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【応用】18度の三角比

ここでは、【応用】36度の三角比で考えた図を用いて、18度の三角比と72度の三角比について見ていきます。

📘 目次

18度の三角比

$\angle \mathrm{ A }=36^{\circ}$ で、 $\mathrm{ AB }=\mathrm{ AC }$, $\mathrm{ BC }=1$ の二等辺三角形 ABC を考えます。点 D は線分 AC 上の点で、 $\angle \mathrm{ BDC }=72^{\circ}$ となる点とします。

【応用】36度の三角比で見た通り、 $\triangle \mathrm{ ABC }$ と $\triangle \mathrm{ BCD }$ が相似であることから、\[ \mathrm{ AB } =\frac{1+\sqrt{5} }{2} \]であることがわかります。

ここまでは36度の三角比で出てきた内容の振り返りです。ここから、18度の三角比を求めていきます。点 B から CD に下した垂線の足を点 F とすると、18度を含む直角三角形が出てきます。辺の長さもわかるので、 $\sin 18^{\circ}$ は次のようになります。
\begin{eqnarray} \sin 18^{\circ} &=& \frac{\mathrm{ CF } }{\mathrm{ BC } } \\[5pt] &=& \frac{\mathrm{ AC }-\mathrm{ AD } }{2} \\[5pt] &=& \frac{\sqrt{5}-1}{4} \\ \end{eqnarray}

$\cos$ の値は、二重根号が出てきてしまいます。
\begin{eqnarray} \cos 18^{\circ} &=& \mathrm{ BF } \\[5pt] &=& \sqrt{ 1^2-\left(\frac{\sqrt{5}-1}{4}\right)^2 } \\[5pt] &=& \sqrt{ \frac{16-(5-2\sqrt{5}+1)}{16} } \\[5pt] &=& \sqrt{ \frac{10+2\sqrt{5} }{16} } \\[5pt] &=& \frac{ \sqrt{10+2\sqrt{5} } }{4} \\[5pt] \end{eqnarray} この二重根号はきれいに外せません。

$\tan$ も出せますが、直接出すよりも $72^{\circ}$ から考える方が楽なので、後で出しましょう。

72度の三角比

余角の公式を使うと、72度の三角比も出すことができます。\[ \sin 72^{\circ} = \frac{ \sqrt{10+2\sqrt{5} } }{4}, \ \cos 72^{\circ} = \frac{\sqrt{5}-1}{4} \]となります。

$\tan$ は、 A から BC に下した垂線の足を G とし、 $\triangle \mathrm{ ABG }$ で考えます。

\begin{eqnarray} \tan 72^{\circ} &=& \frac{\mathrm{ AG } }{\mathrm{ BG } } \\[5pt] &=& 2\sqrt{ \left(\frac{1+\sqrt{5} }{2}\right)^2-\left(\frac{1}{2}\right)^2 } \\[5pt] &=& \sqrt{ (6+2\sqrt{5})-1 } \\[5pt] &=& \sqrt{ 5 +2\sqrt{5} } \\ \end{eqnarray}となります。この結果を使えば、残っていた $\tan 18^{\circ}$ は余角の公式から、次のように計算できます。 \begin{eqnarray} \tan 18^{\circ} &=& \frac{1}{\tan 72^{\circ} } \\[5pt] &=& \frac{1}{\sqrt{ 5 +2\sqrt{5} } } \\[5pt] &=& \frac{\sqrt{ 5 -2\sqrt{5} } }{\sqrt{ 5 +2\sqrt{5} }\times\sqrt{ 5 -2\sqrt{5} } } \\[5pt] &=& \frac{\sqrt{ 5 -2\sqrt{5} } }{\sqrt{ 5^2 -(2\sqrt{5})^2 } } \\[5pt] &=& \frac{\sqrt{ 5 -2\sqrt{5} } }{\sqrt{ 5 } } \\[5pt] &=& \frac{\sqrt{ 25 -10\sqrt{5} } }{5 } \\ \end{eqnarray}となります。

おわりに

ここでは、特別な図を用いて、18度と72度の三角比を求めました。二重根号が出てくる部分が出題されることはありませんが、 $\sin 18^{\circ}$ を求める問題などは練習問題や試験でも出題される可能性はあります。

同じ図から導かれるからか、18度・36度・54度・72度の三角比の値はよく似た式になっています。

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