【発展】二重根号が外せる条件
【基本】二重根号の外し方 や 【標準】二重根号の外し方 で、二重根号の外し方を紹介しました。しかし、二重根号はいつでも外せるわけではありません。ここでは、外せるための条件を考えていきます。なお、「解と係数の関係」に慣れていないと、説明を聞いてもピンと来ないと思います(参考:【基本】二次方程式の解と係数の関係)。
二重根号を外すためには、$\sqrt{ A +2\sqrt{B} }$ や $\sqrt{ A -2\sqrt{B} }$ に対して、足して $A$ 、掛けて $B$ となる数字 $p,q \ (p \gt q \gt 0)$ を見つけて、次のように変形すればいいんでしたね。
\begin{eqnarray}
\sqrt{ A +2\sqrt{B} } = \sqrt{p}+\sqrt{q} \\
\sqrt{ A -2\sqrt{B} } = \sqrt{p}-\sqrt{q}
\end{eqnarray}
$p,q$ が、足して $A$ 、掛けて $B$ になる場合、 $p,q$ は $x^2-Ax+B=0$ の解になります。よって、 $p,q$ が存在するためには、 $A^2-4B \geqq 0$ でないといけません。
また、 $A^2-4B \geqq 0$ のときには、 $p,q$ をそれぞれ $\dfrac{A+\sqrt{A^2-4B} }{2}$, $\dfrac{A-\sqrt{A^2-4B} }{2}$とすればよいことがわかります。 $p \gt q \gt 0$ の条件もクリアしています。特に、 $A$ が有理数で、 $A^2-4B$ が平方数であれば、答えは有理数になります。
試験で「二重根号を外しなさい」と言われたら、「外せるかどうか」は考える必要はないでしょう(当然外せるはず)。なので、普段はこの記事の内容について深く考えなくても問題ありません。