【標準】2曲線間の面積と積分
ここでは、直線や曲線で囲まれた部分の面積を、積分を使って求める方法を見ていきます。【基本】2曲線間の面積と積分の具体的な計算例を見ていきます。
直線と放物線の間の面積
【基本】2曲線間の面積と積分で見たように、上から下を引いて、左から右まで積分をすれば求められます。まずは、グラフをかいて考えていきましょう。
直線と放物線の交点の x 座標は
\begin{eqnarray}
x+3 &=& 2x^2-3x-3 \\[5pt]
2x^2-3x-3-x-3 &=& 0 \\[5pt]
2x^2-4x-6 &=& 0 \\[5pt]
2(x-3)(x+1) &=& 0 \\[5pt]
x &=& 3,-1 \\[5pt]
\end{eqnarray}となります。グラフは次のようになります。
囲まれている部分では、直線の方が上になっています。このことから、次の積分を計算した答えが、求める面積となります。\[ \int_{-1}^3 \{ (x+3)-(2x^2-3x-3) \} dx \]これを計算すると
\begin{eqnarray}
& &
\int_{-1}^3 \{ (x+3)-(2x^2-3x-3) \} dx \\[5pt]
&=&
\int_{-1}^3 (-2x^2+4x+6) dx \\[5pt]
&=&
\left[ -\frac{2}{3}x^3+2x^2+6x \right]_{-1}^3 \\[5pt]
&=&
\left( -\frac{2}{3}\cdot 27+2\cdot 9+6\cdot 3 \right)-\left( \frac{2}{3}+2-6 \right) \\[5pt]
&=&
18+\frac{10}{3} \\[5pt]
&=&
\frac{64}{3} \\[5pt]
\end{eqnarray}と求めることができます。
2つの放物線の間の面積
先ほどと異なり、両方とも放物線になっていますが、求め方は同じです。まずは、交点を求め、グラフをかいて、上下関係を把握します。
交点の x 座標は
\begin{eqnarray}
x^2 &=& -x^2-x+1 \\[5pt]
2x^2+x-1 &=& 0 \\[5pt]
(2x-1)(x+1) &=& 0 \\[5pt]
x &=& \frac{1}{2},-1
\end{eqnarray}となります。グラフは次のようになります。
囲まれている部分では、 $y=-x^2-x+1$ のグラフの方が上になっています。そのため、\[ \int_{-1}^{\frac{1}{2} } \{ (-x^2-x+1)-x^2 \} dx \]を計算すればいいことがわかります。
\begin{eqnarray}
& &
\int_{-1}^{\frac{1}{2} } \{ (-x^2-x+1)-x^2 \} dx \\[5pt]
&=&
\int_{-1}^{\frac{1}{2} } (-2x^2-x+1) dx \\[5pt]
&=&
\left[ -\frac{2}{3}x^3-\frac{1}{2}x^2+x \right]_{-1}^{\frac{1}{2} } \\[5pt]
&=&
\left( -\frac{2}{3}\cdot \frac{1}{8}-\frac{1}{2}\cdot \frac{1}{4}+\frac{1}{2} \right) \\[5pt]
& &
-\left( \frac{2}{3}-\frac{1}{2}-1 \right) \\[5pt]
&=&
\left( -\frac{2}{24}-\frac{1}{8}+\frac{1}{2} \right) +\frac{5}{6} \\[5pt]
&=&
\frac{-2-3+12+20}{24} \\[5pt]
&=&
\frac{27}{24} \\[5pt]
&=&
\frac{9}{8} \\[5pt]
\end{eqnarray}が答えとなります。
おわりに
ここでは、直線と放物線、2つの放物線で囲まれた部分の面積を求める方法を見てきました。グラフをかいて、上から下を引いて積分をすれば求めることができます。
2つの例題を見て分かると思いますが、たくさんの分数の計算が出てきます。また、符号も間違いやすいです。気を付けて計算するようにしましょう。