の求め方などを見ていくことになります。

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