【導入】二重根号について
二重根号とは、「ルートの中にルートがある」というもので、次のような形をしています。\[ \sqrt{3+2\sqrt{2} } \]見た目が少し恐ろしいですね。
二重根号を授業で習うときは、主に「二重根号の外し方」について学びます。このサイトでも、【基本】二重根号の外し方 や【標準】二重根号の外し方で解説しています。このページでは、二重根号の外し方ではなく、二重根号そのものについてみていきます。
そもそも、二重根号(ルートの中のルート)なんて、どういうときに出てくるんでしょうか。実は、二重根号は次のようにして、無理やり作りだすことができます。
短い辺の長さが $1+\sqrt{2}$ となっている直角二等辺三角形を考えます。少し変わった長さですね。この斜辺の長さを、三平方の定理を使って計算すると、次のようになります。
\begin{eqnarray}
\mathrm{ AB }
&=&
\sqrt{(1+\sqrt{2})^2 +(1+\sqrt{2})^2} \\
&=&
\sqrt{(1+2\sqrt{2}+2) +(1+2\sqrt{2}+2)} \\
&=&
\sqrt{6+4\sqrt{2} } \\
\end{eqnarray}おっと、斜辺の長さに二重根号が出てきてしまいましたね。
ところで、上の図の三角形は、直角二等辺三角形なので、辺の比は$1:1:\sqrt{2}$になります。つまり、斜辺は次のように書くこともできます。
\begin{eqnarray}
\mathrm{ AB }
&=&
\sqrt{2}(1+\sqrt{2}) \\
&=&
\sqrt{2}+2 \\
\end{eqnarray}
どちらも斜辺の長さなので、$\sqrt{6+4\sqrt{2} } = \sqrt{2}+2$ が成り立ちます。左辺の二重根号が、右辺では消えています。左辺はルートの中にルートがあってよくわからないですが、右辺ならよく見る形ですね。
このように、二重根号は、簡単な形に変形できる場合があります。この「簡単な形に変形する」ことを「二重根号を外す」といいます。【基本】二重根号の外し方 や【標準】二重根号の外し方で、この二重根号の外し方を学んでいきましょう。